緊急事態宣言下、今日は所管する海外弘通特別委員会、米国教区弘通促進委員会があり、久しぶりの京都です。
本門佛立宗には海外に9つの教区、16ヶ寺、10の別院、およそ6つの親会場があります。
ブラジル教区、韓国教区、台湾教区、米国教区(ロサンゼルス、ハワイ)、オーストラリア教区、スリランカ教区、イタリア教区、フィリピン教区、インド教区(ネパール)。宗制にはご弘通の歴史の順に教区名が掲載されています。
来月5日、ブラジルのモジ・ダス・クルーゼス(Mogi das Cruzes)隆昌寺は80周年を迎えます。ご住職のコレイア御導師はこれを勝縁に50キロ離れたスザノ市の「親会場」を「別院」へ昇格させるご奉公を進めてこられました。
Wikipediaを見るとスザノ市は「大サンパウロ都市圏の一部。日系ブラジル人の人口が多い。かつては農業が中心だったが、今日では輸出産業の中心地となっている。近隣都市と比較しても、かなりの数の高層ビルがある。」とあります。
コレイア師と励まし合っていたのですが、こうしてご弘通を前に進めることが何より大切で、時代のせい、人のせい、コロナのせいにして、後退することが当たり前のようになっているのは大間違い。ほとんどが弱くて、ズルくて、怠け者の自分のせいなのです。そこに気づかないとほんまにダメ。
前に進めてナンボ。必死に前に進めても、時は末法、我らは罪障と欲の深い凡夫、どんどん後ろに下がる。だから現状維持は後退です。ボーッとしてるから、どんどん後退する。どうするの?これから?なんか考えてるの?ということになります。
お祖師さまは何度も何度も「法華経の行者」と規定されています。「法華経」を「行う人」か、「法華経」を抱いて「行く人」か、ここが大事。それ以外の「待ち」の人や止まっている人は「縁者」にしかなりません。
末法では絶対に前に推し進めるエンジン、異体同心の挑戦が必要です。ブラジルから届いた嬉しいニュース、日教寺のことも、スザノの別院昇格も、ポルトガル語『如説修行抄』の刊行も、多くの前向きな挑戦の知らせが私たちの励みです。
この夏、8月14日は水野龍さんの帰寂70周年でした。ブラジルへの日本人移民を創始した方で、本門佛立宗の信徒でした。行年92才。
全世界で約360万人(うち中南米213万人)いる移住者・日系人。その中でブラジルは最大、200万人の日系人が住んでおられます。壮大なブラジル移民の創始者が水野龍さん。共に第一回の移民船・笠戸丸に乗船してブラジルに仏教を伝え、艱難辛苦のご奉公の果てに佛立仏教を根付かせたのが茨木日水上人。
水野龍さんは「本伯院開勲契拓日龍居士」。ブラジル初祖・茨木日水上人をはじめ、偉大な私たちの先輩です。
本当に、ありがたいです。今日の会議も、国内外のご弘通進展のために、しっかりと進めさせていただきます。
昨日は荻原薫さんの告別式のご奉公でした。誕生寺の開筵式に出座させていただく予定でおりましたが、日程の調整がつかず、住職として荻原さんのお見送りのご奉公に当たらせていただきました。
行年89才でのご帰寂でしたが、本物の佛立信心を実践された方でした。70才を過ぎても、原付バイクで走り回ってご奉公くださいました。
悩んでいる方の相談に乗り、元気のない方を励まし、病気の方のために祈り、東西南北、まさに賢治さんの「雨ニモマケズ」を実践しておられる方でした。
東ニ病気ノコドモアレバ
行ッテ看病シテヤリ
西ニツカレタ母アレバ
行ッテソノ稲ノ朿ヲ負ヒ
南ニ死ニサウナ人アレバ
行ッテコハガラナクテモイヽトイヒ
北ニケンクヮヤソショウガアレバ
行ッテツマラナイカラヤメロトイヒ
4番目の「行ッテ」は書き加えました。実は、ノートには赤ペンで賢治さんが書いていたから。
4つの「行ッテ」は本化の四菩薩のお名前に共通する「行」の一字であり、4つの「行」です。
荻原さんのような、多くの人を自分の心の中に入れて、自分の家族のように思いやり、励ましたり、慰めたり、宥めたり、支えたり、地道なご奉公を積み重ねる人こそ、本物の佛立菩薩です。
「行者」になることが、「行者」であることが私たちの目標です。「行う人」「行く人」でなければなりません。前に進めてナンボ。
今日も最幸の一日となりますように。
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