浦島太郎と玉手箱、AI時代の立正安国

 

秋晴れの最高に気持ちいい横浜で、妙深寺の高祖会 第一座を奉修させていただくことが出来ました。

「ウチのお寺は妙深寺」

「わが家のお寺は妙深寺」

妙深寺に縁のある方々、せめて御会式にお参りいただければ何よりありがたく、さらに御会式でご奉公いただけるようになったなら、また何倍もありがたいのです。今日もたくさんのお参詣、そして大勢のご奉公、ありがとうございました。

第一座の奉修導師として「AI時代の立正安国」をテーマに御法門に取り組みました。選ばせていただいた御教歌は下記。

「浦島もあけてくやしき玉手箱 迷へば死ぬはいやにさだまる」

浦島太郎になるな、玉手箱はいつか開く。過ぎた時間は冷酷に矯正される。リセットされる。特別はない。

人として生まれて、真実のみ仏の教えに出会って、亀を助ける優しい心を持っていても、末法悪世、複雑な世の中で、幻惑されて、惑わされて、迷わされて生きるなんて、これほどもったいないことはない。自業自得、自分が悪い、自分が選んだ人生。でもそんな生き方は悔しい、悲しい、絶対ダメなはずです。

もはや御伽話のような世の中。幻惑の世界。竜宮城。世界の政治も、国内政治も、大変な状況ですが、どちらもしても「劇場型」ということ。政治家の名前をつけて「〇〇劇場」と言いますが、本当にそのとおり。劇場なんです。演劇です。演出されている。セリフの回し方、使い方、照明の当て方、喜劇、悲劇、衝撃、愛と憎しみ、戦争と平和、起承転結。

巧妙な演出にどっぷりとはまって、泣いたり、本気で怒ったり、憎んだり、罵ったり、戦ったり、流されて、生きてはいないか。これにAIが入ってきてる。アルゴリズムが効いてる。恐ろしい時代。本当に、竜宮城のタコのダンスのように、楽しくて、恐ろしい。

ただ一つの命、たった一度の人生を、惑わされて、迷わされて、生きてたまるか。見たくないのに見て、行きたくないのに行って、欲しくないのに買わされてるなんて、そんな人生、冗談じゃない。

それこそが、この決意が、仏教徒の真骨頂のはずなんです。佛立仏教徒の真骨頂のはずです。

面倒なことはＡＩに任せて、楽しいことだけすればいいと言う人もいますが、面倒なことの中にこそ学びがあり、成長があります。苦しい中に真実がある。

面倒なことをせず、修行せず、自分のしたいことだけしていたらどうなるか。自分のことは棚に上げて、慢心した人間、人のことばかりとやかく言って、自分を知らない人間になる。AIに頼り過ぎれば、怪物か、抜け殻のような人間ばかりになる。そんな世界になってしまう。

心を失わず、道を見失わず、迷いに呑み込まれずに生きるにはどうしたらいいか。後悔しない人生を送るための仏教、お祖師さまの教え、ご信心です。

万物の霊長・人間の心が曲がれば世界も曲がります。人間の心が地獄界に沈めば世界も地獄になります。だからこそ、人の心を正しく導くこと。鬼も悪魔も、神も仏もみな心の中にいる。十界の御本尊は宇宙の調和、即ち人間の心の調和を表しています。

いわば動的平衡の御本尊。動的御本尊。口唱することによって起動し、心を整える。鬼に引きずられないように、悪魔に騙されないように、心の菩薩を呼び起こし、菩薩にリードしてもらえるように、御題目を唱えれば、御本尊は起動して、御法の磁力が働きその力に引かれて、十界の全てが、あるべき姿に戻る、調和した姿になってゆく。心にこそ、僕たちの心にこそ、みんなの心にこそ、現証の御利益が必要です。後悔しない人生のため、そのためのご信心。絶対に離れてはダメ、やめてはダメということになります。

心の科学。「仏法と申すは道理なり」。ロジックがあって筋が通る。緻密な法則、真理から導かれた人間の生き方、道が「仏法」なのだから。

来るべき大変革の時代に備えて、自分を磨こう。AI時代、怪物になってはいけない、抜け殻になってはいけない。み仏の教えを蔑ろにしていたら、いつしか慢心し、懈怠する。気づいたら、怪物になってしまう。抜け殻になってしまう。

AIは敵ではない。いいパートナーにもなれるはず。それもこれも、人間次第、自分次第でしょう。

南無妙法蓮華経ー。

AI時代の立正安国。なぜ、仏教なのか、信仰すべきなのか、伝わったなら、ありがたいです。

原始経典に遺る仏陀の言葉。ある夜叉が仏陀に尋ねた。（第一 蛇の章 10. アーラブァカという神霊）

「この世で人間の最高の富は何であるか？いかなる善行が安楽をもたらすのか？実に味の中での美味は何であるか？どのように生きるのが最上の生活であるというのか？」181

「この世では信仰が人間の最上の富である。徳行に篤いことは安楽をもたらす。実に真実が味の中で美味である。知慧によって生きるのが最高の生活であるという。」182

「ひとはいかにして激流を渡るのであるか？いかにして海を渡るのであるか？いかにして苦しみを越えるのであろうか？いかにして全く清らかとなるのであるか？」183

「ひとは信仰によって激流を渡り、精励によって海を渡る。勤勉によって苦しみをを超え、知慧によって全く清らかとなる。」184

長々と申し訳ない。カフェは大入り満員でした。藤岡日惣御導師と奥さまも無事にご到着くださり、ホテルにご案内できました。ご供養までの時間、独りでいたら文章が長くなりました。

長ったらしい文章、申し訳ないです。個人的に、未来、息子や孫、誰かが、読んでくれると思って、書いています。もしかしたら、太陽フレアか、映画「ブレードランナー」の大停電みたいに、地球上の全てのデータが飛んでしまう可能性もあるけれど、とにかく書いておくことは大事だと信じて書いているだけなんです。

宗教社会学や宗教テクニックでは、宗教指導者は隠れた方がいい、話さない方がいい、チラ見せがいい、御本尊すらご開帳しない方がいい、何十年に一回の秘仏や秘法にしたらいいらしいけれど、全て法華経本門流、不軽流ではありません。本来フルオープンが佛立です。

さて、明日は午前11時から第二座をご奉修いただきます。明日がメインイベント、本番です。秋田能持寺の御高職、藤岡日惣御導師にご唱導いただきます。是非ともお参詣くださいませ。

よろしくお願いいたします。

ありがとうございます🙏