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2022年8月3日水曜日

班長さんへの手紙


班長さんへの手紙

妙深寺 役中テキスト 20228月号

住職 長松清潤


ありがとうございます。


毎日どうしようもなく陰鬱なニュースが続きます。コロナ禍、戦争、気候危機、経済危機、そして元首相の殺害、さらには新興宗教と政治とのつながり、深い関係、恐ろしい闇。見たくなくても、聞きたくなくても、目や耳から、どうにも気味の悪い、気持ちの悪くなる話が飛び込んできます。


結局、謗法が政治や社会の中枢にまで浸透し、食い物にし、鎌倉時代よりも強烈に愚かな、強烈に恐ろしい状況を招いているということです。


トランプ元大統領や安倍元首相などがビデオメッセージを送る旧統一教会。揃いも揃って世界有数の政治家が、霊感商法などによって数多くの人生や家庭を壊してきた新興宗教団体に対して何をしていたのでしょうか。


必死に政治へ、政治家へ接近する宗教。その目的は教団の拡張や利権の獲得、活動の保護、布教の促進と言われます。しかし、そのほとんどが教祖や開祖の名誉欲、野心や野望を満たすためのものです。


なぜ、政治家たちは宗教に接近するのか。これは単純な話です。一般の人たちよりも信仰を持っている人たちは、我慢づよく、献身的だからです。一般の人であれば諦めてしまうことでも、理由さえはっきりすれば信仰を持つ人は諦めず、我慢強く耐えてくれます。


彼らは投票のための長蛇の列に静かに並びます。選挙活動にも奉仕をし、献身的な姿で教祖や宗教団体の言う通りにするのです。


世界中で、人間の「信じる」という心を利用して、悪徳な教祖や宗教家、取り巻き、政治家たちが暗躍しています。暗黙の了解であった宗教を取り巻くこうした現実が、次々と明るみになってきました。


最後の最後、何があっても裏切らない、そこだけは利害損得を抜きにして、頼れる、相談できる、助けてくれる、救済の場所が信仰であったはずです。しかし、それすら破壊されています。


末法悪世。世界政治を司る人たちの実態。臆面もなく欲望をむき出し、偏屈な思想の上でさらに謗法にまみれているのですから、社会が誤った方向に行くのは当然です。


すべては発酵か腐敗か二つに一つです。


日本社会は発酵ではなく、腐敗しています。


戦争に巻き込まれ、国内テロが発生し、大災害も頻発する。疫病はすでに蔓延しています。次は食物の不作、飢饉でしょう。三災七難が盛んに起こる。その条件は全て整っています。


本門佛立宗は政治に興味もありません。与党の支持者もいれば野党支持者もいる。選ぶのは個人。政治家や有権者に対して、み仏の教えを説いても、選挙活動をすることはありません。


「人立宗」はそもそも政治的に発生、誕生するものなのかも知れません。人間が政治的な生き物であるなら、それも当然と言うことができます。


しかし、「佛立宗」は違います。信仰の純粋性、独立性を守ることが大切であり、それこそ真実の仏教、本来の仏教です。


「宗教二世」という言葉がもてはやされ、オウム事件の時と同じように宗教や信仰に逆風が吹いていますが、このまま謗法が放置され、このまま人の心から「信じる」が無くなるのを見ていられません。


どうか、今こそ、逆風に負けず、本当の教化と法灯相続に精進いたしましょう。

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