2007年9月1日土曜日

班長さん、ありがとうございます。

 毎月の始め、妙深寺では「妙深寺報」と「役中テキスト」「青年会機関誌 波止場」を発行している。

 特に「役中テキスト」は、妙深寺で菩薩行をされる方々(「お役中」とお呼びしている)に対しての情報をまとめたもので、例月このテキストに従ってご奉公を進めさせていただく。

 今月で言えば、9日に開催される敬老松風大会のご奉公についての詳細や、23日に奉修される「秋季総回向(お彼岸に当たってのご回向)」についてのご奉公が載せられている。その他、妙深寺の御有志の一覧や収支についてもご披露されている。

 この役中テキストの巻頭に、寺報とは別に「班長さん、ありがとうございます」と題して、住職からお役中方に特別のご披露をしている。今回は、この文章を掲載させていただきたい。少々、こうしたブログや寺報の巻頭言とは異なり、ご奉公を志す方々に対しての具体的な内容を目指している。

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『班長さん、ありがとうございます』

 ありがとうございます。

 夏期参詣は、特にご信心をしたばかりの方々の挑戦が目立ちました。また、ご供養づくりの厨房にまで、男女を問わず新しい方が出仕してくれていました。特別御講は、ご信心にお出会いした喜びと感動の声が多く聞こえました。つくづく、本門佛立宗のご信心は、『教化』にあることを感じました。

 開導聖人の御指南を痛感します。
「己の信心を増進の為には人を教化せよ。人を折伏すれば我が信心上る。人、折伏せざれば我が信心下る。故に、我身罪障消滅の為には折伏第一也と云々」

 自分のご信心は、そのままにしておけば落ちていくものです。マンネリもあります。疲れも出ます。一生懸命ご奉公していても、班長に頼ってばかりいる班内の人、愚癡を言ってしまう古法華へのお折伏やご奉公が続くと、どうしても気が滅入ってしまう。信心が落ちてしまう。

 そこを、まず自分の御祈願を「正法帰入」「お教化」に持って行きます。御題目口唱、日々に「信心は有難い!」「うちのお寺に行ってみない?」と声を掛け、ついに教化が成就すれば、自分のご信心が倍増します。新たにご信者となった方にご信心を教え、初めての人に御題目の唱え方を教えたり、ご祈願の立て方、ご回向の仕方、御塔婆の立て方を教えたりする中で、自分のご信心が必ず清く、豊かに変わるのです。自分も変わり、周りも変わり、部も教区もお寺も、国も世界もより良く変わるのです。

 これこそ末法のご信心の在り方。菩薩のご信心の仕方です。

 班長さん。今、本当にお寺には喜びの声、新入信者さんの随喜が溢れています。その声を「一部分だけ」「自分の教区では無理」と斜に構えたり、諦めたりしないで下さい。この随喜の波や輪を、教区にまで広げたい。確かに、教区や部で歴史にも現状にも違いはあります。そこを、受持と役中がまさに一体となってご弘通に突き進むのです。

「初心の信心をほめずば当講永続難し」

との御指南をよく噛みしめましょう。自分の教区で「一人」でも教化育成することをご奉公の念頭に置きましょう。漠然とした目標や感性の問題ではありません。「一人」の人を救い、菩薩に育てるのが信心です。

 ご信心は実践です。参詣を励まし、口唱を励まし、御利益を感得してこそ信心です。現状維持の気持ちは衰退の原因。ご信心になりません。ご信心が理論理屈になると、お教化に気持ちが向かず、口唱やお参詣を励ます、本当のご奉公が出来なくなります。みんなで本当のご奉公をしましょう。

 敬老松風大会もお教化の場になります。お年を召した方やそのご家族にも、ご信心をお伝えしたい。八月末、九十才を超えた方がお孫さんのお勧めで奉安教化になりました。これが佛立信心です。総回向は、お教化・育成に最適の場です。世間では御塔婆代は二千円とか、法事では一万円のお寺もあると聞きます。恐ろしいです。

 本門佛立宗のお寺は本当のご回向が出来ます。世間の葬式・法事仏教とは違います。このことをしっかりと押さえて、ご奉公ができれば有難い。奉加帳のように御塔婆申し込みを募ったり、回向袋を配るだけだったりすると、ご信心は起きず、逆にご信心を誤解させ、御法さまに傷が付く場合などが多々あります。

 「教化する」「育成する」と思い、己の信心も増進するようにご奉公させていただきましょう。

 長松清潤 拝

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 このような内容を掲載した役中テキストを「月始総講(がっしそうこう)」で配布し、その後に各教区で読み合わせをしながら、お彼岸月のご奉公がスタートしている。本当に、お寺はこの「お役中さん」をお受けして下さっている方々によって支えられているのです。

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