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2008年2月15日金曜日

ゴール(Galle)でのセッション

 時差で、どうしても起きてしまう。3時過ぎには目が覚めてしまった。寝ようと思うが無理みたい。仕方ないので明日の準備をしていた。

 ホテルに泊めていただいているのだからブログの更新もしなければ。スリランカではセンターにインターネットの環境がなく、メールのチェックもブログの更新もできなかった。それはそれでご奉公に集中できるから良いのだが、載せたい情報が溜まってしまうのはよくないな。どんどん溜まっていく。

 ゴールという津波の被害で有名になったスリランカ南部の古い都市。そこで大きなセッションを行った。ゴールはアベイ氏の出身地ということで、特に彼はこの地域のお教化、ご弘通に挺身している。朝のお迎えは新車を購入したミランダ女史。いつも、巡回助行などでミランダ博士が運転手をかってでてくれるのだが、これが結構コワイ。彼女は運転をしながら喋る、喋る、喋る。そして、おしゃべりに夢中になると運転していることを忘れるらしい。

 右手でハンドルを握りながら、僕の方を見て、何度も見て(前をチラチラッと見ながら)、「You know? you know?」と聞く。「Yes, I know」とか「correct」とか相づちを打たないと、ずっとこっちを見ているから危なくって仕方ない。福岡御導師はミランダさんの「扱い(笑)」には慣れていて、いつも寝ているフリをする(笑)から安全。ミランダさんは仕方なく運転に集中する(笑)。こんなこと言ったら怒られちゃうかな?

 いや(笑)、ありがたい。ミランダさんは新車を購入した。その新車で迎えに来てくれた。また、「コウセンルフ・カー」と「広宣流布の為に使うご奉公車よ!」と自慢をされて(笑)、そして車に乗り込んだ。ちょっと迎えに来る時間が遅かったが、それは良いとしよう(笑)。

 ゴールまでの海岸線。ミランダさんの話を聞きながら、海岸線に目をやる。ここは津波の大被害を受けた地域。海岸線の家は流され、ここで多くの人が亡くなった。スマトラ沖大地震の際には、この海岸線に被災者のテントが延々と並んでいた。いまの静かさからすると信じられない。電車ごと津波になぎたおされて、多くの乗客が亡くなったのも、この地域だった。

 ゴールに到着すると、今回のセッションのために特別にゲートが作成されていた。何よりこれには驚いた。センターへ行く途中も子どもたちの伝統的な踊りと演奏に導かれてセンターへ(しかし、その踊り子や演奏者する男の子たりは全てHBSのメンバーだという。お金を払って踊ってもらうだけではないのだと強調していた)。途中にも仏教の国旗を模したデコレーションがあり、センターの入り口には年間の活動を紹介する垂れ幕が掛けられていた。この準備はゴールのヤングメンバー(青年会)が、昨夜から寝ないで準備ご奉公してくれたという。ディリーパ、カスン、デュラン、ありがとう。

 ゴール地区のセンターには溢れるほどのお参詣があり、活気に満ちあふれていた。記名した者のみで100名の参加、記名をしていない者を含めると250名と言っていた。まさに部屋から溢れている。テレビカメラも入っていて、照明がまぶしい。上座部仏教徒が二人参列、そして一緒にお看経。宗教省で指摘があった地域なので、上座部仏教の僧侶が参列してくれることは有難いことだ。理解が難しいと思うが、彼らは御題目の信者なのだ。ゴールは伝統的に上座部仏教の支配が強い地域だが、このように融和し、佛立信仰を受け入れている僧侶たちもたくさんいることは重要だ。私の横に座っているのは、カタラガマやアヌラダープラ、コロンボのセンターにもお参詣したことがある方で、私と同年代ということもあり、親交を深めている。30分のお看経の後、御法門。

 法話のテーマは「Promise of Bodhisattva」。ここではアベイ氏の息子であるディリーパ君が通訳を務めてくれた。妙深寺で実施している「菩薩の誓い(Promise of Bodhisattva)」を説明し、何故このような「誓い」をし「実践」を心がけているかを説かせていただいた。それは、まさにマハヤナ・ブディズム(大乗仏教)の教えを実践であるからだ。

 私たちHBSのメンバーは「悪い業(カルマ)を変える方法」を知っている。それは御題目口唱と、「菩薩行」の実践を「続ける」ことによって可能となると教えていただくのだ。法華経の教えに従って「菩薩行」を実践すること。「菩薩の誓い」ではシンプルな3つを柱としている。私たちは、ただ単純に「祈る」のではなく、年頭に「菩薩の誓い」を立てて、修行の「実践」を誓って、結果として悪いカルマを転じて良い「流れ」を手にする。「ベネフィット(ご利益)」をいただくのだ、と。

