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2010年5月25日火曜日

シンガポールのご弘通 1

 これから少し、シンガポールでのご弘通について書かせていただきたいと思います。まとめておかないと、どういう経過か分からなくなりますから。また、ご弘通が動き出す前後のお話には、大切な佛立信心のエッセンスがたくさん含まれていると思うので、「結果」だけではなくて、その「プロセス」「経過」についてご披露しておきたいと思います。
 本門佛立宗の海外弘通は、良い意味では「草の根のご弘通」、悪い意味では組織だってのご弘通と」は程遠い。とにかく、一人一人のご信心とご奉公から始まるのが、本門佛立宗の海外弘通。他の新宗教の団体は、政治力や資金力を駆使して海外布教をします。既成の巨大仏教団体も同じ。でも、私たちは違います。「だからこそ、佛立宗は素敵だ」と私は思っていますが、ちょっとうらやましいかな(笑)。
 とにかく、シンガポールで、こんな風に本門佛立宗のご信心の輪が広がってゆくとは、思っていませんでした。シンガポールに御題目の声が響き、御講に、お助行に、と日々ご信心のふれあいやご奉公が行われているなんて(涙)。こんなに有難いことはありません。
 本当に、これは、数年前には想像もしていなかったことです。コツコツと積み重ねてきたご奉公は、ある時、突如として「臨界点」を迎え、ダイナミックに動き始めます。種まきのご奉公は、いつか臨界点を迎える。本当に妙不可思議なご縁がつながってゆき、次々と現証の御利益が顕れてゆきます。これが、ご信心、ご弘通の醍醐味だと思います。
 スリランカやイタリア、近年では遠妙寺さまのフィリピン弘通など、海外弘通の現場には国内の私たちが学ぶべきポイントがたくさんあります。「お寺」という「拠点」も、常在のお教務さんも、何もなかった地域や国。そこには、ほんの数人のご信者さんしかいなかったのです。その「人」のご奉公で、何もかもがスタートします。「人」こそ全て。一人が変われば世界が変わる、の証明ですね。人が全てを生み出していきます。とにかくご信心の尊さや本来のご奉公姿勢が、何もない海外では端的に表れて、勉強になります。有難いことです。
 シンガポールのご弘通は、齋藤さんご一家の転居から始まりました。それまでは、ご信心的にはまるで「不毛地帯」。何度かご弘通のチャンスを探って試みても、芽を吹くことはありませんでした。それが、齋藤さんの転居で一気に動き出しました。
 いや、ご信者さんが仕事で転勤され海外に住み始める、というケースはよくあることです。それだけならば、世界各国に同じケースはあります。しかし、シンガポールは違いました。ご主人の匡司さんは、大学時代から強いご信心で知られており、ご弘通の思いや意義を強くお持ちです。ハーバード大学を出ておられ、シンガポールでも日系企業ではなくパリに本拠のある欧州企業のアジアの拠点法人に勤めておられます。これは、大変なことです。
 そして、誰よりもシンガポール弘通のキーパーソンである齋藤さんの奥さま・宥華さんは、本当に最初からシンガポールでのご弘通を考えておられました。どんな人でも、どんな場所でも、なんとかこのご信心をお伝えしようとしておられました。シンガポールの開教は、宥華さんによって為されたと言っても過言ではないと思います。本当に、海外に住んでおられるだけなら、本門佛立宗のご信者さんもたくさんおられます。宥華さんは、最初から、はっきりとご弘通という目的をもっておられました。
 昨年の9月、宥華さんがどうしてもお教化したい方がいるということで、スリランカからシンガポールに立ち寄りました。そして、オーチャード沿いのカフェで、ジェッドと会いました。彼は中国系シンガポール人。英語の先生。時間が経つのも忘れて彼の身の上話、宗教遍歴、ご信心のお話、質疑応答などをしながら過ごしました。話は尽きませんでした。
 しばらしくて、宥華さんのお教化は成就しました。日系人で完結しないこと、これが海外弘通の最低限の条件です。宥華さんは本当に純粋な思いを持たれている方で、頭が下がります。11月、ジェッドの家に御本尊を奉安させていただくことになり、再びシンガポールを訪れました。1泊3日の強行スケジュール(汗)。しかし、本当に御本尊をご奉安させていただいてよかった。
 そして、それから、本当に不思議なことが重なってゆきました。いろいろな意味で、臨界点を迎えたのです。そう感じます。つい先日も、一大現証の御利益が顕れました。重ねて、これは後で書かせていただくことにします。

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