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2008年1月23日水曜日

「志」を届ける

 今朝、横浜は雪。境内地にも雪が積もっていた。信仰師が写真を撮って送ってくれた。見るだけで寒々しい。あ~。
 それにしても、温暖化が取り沙汰される中で例年より寒い日が続くとホッと安心してしまうのではないか。いや、それはとんでもないこと。映画「デイ・アフター・トゥモロー」ではないけれど、温暖化による海水温の上昇が海流の異常と重なり、恐ろしい寒気が北半球を襲うという仮説がある。今年はお正月に沖縄でセミが鳴いたり桜が開花したりと、異常が続いているので、これも一喜一憂したり、安易に安心することは出来ないだろう。冷静に、「今の結果を見れば過去にやってきたことが分かる。今やっていることを見れば未来が分かる」という因果の道理に照らして、少し俯瞰的だったり、長期的な視点で未来を予測していくべきだろう。
 短期的な視点に立つと見えなくなることがある。金融市場の混乱も顕著な例だと思う。そろそろ底が見えそうに思うけれど、やはり昨年度から「先送り」を続けてきた問題が今年になって火を噴き、衝撃的な金融不安が世界を襲っている。
 クリスマスには「徳政令」的な発表を行い、先日は16兆円規模の減税を発表したアメリカ政府。さすが、対処療法をさせたらアメリカほど現実的な人たちはいないと思うが、今回の対策は中途半端であるか、そもそも問題の規模が大きすぎて具体的かつ有効な刺激策とはならなかったようだ。それにしても、16兆円規模の減税とは恐れ入る。どんだけ~、である。
 私はといえば、明日からスリランカご奉公。日本の輸出企業には申し訳ないが、海外ご奉公の前に円が強くなるのは少しだけ嬉しい気持ちになってしまう。スリランカやイタリアに御有志をお届けするにしても、円が強ければ現地は喜んでくれるだろう。「志」は両替できないが、海外への御有志の場合、どうしても「為替」という壁があるから。
 1ドルが106円、1ユーロが156円。つい先日までは1ドル120円、1ユーロ170円だったのだから、すごいことだ。重ねて、輸出企業の方には申し訳ないが、嬉しくなってしまう。個人的な感想だが、私は為替取引に介入することは金持ち国家・日本の悪癖だと考えている。米国や欧州では、既に介入を行わない方針であるというのに、日本は輸出企業を守るべく恒常的に介入。これは異常なことで、「実体」の「実力」が分からないまま、1ドル80円台の恐怖から大規模な介入が続いているとしたら日本の実力を削ぐ結果になってしまうとも思う。勝手ながら、長期的に見れば1ドルは105円から110円で落ち着き、1ユーロは130~140円で落ち着いてもらいたいし、その程度が実際なのではないかなぁ。いずれにしても、海外ご奉公前の円高は、御有志をお届けする者としては嬉しい気持ちだ。
 明日、夕方のフライトで日本を発つが、経由地のシンガポールは最高気温は32度、コロンボは30度を超えている。何とも暑いだろう。こちらから着ていくものも考え込んでしまう。飛行機に乗るまでは寒いだろうが、あちらでは8月にシンガポールを訪れた時と全く変わらない猛暑なのだ。身体のサーモスタットが壊れてしまう。それでも、25日8時過ぎにコロンボに到着直後から外回りのご奉公が続く。体調不良などと言っていられない。
 スリランカにご奉公に向かうことをご披露で聞いてくださり、さまざまな協力を申し出てくださる方々がいる。前回、京都を訪れたスリランカの方々に感激して、古くからお数珠をお願いしている老舗の中郷さんから、スリランカの方々にということで100連近くのお数珠をいただいた。無料で、である。本当に有難かった。中郷さんは、長松日峰上人、小千代おばあちゃまの頃からのお付き合いで、長松寺にも毎御総講毎にお参詣くださる。私がご奉公で使わせていただいているお数珠の全ては中郷さんに作っていただいている。その中郷さんからの御有志。大変に貴重なもので、スリランカではこれを頒布して、冥加料をお預かりして、ご弘通の資金に当てることもできる。実際、大変な御有志となる。
 そして、今回、妙深寺の寺田さんより、10個の、手作りのお数珠袋をお預かりした。こうして、スリランカに出張ご奉公に行くというのを聞いて、志のある方々が「何か自分に出来ることはないか」と考えてくださり、それを形にして持ってきてくださる。本当にありがたい。感謝、感謝である。しかも、それは写真の通り、とても日本的で、きっとスリランカの方が喜ぶであろうものばかり。嬉しいなぁ。
 明日、また皆さんの「志」と共にスリランカに向かい、現地でご信心に励む方々に「志」をお届けする。自分の背中に、多くの方の「気持ち」「志」を背負っていること、多くの方々が背中を押してくださっていることを忘れずに、ご奉公させていただこう。
 まさに、中郷さんも寺田さんも、「Think Globally, Act Locally」のお手本である。

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