2016年9月13日火曜日

残る桜

9月13日の朝、横浜は強い雨が降っていました。

それでも6時半から奉修の高祖総講にはたくさんのお参詣をいただきました。

本当に、有難いことです。

朝参詣終了直後も地震がありましたね。夕方も横浜は揺れました。

この数日、韓国でも大きな地震があったそうですし、油断でません。どうかお気をつけください。

お総講の後、午後は父のように大切な方のお宅へお見舞いに伺いました。

痩せてしまわれた足をさすりながら、なかなか出来なかったいろいろなお話をしていました。

強いお薬が入っているのかウトウトされていましたが、手には力があり、ギュッと握りしめてくれます。

帰り際、おでこにキスをしました。

そのまま母の病院にもお見舞いに寄りました。

久しぶりにゆっくりと病室にいました。

もっと丹田に力を入れて、踏ん張って、自分に出来ることをしてゆかなければならないのに、なかなか集中できません。

ビシッと頬を叩いてみても、あの人のことも思い浮かぶし、あのご家族のことも気になるし、今は集中できない時期なのかもしれません。

昨日ゆりちゃんと話をしていたように、そんな時はジタバタせず、ただご宝前に向かって御題目をお唱えすることが一番ですね。

そして、何とか「こなし」つつ、御題目をお唱えする時間と、走り回る時間のバランスを、しっかりと立て直して、折り合いをつけて、ペースを取り戻してゆく。

もっとご奉公できますように。

2012年の6月10日は、本当に大きな節目でした。

あの時も、東日本大震災から1年と少し後で、本当はバランスが崩れていたのかもしれないけれど、何とかみんなの力を合わせて、ご奉公させていただくことが出来ました。

小さな妙深寺が、横浜国立大ホールをお借りして、約5000名の法要を営ませていただいたこと。

忘れられません。

忘れないように、自分を鼓舞するように、ときどきYouTubeの映像や写真を見るようにしています。

力を合わせて、生きた仏教を実践してゆきたいのだから。

足りないのは「お寺」ではないか。

みんなに聞きたい、伝えたい。

お寺が本来の役割を果たしていたら、世の中もよくなり、不安定な、無常の人生も、明るく豊かになるはずです。

妙深寺は、生きた人の集う、生きたお寺を目指します。

葬儀も墓地もあるけれど、お金儲けとは無縁です。

葬式仏教でも、新興宗教でもない、普通のお寺。普通のお寺は本来のお寺、本来のお寺は本当のお寺。

暮らしのそばにある、普通のお寺を知ってもらえたら、ありがたい。

それにしても、いつも元気だった方が、あっという間に病床から離れられなくなるのを見て、手を握り、足をさすり、お話をしながら、自分自身も大きな節目を感じていました。

ベッドで、小さな声で御題目をお唱えしながら、いろいろなことを話していました。

「散る桜 残る桜も散る桜」

良寛の作と言われていますが、実際はそうではないようです。

「願はくは 花の下にて 春死なん」

西行だったでしょうか。

佛立開導日扇聖人も、桜の御教歌を数多くお詠みになられています。

「さくらこそ おもひしらすれ つねならぬ 世はかかりとて 風に散覧」

「立まじる 桜の梢ももみぢせば ときはの松も あきをしるらん」

長文を書いている場合ではありませぬ。とにかく、集中しないと後がありません。

南無妙法蓮華経。

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