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2013年12月2日月曜日

高志くんとハート型の雲

はじめて、会った日。2011年4月29日。陸前高田の高寿園。たくさんの方々が避難されていた避難所でした。

佐々木松男さんからお声をかけていただき、ずっとお食事もままならなかった皆さまに向けて1000名規模の炊き出しをさせていただいた日。

松男さんのご子息・高志さんには、細々とした手配や裏方でのサポートをいただいて、そして、炊き出しをする高寿園の、テラスの角でお会いしたのでした。

東日本大震災から、今月で2年9ヶ月。昨日、月始総講に高志くんがお参詣してくださいました。妙深寺の、震災以来の支援について、自分の口から直接お礼が言いたいと、岩手からわざわざお参詣してくださったのでした。そして、本当に236名のお参詣の皆さんに対し、丁寧なお礼の言葉をいただきました。胸がジーンとしました。

実は、高志さんは10月1日に大変な手術をしました。脳腫瘍の手術と聞いて、僕たちは慌てました。何も出来ないけれど、遠くからでも、しっかり、しっかり、高志くんのために、ご祈願させていただこう!秋山ご住職と話をしました。

秋山ご住職は病室の高志くんを訪ねて、話をしてくださいました。みんなの思い、みんなの願い。

無事に手術が終わり、こんなに早く会えるなんて、思ってもいませんでした。しかも、妙深寺までお参りしてくださるなんて。懐中御本尊さまを大切に胸に掛け、お数珠をお持ちしている姿に、思わず手を合わせました。本当に有難いです。

はじめて、会った日。高田の街は壊滅していました。唯一の希望は、みなさんとの出会いであり、皆さんの笑顔でした。それを見るために、必死に通い、必死に出来ることをさせていただこうと励んできました。

あの日、はじめて会った高志くんと、こんな風に人生が交差して、こんな風に握手できる幸せを思います。

忌まわしい大災害。でも、もがきながらも、真っ正面から受け止め、そこから学び、気づき、みんなで乗り越えようとした2年9ヶ月。素晴らしいご縁、かけがえのないご縁が、たくさん生まれました。

負けてなるものか。忘れてなるものか。

高志くん、ありがとうございます。はじめて会った日、陸前高田の空に、ハート型の雲が浮かんでいたんです。リーダーの謙志くんが撮ってくれていました。

あの日の僕たちを、空から見てくれている気持ちがしたり、応援してもらっている気持ちがしたり、褒めてくれている気持ちがしたりしました。感動しました。今もずっと続いています。

高志くんのお参詣、ハート型の雲。有難いです。

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