穏やかな陽気は横浜も同じだった。5月を思わせる暖かな日。本堂にお参詣すると驚きの声。
ブラジルにいた際、「妙深寺の桜」という項で書いたのだが、妙深寺の桜は南も北も関係なく、本堂側から咲いていく。これだけでも本当に不思議。この桜には特別の思いがあるから、ブラジルご奉公で見事な桜の姿を見れなかったのを残念に思っていた。
当たり前のことだが、帰国した時にはすっかり花びらは落ちていて、青々とした葉っぱが茂り始めていた。それから日々御講のご奉公があり、京都のご奉公があり、そして今日。
びっくりしたのは、桜が咲いているのである。まだ、それも見事に桜の花びらを開いて、形もしっかりと、四輪、いや向こうにも十輪、あちらにも、と探していけば、本堂側の枝だけに、桜が咲いているのであった。
本当に不思議。この枝から咲き始めるのに、四月の二十日を過ぎてまで、この枝から本堂に向けて咲いているなんて。何かを教えてくれているようにも思える。たぶん、今日のお昼、生まれてきて、初めてお参詣してくれた赤ちゃん、芽衣ちゃんを待ってくれていたのかな。そうだと思う。
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