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2005年4月18日月曜日

モニュメント・バレー

グランド・キャニオンからルートを北に取りました。アメリカの原風景といわれている、モンニュメント・バレーに行くためです。渓谷にそってアリゾナ州からユタ州にむけて北上していきます。
ここに行く理由。アメリカの原風景を観ることも当然の目的でしたが、何よりアメリカ先住民である「ナバホ族」に触れることが目的でした。
LA空港に到着してすぐに車を走らせ、深夜の2時に睡眠して4時に起床。グランド・キャニオンで日の出を見て、そしてすぐにモニュメント・バレーへ。大変な強行軍です。しかし、ナバホの人たちの生活や思想に触れることも、現代アメリカ、現代社会、文明と文明、文化と文化を考える上で、非常に大切です。
ナバホ族はいうまでもなく、アメリカ大陸に先住していた民族です。西欧からの移民と西部開拓によって、彼らの文化や伝統、住む地域は変化を迫られてきました。そこにはまた大変な歴史があり、ここで書くことは出来ませんが、想像を超えた苦難の時代があり、今はグランドキャニオンからモニュメントバレーにまたがる地域、アリゾナ州、ユタ州、コロラド州、ニューメキシコ州など、3州から4州にかけて彼らは住み、特に「ナバホ・ネイション」と呼ばれる「国」「自治地域」を持って住んでいます。最近は京都大学の河合隼雄先生がナバホ族の精神生活について、非常に興味深い本を出版されています。
彼らの経営する牧場、特にモニュメントバレーで乗馬をさせてくれる場所で、私たちは車を降りました。ナバホの背の高い方が出てきてくれます。彼と話をして、乗馬をすることにしました。そして、乗馬をしている間、彼も一緒についてきてくれて、一つ一つの山についてナバホではこうした伝説があるということ、風習や神話などについて少しだけ話をしてくれました。
このナバホを考えることも、ラジオ番組の一つになるでしょう。彼らは多神教で、日本人の思想と非常に似ていることが指摘されていますし、現実に今日案内してくれた彼も「ナバホ族には蒙古斑がある。だから、中国人や日本人に非常に親しみを感じているんだ」と。そして、彼らの居住区域に入り、収録をしていましたが、本当に素晴らしい笑顔で通り過ぎるナバホの人たちをたくさん見ることが出来ました。
しかし、現実は厳しく、ナバホの成人男性ではアルコール中毒になる確立が非常に強いといわれています。文化を守ること、しかし入り込む現代アメリカ文化、それに抗することにも疲れ、仕事もなく、生活は苦しい、と。援助もありますが、その援助も苦しみを生み出す悪循環になっているのではないかと指摘されているほどです。とにかく、太古から大事に受け継がれてきた思想が簡単に断絶してしまうのは残念です。
仏教は多神教ではないのですが、そう簡単に結論づけることは出来ないと思います。仏教は、シャーマニズムのような「あらゆる自然、太陽、月、空、大地、水に神聖を感じる」ということの意味は充分すぎるほど理解しています。その上で、という点。そうした勧請したくなる神々の、その後ろ側にある宇宙の法則、真理を説くのです。だから、別に取り上げて祀ったり、勧請したりしない、と。私も「南無久遠~」という御文では、毎回勤行するたびに「地神水神~」と唱えています。これは南無妙法蓮華経という宇宙の真理、御仏の御本意が開顕された時にはじめて敬うという立場ですが、このことだけ考えてみても、よくお祖師さまの教えを「一神教と似てる」などと言う人があるようですが、そんなに単純な話ではありません。

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