朝一番、あまりにも時間がないのでご染筆のご奉公をさせていただき、朝のお看経終了後、ご供養をいただいて本堂から告別式に向かわせていただきました。
寺尾さんの告別式ー。
妙深寺の誰もが知っている大先輩の告別式です。
いろいろな思いが浮かびます。
僕たちは、93才で亡くなられた、寺尾さんのような、素晴らしい、菩薩のような方々を、生み出し、育むようなご奉公をしているであろうか、と。
見渡してみると、昭和初期、あるいは中期の、ご奉公の功徳を使い果たしているだけのように思えます。
寺尾さん同様、コツコツとご奉公くださってきた方々のお見送りは、住職として導師を勤めさせていただいているものの、ただただご信心改良を誓うのでした。
葬儀中、現在ご奉公させていただいているご家族から、トラブルが発生したと何度もメール、メッセージ、LINEが届いていました。
葬儀中ですので対応できず、申し訳なく思っていると、続けて別のメールが入ってきました。
先日来、会社や個人で抱えている借金が莫大な金額になっていることを相談された方からでした。
数年前から、厳しくお折伏をさせていただいてきましたが、なかなか踏ん切りがつきません。
先日は、僕の高校時代の友人を紹介して、彼からの協力もいただき、次に進めるかと思っていましたが、それでも厳しい状態に変わりはありません。
本人の曖昧さ、なかなかお懺悔できない心、決定できず、開門参詣も続かない中のこと。
今日は、ギリギリの状態の中、もうダメだ、「苦しい」という文章が目に飛び込んできました。
葬儀場から電話をしました。
「今どこか?」
戸塚の原宿です、とのことでした。
葬儀場から近くです。
「分かった、行く。近くで会おう。原宿のマクドナルドの隣りにあるファミリーレストランで待っていてくれ、今から行く」
葬儀の格好のままで、車に乗りました。
随行が来ていましたが、昨年事故を起こしたばかりで、緊急事態でもあり、自分が運転すると言って、ハンドルを握りました。
原宿。
目と鼻の先に、ロイヤルホストが。
そこで、パトカーに止められました。
その少し手前の一時停止で、しっかりと停まっていなかったということでした。
確かに、しっかりと停まっていなかったです。
お葬式であったこともあり、免許書も不携帯でした。
いちおう事情を説明しましたが、僕がルールに従っていないのは明らかです。
目と鼻の先で、待ってくださっている方。
淡々と進む、いろいろ。
いい負を取りました。
その後、ロイヤルホストではなしをしました。
本当に、厳しい。
しかし、乗り越えなければならない。
決定しなければならない。
今日中にしなければならない、会社も何もかも飛んでしまうようなこともあり、そちらに行ってもらいました。
夜、連絡があり、今日の案件は無事に終わり、ギリギリセーフとなりました、という連絡がありました。
本当に、ありがたいです。
しかし、これは、執行猶予であり、ここで大改良、しっかりと筋を通して、言った通りにしなければならないと約束しました。
夕方、末期の癌で患われている方がお嬢さまと共にお参詣くださいました。
20年来、お世話になっている大先輩(ご信者さまではありません)が、お連れくださいました。
ご病気の痛み、不安を感じながら、精一杯、お話をさせていただきました。
御本尊をいただかれることとなり、本当にありがたいです。
明日の朝、言上させていただきます。
みんなで、本堂に上がり、御題目をお唱えさせていただきました。
寒中教化、3名の方にご奉公させていただき、有難いこと極まりないです。
きっと、いい負を取ったからではないかな、と思います。
まだまだ、足りませんが、とにかく、精一杯ご奉公させていただきます。
スリランカから戻り、目も回るようなご奉公の中で、お巡りさんに捕まってしまって、ガクッと来ていましたが、自分も悪いですし、やはりいい負を取らせていただいたのだと思います。
プラスの次はマイナス。
マイナスの次はプラス。
いい負を取る。
罪障消滅。
ご奉公精進。
ありがたい。
禍福は糾える縄のごとしです。すべては、お計らいです。私自身、そのように感じさせていただいた60年です。
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