 その為に、「菩薩の誓い」には3つのタームがある。それが、
① 御題目口唱を「続ける」こと(Keep the chanting)
② お参詣、御法門聴聞を「続ける」こと(Keep visiting the oko meeting or center and keep hearing the sermon)
③ 他の人のためにご祈願、行動し「続ける」こと(Keep praying and keep acting for someone)
だ。このことを心掛け、実践に努めることで、あなたは確実にカルマを転じていく、幸運を手にするのである、と。

 その後、みんながご祈願してくれていた森谷吏絵ちゃんの素晴らしいご利益について報告。世界中でご祈願をしてくれたお陰で、白血病が見事に完治した、と。彼女の真実のストーリーは、この御祈願に参加した者すべての胸を打つ。本当に、真実のご利益談だ。

 そして「Chant globally, Act locally」、上行所伝の御題目をいただいている以上は、世界中の人の為に祈り、そして自分の果報の中で、自分の地域で精一杯菩薩行に精進しよう、と呼びかけた。その後、ミランダ女史のショートスピーチ。シャンタ・ペレラ・良浄師(学徒名)のスピーチ。

 このセッション(御講)でも、多くのメンバーが御法門終了後にお布施をしてくださった。一人一人が前に出てきて、自分の名前の書かれた封筒を私に差し出してくれる。一人一人が土下座のような形、つまり五体投地をしてご挨拶をくださるのだ。(こうしたご挨拶を受けるのは、実はとっても恥ずかしいのです)

 むき出しのお金を出してくださる方もいるのだが、スリランカの文化の中で、これはちょっとした事件なのである。隣に上座部仏教の僧侶もいるが、彼らは「お金」に触れることを禁じられている。戒律で、である。だから、彼らの場合、「お布施」というのは「お金」ではあり得ない。本当に「布」であることが多い。これも一つの形だし、そうした美徳を認めることも出来るが、結局は彼らも「お金」を使いながら各地域で活動したりしているので、本当はシステムとして崩壊しているのだが、、、。

 こうした「御有志」のご奉公は、シニア・メンバーがしっかりと「功徳の積み方」を教えているからだ。アベイ氏の指導は本当にすごい。一人一人に功徳を積ませて、それこそ「罪障消滅」「ご利益感得」をさせようと励んでおられる。

 ご挨拶の中で、以前書いたが、カタラガマで入信前に足を切った女性が、またお参詣くださっており、言葉を交わした。あれから1年半。彼女は立派な、献身的なご信者さんに成長していた。実は、彼女はスリランカでも有名な教師であり、つい先日はスリランカで5人だけ選ばれる賞を獲得したというのだ。本当に有難い。入信を戸惑っていた彼女が、ここまでになってくれた。

 また、「お腹に癌があるのです」という女性もご挨拶にきてくださった。もちろん、御題目口唱とお供水をいただいてご利益をいただきましょう、とお話をしたが、いつものように痛い部分を差し出されるので、御題目をお唱えしながらさすらせていただいた。何としても現証の御利益を感得していただきたい。スリランカの方々は本当に純粋だから、速やかにご利益を顕される。


 ゴールでは特にヤングメンバーの活躍が目立った。特にディリーパ君のほか、カスン君、デュラン君、カルパー君といったヤングメンバーがビデオ撮影、写真など献身的な御奉公をされ、私たちのゴール地区訪問を心から歓迎してくれていた。

 せっかく、あれだけのゲートを作ってくれたのだから、その前で記念写真を撮ろうということになり、みんなで移動。猛烈な暑さだったが、コアなメンバーだけ丘の上のセンターから下まで降りてきて撮影した。

 それにしても、すごい装飾だなぁ。ゲートの中に、金色で名前まで、浮き彫りで作ってくれている。本当に、こういう手作りの技術というか、作業を日本でも思い返さないといけないなぁ。昔は御会式の前日などは、いつも手作りのご奉公をしてきたものだ。それが、コンピューターの発達などによって「手作り」ではなくなってきたから。

 私たちが歩いた坂道の装飾に感動したので、次のセッションに出発する前に撮影した。糸を張り巡らせて、そこにナイロンを短く切ったテープをくっつけて、それでカラフルなトンネルを作ってくれている。こんなクリエイティブな作業、イメージ、デザインをしてくれる、それを実現するスリランカの人たちって、素敵だなぁ。ありがたい。イタリアもデザインは素敵だけど、スリランカの素朴な感性も大好き。


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