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2010年4月9日金曜日

班長さんへの手紙 (役中テキスト 4月号)

 ありがとうございます。

 妙深寺の春は、本当に素晴らしいです。見事な桜の花が来る人を迎えてくれます。春を待つのは誰しも同じ。厳しく寒い冬を越えて、今年もようやく春を迎えました。本当に幸せな気持ちになります。

 しかし、開導聖人は厳しいお方でした。春の素晴らしい陽気、夏の暖かさ、四季の中でも過ごしやすい季節が来ても、世の中はどうだ、あなたの信心はどうだ、という厳しさでご教導くださいます。

 御教歌
「世は夏の川原涼みの時くれど  人のこゝろは冬ごもり哉」

 季節は巡ります。四季のある日本は素晴らしい国です。季節の移ろいが人間に様々なことを教えてくれます。

 しかし、季節は、春になり、夏を迎えているのに、人の心をよく見てごらんなさい、ご信者方のご信心をよく見てご覧なさい、冬のように縮こまって、まだ苦しんでいて、心も晴れずにいるのではないか。

 欲に流されて、怒りを抱えて、枝葉末節、些末な理屈にとらわれて、真実の道を真実に歩めていない。それでは生きているのにもったいない。信心しているのに情けない。

 本当の春を迎えた人のように、清々しく、晴れやかに、暖かに、和やかになりたい。生命を躍動させ、力強く生まれ出る新芽のように、人間も伸び伸びと生き直せるのが本当の春です。

 御教句
「信心の うまみをしらぬヘボ信者」

とご紹介しました。「ヘボ」とは「ドジ」「下手」というひどい言葉です。速やかに御利益のいただけるご信心、他の人を助け、自分も助かるご信心をしているのに、実践も実感も出来ない。それはドジなことだ、下手なことだ、とお示しです。

 今月、導師役習得者の増加を目標にしていますが、これまでのご奉公では男性信徒が少な過ぎました。この人数を、本当に、全山の教講で受け止め、「これではダメだ」「大変だ」という強い気持ちでご奉公しなければならないと思います。導師役は無理、恥ずかしい、男性にはそういう機会がない、出来そうにない、それではダメです。機会を作りましょう。

次の御教句
「信心を ほんまにするとやめられぬ」

 ご信心は中途半端では分からない。周辺でウロウロしている間はヘボ信者です。

 しかし、本気でやってみたら、止められなくなる。嬉しくて、楽しくて、御法さまの「ご采配」「サイン」を身近に感じて、有難くて有難くて、止められなくなります。

 信心を改良すると御利益が早い、信心が改良できないと御利益は遅い。

 御宝前、御法さまとお祖師さまに対する「生きておられる」「常に見ておられる」というお給仕の思いを、あらたに持ち直すことが信心の改良の基本です。

 三月の教区御講での御指南。
 「清風いつも本堂に走り出て高祖御宝前へ親にもの申上候ように申上候て、唱題し、御願い申上候て、皆々へ話し致しおり候」

 この「走り出て」という開導聖人の素直正直なご信心、そのお気持ちを学ばせていただかなければならないと思います。

 ご自宅でも、お寺の本堂でも、御宝前へ走り寄るようなご信心に改良しましょう。御法さまとお祖師さまのご機嫌をお直しするために、不参がちな方のお宅へお助行に廻ることも菩薩行です。御利益がさらに速やかになるはずです。

「御尊像の御気嫌直したる者は清風の外に天下に一人も無し云々。清風参る迄は、御きげん大にわろし」



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