気分が良いので、続きを書きたいと思う。
「無より有を生ず」という海外弘通の現場は、またとない勉強の場。その第一線で活躍されている福岡御導師は、何しろ肝が据わっておられ、どのような相手(好意的な人、そうではない人、興味のある人、無い人)に対しても最大の効果をもたらすご奉公をなされる。「失敗を恐れていたらご弘通にならん」という断固たるお姿から、小さなプライドを守ろうとしていたら、ご弘通に結びつかないという菩薩行の基本姿勢を再認識させていただく。「あのイチローだって3割打ったらトップバッターや。7割は凡打、三振ということや。海外弘通も日の当たるのは成功ばかりだが、その裏側に失敗がたくさんある」と。
そのバイラクッペで、全僧侶を代表するセラ寺院最高位の学僧約20人との対談と、約2000人もの僧侶に口唱行を紹介した。
私たちは、まず福岡御導師が「法華経の教えに基づく御題目口唱の実践と意義」について、様々な面からお話をされた。宗教や信仰・仏教に縁の無い人でも、あるいは特定の仏教宗派に入っている人でも理解できる内容、流れだ。チベットの僧侶たちも興味深く耳を傾けていた。
恥ずかしながら、御導師に続いて私もスピーチをさせていただいた。私が伝統的な日本仏教の僧侶の家系に生まれながら素直に仏道を歩めなかったことと、その頑迷な私でも確固たる信仰を抱くに至った法華経の教え。そして何より私の目を開かせてくださった先住・松風院日爽上人のお怪我と御利益。下手な英語なので、写真を交えてお話をした。
少々怖じ気づく気持ちもあったが、ダライ・ラマ師らが座る舞台まで上がって、大御本尊をお掛けした。福岡御導師は、ここでも2000人を超すチベット僧に向かって、ステージの上から「ナムミョウホウレンゲキョウ、、、、、」と唱え方を教えられる。そして、セッションをはじめられ、臆することなく、声高らかに御題目をお唱えされた。これが出来たのは、何より福岡御導師の堂々とした御唱導があればこそであった。上行所伝の御題目を、何としても彼らの耳に入れ、唱えせしめるのだ、という純粋なご弘通姿勢の大切さを改めて思い返した。
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