2007年8月25日土曜日

男泣きの朝

 昨日、吏絵ちゃんが無事に妙深寺にお参詣してくださった。本当に有難く、尊く、近年では最高の日、男泣きに泣けた日であった。吏絵ちゃんのご家族、お父さまの涙、お母さまの涙、お祖父さまである前川さんの涙を拝見して、自分の眼にも涙が浮かんだ。そして、それ以上に、妙深寺のご信者みなさま方の吏絵ちゃんとご家族を見つめる暖かい瞳、一人一人が泣きながら吏絵ちゃんを励ましてくれた言葉、何よりひろし君が子どものように泣きながら言葉を発した姿を見て、嗚咽しながら泣けてしまった。ありがたい。本当に、ありがたーい。

 吏絵(りえ)ちゃん、本当に可愛くて、可愛くて、まさにアイドルが妙深寺に来てくださったような気持ちになった。

 2年間。2年間である。ずっとずっと吏絵ちゃんの御祈願をさせていただいてきた。辛く苦しい白血病の治療。白血病病棟に永年勤務してきた看護師の朋美ちゃんも泣きながら励ましの言葉を吏絵ちゃんに掛けてくれた。白血病の治療は他の部位の癌と異なり、抗ガン剤治療は12才の子どもでも大人と同じものであるという。言葉には表せないくらい、本当に辛く、苦しいもの。吏絵ちゃんのお父さんも言っておられたが、抗ガン剤治療をすると2~3日くらいずっとグッタリして、起き上がることも出来なかったと。それを間近で見てきたご家族。耐え抜いた吏絵ちゃん。

 私たちは御祈願することしか出来なかったのだが、そうしたみんなの応援、思いが結集して、見事に吏絵ちゃんは元気になり、横浜まで来てくれたのだ。本当に元気な姿だった。普通の中学生、とても病気とは思えないほどだった。

 清康師からのご家族の紹介があり、今一度これまでの経緯を振り返った。2年前からの御祈願と妙深寺とのご縁、御祈願の輪の広がり、闘病、そして御利益。

 それにしても妙深寺の方々は有難い。ご家族が本堂の前に立ち、お父さんがご挨拶してくださったのだが、お父さんの口から出た最初のお言葉は「まず、びっくりしたのが、、、私たちが前に立たせていただいた時、みなさんの眼が、大変あたたかい眼で、、、本当に、、、喜んでおりますというか、、、、感謝しております、、、」という言葉だった。何と妙深寺の方々は有難いのだろう。本当にそう思わせていただいた。

 吏絵ちゃん本人からも、みんなにメッセージをいただいた。恥ずかしがり屋さんと聞いていたのだが、元気に、頑張って、みんなにご挨拶してくれた。お助行・御祈願してくれてきた方々にとっては、最高に幸せな瞬間だった。御題目の御力、経力・現証そのもの。ありがたーい。

 吏絵ちゃんへの励ましのメッセージをということで、本堂のお参詣者から何人かが立って、ご家族へお言葉をかけてくださった。その一つ一つが菩薩の心、慈悲に満ちていて、何とも涙が出た。

「今まで治療で頑張ってきたのだから、やれなかったことを楽しんで、頑張ってね」「私も吏絵ちゃんと同じ病気だと言われたことがありました。でも、御法さまのお陰で病名まで変わってしまって、お計らいをいただいて、有難いの。吏絵ちゃんもこれからは学生生活を楽しんで、頑張ってね」

 そして、特に私が涙したのは、ひろし君のメッセージだった。普段のひろし君を知っているので、彼がグチャグチャに泣きながら「吏絵ちゃん、頑張って」と言う姿を見て、私も涙がポロポロ出た。彼はロス・アンジェルスに出張中に吏絵ちゃんのことを知った。私がメールしたのをホテルで見たのだ。そして、自分の部屋で泣いたという。自分の子どもと同い年。ホテルですぐにお看経をさせていただいて、それ以来2年間、吏絵ちゃんの御祈願を続けてきて、昨日の朝はじめて会えた。「自分の人生でこんなに嬉しいことはない」「こんなに泣いたのははじめて」と言っていた。鬼の目にも涙。泣くような男ではない。しかも、自分のことで泣いているんじゃない。悲しくて泣いているんじゃない。人のため、吏絵ちゃんのため、そして御題目のご信心によって御利益をいただき、こうしてお会いできたという喜びにむせび泣いているのだ。これ以上、有難いことがあるだろうか。

 これぞ佛立信心。菩薩行の醍醐味。御題目のご信心は、ここに極まる。あなたが幸せだから、私も幸せになれる。佛立宗のご信者は、みな兄妹なり、である。つまり、家族ということ。家族で苦しんでいる人がいたら、当たり前のように支える、助ける、祈る。ご信者同士は家族なのだ。だから、同じように苦しみ、同じように喜ぶ。これを「同悲同苦の菩薩行」という。

