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2007年8月10日金曜日

国際仏教徒会議にて

 独立記念日に併せて開催された国際仏教徒会議は、スリランカ出身の僧であるVen. Dr. Golleの提唱によって開催された。

 規模としては決して大きくはない。しかし、タイやマレーシアなどアジアを中心として、様々な仏教団体が招待されていた。ブッダの教えが現代社会に必要不可欠であるという確信から、仏教諸宗の教えを交換し、混迷の度を深める世界に生きる一人一人の心の安らぎ、豊かさを与えるブッダの教えとは何か、平和を希求するブッダの教え、青少年の育成についてのアイデアを交換した。

 基調講演として冒頭に福岡御導師からのスピーチがあった。御導師は冒頭から、「世界各国でHBSの僧侶としてブッダの教えを伝えている中で感じたことは、何より大切なのはブッダの示された『修行』を世界に伝えるということである。仏教は単なる哲学ではない。研究室や図書館の中だけで語られるのが『仏教』ではない。『修行』があってこそブッダの教えであり、その『修行』によって世界中の人々を幸福へ導き、世界に平和を築くことが出来ると考える」と話された。

 続いて、「その『修行』とは何か。大きく分けて『瞑想』と『口唱』があるだろう。ただし、『瞑想』は主に脳(ブレイン)や心(マインド)を使い、個人の修行になることに対して、『口唱』は五体を使い、多くの人と共にすることができる。しかも、『口唱』を何のためにするかといえば、人のために祈ることが出来るのである」と話された。

 御導師は、私たちが良く御法門聴聞させていただくお話を、分かりやすく約20分程度お話になった。

 「一念三千」の意味について、私たちの身体の中に収まる細胞、そしてDNA。それは即ち宇宙そのものではないか。その宇宙と私たちは一体であることは、科学でも証明されようとしているし、既にブッダが説かれていたことではないか。そして、私たちの『思い』は、必ず他のものに影響を与える。

 筑波大学の村上教授は、『笑い』による糖尿病患者への実験を行った。日本で著名なコメディ・デュオを呼び、笑う前後で血糖値を計ると圧倒的に大笑いした後の方が数値が良かったのである。このように笑うということだけでも、身体に良い影響を与える。しかし、それだけではなく、村上教授は「実は、もっと可能性があるのは『祈り』ではないか」と仰った。人間の心の働きの中で最も尊く、強い『祈り』を題材にして実験したならば、もっともっと良い結果をもたらすのではないか、と。

 水ですら『思い』を受け取り、その影響によって結晶が変化するといわれる。特に、『言葉』によって実験は行われた。『良い言葉』と『悪い言葉』である。その結果は、明らかに違っていた。私たちの身体も、ほとんどは水で出来ていることを想起してもらいたい。では、如何なる『言葉』を使い、如何なる『思い』を使うべきか。

 私たちHBSは、法華経の教えに基づく『口唱』を行う。それは、最も神聖で、最も尊いマントラ、「ナムミョウホウレンゲキョウ」を連続して唱えることである。そして、それを他の人のために、世界の平和のために祈ることである。その教え、その『修行』を、実践的に世界に伝えることによって、確かに多くの方々が苦悩を乗り越え、平和が近づいていくことを感じるし、私は確信しているのだ。

 今日、このようにスピーチする機会を与えていただき、感謝する。世界に平和をもたらすのは、ブッダの難解な教えではない。もちろん、仏教には現代人が受け入れなければならない数え切れないほどの尊い教えがある。しかし、「教え」だけで完結していたら、誰が幸せになるだろうか。紛争、戦争、テロ、人種差別問題。正しく、尊く、シンプルで、誰にでも出来る『修行』が大切なのだ。『修行』がなければ何もならないということを提唱させていただきたいと思う。

 以上のような要旨のスピーチをされた。会場からの拍手がその後のスピーチとは比べものにならないくらい大きかったことを明記したい。そして、セレモニーの終了後は、多くの若者たちがスピーチに感激して質問を重ねたのであった。

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