2016年10月26日水曜日

霧の中で

富士山の樹海。


怖いイメージもあるようですが、それはもったいない話。


ほんの1200年ほど前の、富士山から噴出したマグマの上に生まれた若い森。


ここに立ち入ると、自然の偉大な力を感じることが出来ます。


先日、河口湖オルゴールの森での講演前後、霧に包まれた森の中を歩きました。


無限に広がっているような、それでいて細かな粒子のカーテンで囲まれているような、幻想的な森の中では宙に浮いて、歩いているような感覚になります。


御題目をお唱えしている時の感覚は、この感覚に似ていると言えばいいでしょうか。


佐々木まなび先生に開導聖人の御本尊を拝見していただいた時、すぐに「奥行きを感じます」「やはり宇宙なのですね」と言っておられました。


それは文字なのだけれど、墨の濃淡ではなくて、曼荼羅の中に奥行きがあり、一本の墨の線の中にも奥行きがあり、とても2Dなどではなく、3Dの世界。


人間には文字にしか見えないものが、その正面に向かい、御題目をお唱えしてゆくことによって、2Dの世界から3Dの世界、四次元以上の宇宙に入ってゆくような感覚。


霧に覆われているからこそ、五感は不思議な反応を示します。


喧騒の中、種々雑多な物事に追われる生活の中で、御題目をお唱えすることによって、不思議な静寂の中に入り、感じ、応じ、一つに交じり合う。


官能的な表現にも近いくらい、妙不可思議な自分や、自分の存在に出会う。


未だ開発されていない未知の自分や自分の機能を知ることになるのが、御本尊の前で御題目をお唱えするということであり、御本尊の先にある宇宙の中に歩き出すということ。


全部が自分で、自分が全部。


少しお唱えしただけでは分からず、分かったと思っても毎日の喧騒にかき消されてしまうから、怠らずに唱え重ねることが大切です。


霧から、こんな話になってしまいました。


今夜は、妙深寺で沢田恒夫さまのお通夜を勤めさせていただきます。

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