 妙深寺からは、記念品としてお兄さんと吏絵ちゃんの二人にお数珠を差し上げた。信仰師や杉崎さんがいろいろと悩んでくれたのだが、年齢に合うものを探してプレゼントしても時間が経ったら好みも変わってしまうだろう、でもご信心は、この御利益を忘れず永遠に続けてもらいたい、だからお数珠にしたいということだった。大変に有難い。素敵なピンク色のふさの付いたお数珠をお渡しさせていただいた。

 それと、この前ブログに書いたように、吏絵ちゃんの大好きな溝端淳平さんからのサイン入りの色紙と写真をプレゼント。これには本当に喜んでくれた。お参詣してくれていた同い年の汐理ちゃんも彼のファンということだった。本当に人気のある方なのだなぁとあらためて実感。喜んでくれていた。

 みなさんには大変申し訳ないのだが、なんと吏絵ちゃんからプレゼントをもらってしまった。吏絵ちゃんがプレゼントしたいと言ってくれて選んでくれたのだという。もう、感極まって動きが止まっちゃった。その場で「開けてください」と言われたので見させてもらうと、素敵な車の刺繍が縫われている黄色いネクタイだった。本当にうれしいです。もう、何年間もこのネクタイしかしないぞー。何もしていないのに、本当に有難う。

 私はといえば、昨日のご奉公は全て「吏絵ちゃん」にしていたので、一緒にランドマーク・タワーに行って、吏絵ちゃんご家族と展望台に上ったり、吏絵ちゃんが探しているというお財布を見つけようとウィンドウ・ショッピングしたりした。お昼ご飯を一緒に食べて、最後はアイスクリームを食べた。このアイスクリームはとても有名なお店「コールド・ストーン・クリーマリー」に行った。有名店ということで長蛇の列。一緒に並んで食べちゃった。そうしたら、お店の人たちが「どこから来られたのですか?」と聞いてくれたので、「京都から来てくれたんです」と言うと、「ではでは、一曲プレゼントします」と店員さんがみんなで素敵な歌を歌ってくれた。さすが、吏絵ちゃん。ありがたーい。

 ランチはシズラーに行ったのだが、治療中の壮絶な食事制限についても聞かせてくれた。白血病治療の恐ろしさ。実は、吏絵ちゃんがこうしてお食事を出来るのも、アイスを食べられるのも、7月中旬からのこと。それまでは、まず火の通っていない食事は絶対に食べてはいけないということだった。しかも、火を通して作った食事も20分以内に食べなければならないという。お豆腐なども食べてはいけなかった。菌のある食べ物である納豆などもダメだった。治療の最後の方では脂質制限も加わり、毎日「○○グラムの脂質しか摂ってはいけません」と言われて、お母さんはチェックしながら食事を作ったという。お母さんは栄養士の資格を持っていたため、こうしたことにも長けておられ、それだけではなく家族やご親族の協力があってこそ治療に専念してこれたと仰った。お兄さんは高校生で食べ盛り。「ごちそうさま!お腹減った!」というくらいだったとのことだが、それでも妹の吏絵ちゃんを気遣って隠れて食べるようにしていたという。

 その吏絵ちゃん。今こうしてランチを食べ、アイスクリームを食べて、楽しく一緒に歩けること。その全てが、有難い。言葉が見つからない。本当に陳腐な言葉では表せない。これが佛立宗のご信心。

「衆生病む故に菩薩また病む」

 何度か書いた。私たちはお助行させていただいたことで、吏絵ちゃんご家族に何度も御礼を言われたが、御礼を言いたいのは私たちの方だ。吏絵ちゃんは病気になって私たちにご信心を起こさせ、ご信心を教えてくれた。御題目の御力の尊いこと、強いこと、その慈悲、暖かさ、家族の大切さ、ご信者同士の絆、いろいろなことを教えてくれた。だから、吏絵ちゃんは僕にとっての「菩薩」なのです。ありがとう、ありがとう、ありがたーい。
 吏絵ちゃんやご家族の前で、言葉が見つからずに「ありがたーい」と連発してしまった。きっと、お父さんにも移ったなぁ。もう、一緒に歩いている時に「ありがたーい」と言ってくれていたから。本当に、サインの連続。感謝、感謝、ありがたーい。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

ありがとうございます。
ブログで吏絵ちゃんの姿を拝見させて頂きました。しかも、僕の想像を遥かに超えた元気な姿を。ビックリしすぎて言葉が見つかりません。ただただ本当に有り難い限りです。 僕は実際にはベルリンからしか御祈願できませんでしたが、僕自信とっても貴重な体験をさせて頂きました。ありがとうございます。これからも、少し遠いベルリンから応援させて頂きたいと思います。
ありがとうございます

田口拝、

Seijun Nagamatsu さんのコメント...

行弘くん、ありがとうございます。
本当に、遠くベルリンから御祈願を続けてきてくれて、ありがとうございました。吏絵ちゃんは、本当に元気で、確かに妙不可思議の御利益をいただかれた。本当に有難う。有難う。

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