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2025年8月22日金曜日

押し花とスリランカ












紀元前4世紀から11世紀までスリランカの王都だったアヌラーダプラ。紀元前3世紀に仏教がもたらされて以来、この古都に多くの寺院が建設されました。ブッダガヤから移植された聖なる菩提樹もあり、キャンディと並びスリランカ全土から参拝者が訪れます。


杉野宣雄先生に最も由緒ある菩提樹を見ていただくことが出来ました。灼熱の参道を裸足で歩くと荘厳に囲われた菩提樹が出てきます。ご供養を手にした参詣者が絶え間なく祈りを捧げていました。


その後、スリランカ本門佛立宗が支援活動を続けてきたサラセミア病の病院を訪問しました。難病中の難病で、ほとんどの患者さんが30才を前に亡くなってしまいます。10才前後で病院に通うようになり、月に1度入院をして透析のような治療を行わなければなりません。


しかし、こうした治療を施しても徐々に心臓などに鉄分が集積し、各器官が硬化して死にいたってしまいます。アヌラーダプラ地域に多く、遺伝性の病気。この病院には400名の登録者がいますが、毎年20人ほどが新たに登録され、残念ながら20人ほどが亡くなってしまいます。


この病気に罹患した人たちは生きる気力を失い、家族も貧困に陥り、自暴自棄になってしまうことも多く、スリランカHBSでは支援活動を開始しました。


「病気の子どもたちを旅に連れてゆこう」というプロジェクトを立ち上げ、「海を見せたげたい」「海に連れて行ったら喜ぶのではないか」と考えました。そこで子どもたちに夢を聞いたところ「プールに行きたい」と答えたそうです。湖や沼、海で遊んだことはあっても、アヌラーダプラの子どもたちにとって「プール」が夢の場所だったそうです。


良潤師たちは防衛大学の事務長をしていたアベイさんを通じてアヌラーダプラの軍にお願いし、その施設のプールを借りて子どもたちの夢を叶えてあげました。そうしたコツコツとしたチャリティー活動を続けてきました。


今回、杉野先生が訪れて、先生のプロフィールを話していると、長年この施設で働いている看護師の女性が押し花をしていることが分かりました。彼女は押し花を使って子どもたちを励まそうとしていたそうで、その作品も見せてくださいました。本当に不思議です。


不思議なご縁に導かれるように、病気の子どもたちを支援するために、ここで押し花を通じた何かができないか、みんなで考えました。


古都・アヌラーダプラ。素敵な出会いに感謝しかないです。


今日はもう一つの古代都市、キャンディを経由してコロンボに戻ります。

 

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