2008年7月22日火曜日

The Super Lotus

 晴天の下、平成20年度の妙深寺開導会が奉修された。奉修御導師は、遙かブラジルより御唱導の栄を賜ることとなったコレイア・教伯御導師である。
 傘のマークが付いていたが、天気予報は日を追う毎に変わり、当日は関東地方にも梅雨明け宣言が出された。土曜日は10時から第一座の奉修をさせていただき、夜は18時よりBose's Bar Special "The Super Lotus"と題して近隣の方にもお声を掛けて、結縁のための場を設けさせていただいた。
 久しぶりに「エア・ストリーム」というキャンピングカーが境内地に牽引されてきて、エア・ストリームの入り口にカウンターを作って簡易の屋台のようにお食事や飲み物を提供した。もともとエア・ストリームは移動式の御講席をさせていただくために御有志をいただいたもので、その室内は広く、キッチンや冷蔵庫、シャワーまで整備されている。20名くらいのお参詣者であれば御講が出来るのである。
 とにかく、このエア・ストリームと簡易のステージ、テーブルやイスを境内地に配置し、近隣の方へも朝日新聞や読売新聞に折り込みチラシを載せさせていただいて参加を呼びかけた。なんといっても、仏教界の奇跡ともいえるコレイア御導師が横浜に来ていただけるのである。日本人でも日系人でもない「御導師」が何を語るか。佛立宗のご信心をしていない人でも興味があるはずである。
 18時過ぎ、まだ明るい境内地だったが、ほぼ満席の状態で、大変に有難かった。ご信心との縁を結ぶための催しであるから、寺内のご信者さんには逆にご信者でない人を連れてこなければ参加できないというルールを設置。実は、そういうことなので参加人数が少ないのではないかと心配していたのだが、まだ明るい時間から境内地は人で埋まっていった。
 コレイア御導師の登場に場内は拍手喝采。プログラムは20時からのトークショーということで、それまでは各テーブルに座っておられる方々全員にコレイア御導師と私が二手に分かれて親しくご挨拶をさせていただくようにした。ほぼ一巡してステージに上がり、二人でのトークショー。「ショー」と呼べるかどうかは分からないが、次の日も二座・三座とお会式奉修があるのにもかかわらず、コレイア御導師にはパワー全開でご奉公いただいた。
 トークショーの舞台の後ろにはブラジルに関する情報をパネル化してくださっており、簡易ステージを華やかにしてくれていた。コレイア御導師は、なぜ僧侶になろうと思ったのかなど、プロフィールについての質問や、3月に私がブラジルに行った際に感じたことなどを、明るく楽しくお話ししていただいた。
 一般的な日本人の仏教に対するイメージを払拭していただきたいという願いが私の念頭とするところだった。それは、今までも書き続け、訴え続けてきたことだが、多くの人が「仏教」を線香臭いものだと感じていたり、「お寺に行くのは法事だけ」という概念の中で葬式仏教や観光化したお寺のイメージから抜け出せない。そして、ついぞ聞いたことの無いような新興宗教に走ってしまう。あるいは占いや霊媒、個人の欲をくすぐるような自己中心的な信仰(?)に走ってしまう。

 それを憂えて、世界中で注目を集める仏教、中でも本門佛立宗の教えについて知っていただき、「教え」を理論や理屈で知るのではなく、海外で実際に活躍している方々のお話を中心に語りながら、固定化したイメージを払拭していただきたいと願ってきたのだった。そして、その一つの終着点が日本人、日系人以外の「御導師」であるコレイア教伯御導師の登場であった。コレイア御導師とお会いし、そのお話をお聞きして、自分の中にある「仏教」「佛立信心」にある誤ったイメージを払拭していただきたいと思っていた。
 6月、皇太子殿下の前でブラジルの日系人の様々な仏教団体がご挨拶をさせていただいた時のエピソード。他の仏教団体の僧侶たちは、ほとんど「日本人(このために日本から来てご挨拶したお坊さんもいたらしいが)」のお坊さんたちだったが、本門佛立宗だけ非常に「カラフル(コレイア御導師云く)」だったという。日系人がいて、白人がいて、白人と黒人のハーフの教務さんがいて、黒人の教務さんまでいる。まさに、真実の仏教には国境も人種の別もないことを証明してくれている、と。これは、同じ日本の仏教団体でも実現できないことだ、と。
 ここで、すべてを書き表すことは出来ないが、みなさんに心から喜んでいただいた会合となった。そして、新聞の折り込みチラシを見て来てくださった方々の中には、そのまま日曜日の開導会にもお参詣させていただきたいと申し出てくださる人たちも現れて、それが当初の目的の一つを達成できたとご奉公者一同を喜ばせてくださった。
 今回、特筆すべきはご奉公者の一致団結したご奉公だった。こうした異例のご奉公、大々的なご奉公でも、みんなが一致団結して、暑い中を準備に走り回り、頑張ってくれていた。本当に、本当に、こうしたご奉公者を持てた妙深寺は幸せだと思う。ありがたい。

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