暴力。
暴力の連鎖。
暴力が、世界中に広がっていることを感じます。
大自然の、大災害が人間を苦しめて、そんな哀しい出来事を、進化したメディアやデバイスを通じて、みんなが共有しているはずなのに、世界は、そこから学ぶこともなく、むしろ生存本能や、防衛本能で、暴力に傾倒してゆくのでしょうか。
そうではないと思いたいし、それを示したいです。
しかし、人間も、所詮はケダモノです。
そういう圧倒的な認識があります。
真実の仏教だけが、外に神や仏、鬼や悪魔を求めず、自身の中にそれを発見したのです。
人間は、オオカミに育てられたら、オオカミになります。
人間は、仏にもなれば、鬼にも、悪魔にもなります。
この圧倒的な事実、真実。
このことを認識して、自分を育て、人をも育てなければ、人間の、人間による、人間のための社会は、作り上げられないはずです。
人間に育てられたら人間になる。
こんな当たり前の出発点が、仏教であり、ご信心だと思います。
暴力。
王将の社長が射殺され、北九州でも射殺事件が起きました。
暗殺。
近代、この暗殺ということで、どれだけ人類の進化は頓挫し、否定されてきたでしょう。
処刑。
北朝鮮で起きた出来事。
どれが本当か、真実か、分かりません。
しかし、オブラートに守られた日本に生きる私たちにとっては、衝撃的な事実のはずです。
国家のトップ2が、即日結審の裁判で、死刑、機関銃で射殺、そのまま火炎放射器で燃やされる。
まさに、憎悪というか、暴力も、ここまで極まるかという状態です。
『仏教徒 坂本龍馬』の186頁にも紹介したサヴォナローラは、あの美しいフィレンツェのパラッツォ・ヴェッキオの広場で処刑され、そのまま火をつけられ、身体をすべて燃やし尽くされて、それでも飽きたらず、今は観光名所となっているポンテ・ヴェッキオの橋の上から、燃やされ尽くした遺骨や遺灰を投げ捨てられました
人間の狂気。
すぐそこにある、人間の狂気。
中央アフリカでは、宗教による対立、いや対立というか殺戮が行われています。
また、です。
間違いなく、何の罪もない子どもたちが巻き込まれ、命を落とし、あるいは親を殺され、路頭に迷っているでしょう。
このイスラムとキリスト教徒の殺し合いに、私たちに出来ることはないのでしょうか。
神比べ、仏比べをしている間は、解決できないはずです。
WOWOWで、『タイタニック』という映画が放送されているようです。
観る時間は取れませんが、素晴らしい映画でしたね。
主演女優の方もすてきだし、何よりレオナルド・ディカプリオの魅力は圧倒的でした。
あの愛の物語が生まれた、タイタニック沈没という悲劇。
実は、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』にタイタニックで亡くなった方々のことが出てきます。
もう一つの、タイタニックの物語。
かわいそうな、幼い姉弟。
ハレルヤ、ハレルヤ。十字架。
賢治は、タイタニック沈没という事件や、キリスト教を登場させて、物語を紡いでゆきました。
これを読んで、映画化した人たちもそうですが、何やら『銀河鉄道の夜』はキリスト教を賛嘆するような内容に描かれることが多いのです。
これは、賢治の信仰、法華経の思想を理解していないと分からないと思います。
なぜ、これらを登場させたのか。
それは、法華経の持つ使命と関係しています。
法華経は、世界中で、バラバラになり、永遠に、神比べをして、対立して、争い合う宗教や思想を、一つへと導く教えです。
少なくとも、仏陀、法華経を語り継ぎ、編纂した仏弟子たち、鳩摩羅什、天台、伝教、お祖師さま・日蓮聖人は、これを強く体し、これを願っていたのです。
またもや宗教に起因する殺戮が止まらず、背後でフランスなどが苦慮しながら介入を続けていますが、終わりは見えません。
私は、宗教者ですが、結局、暴力が連鎖してゆけば、暴力でしか止められなくなるのも分かります。
我が子を、目の前で殺されて、冷静に、穏やかに、いれる者などいるでしょうか。
欧米各国が、ソチ五輪への首脳の出席を取り止めています。
本当に、五輪嫌い。
そもそも、政治と経済効果の化け物のようなイベントです。
スポーツを政治利用するなと言いますが、どれだけ利用されてきたか分かりません。
本当のスポーツマンならば、よく分かっているはずです。
世界が、また大きく割れようとしています。
その序章を、私たちは見ています。
そうしてはいけないけど、そうしなければならないという論理が、妥当だと言われるでしょう。
そうではないのです。
政治は、そっちに行ってしまうかもしれません。
しかし、そうしてはいけないと思うのです。
人間も、所詮ケダモノ、動物です。
食べ物がなくなり、生存が脅かされれば、敵に向かってがむしゃらに飛びついていく。
その前に、そんなことの起こる前に、そうなってしまう前に、説いておくべきことがあります。
そうでなければ、全員が、オオカミに育てられ、オオカミになってしまうからです。
暴力の連鎖、暴力の広がりが、続きます。
そうなる前に、もっと、もっと、出来ることをしておきたいです。
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