今回は、第200回となる本山奉仕会。
ちょうど、本山は大屋根瓦の改修工事と宝蔵の解体・新築工事に入っていて、すでに御本尊や御尊像は法悦殿に御遷座されておられる。その中でも、200回記念となる本山奉仕会は開催された。
特に、今回の加行者は布教区長などの御導師方で、宗会議員もお務めになられている方々。そうした方々が一同に本山に会し、修行をされる。
それにしても、ご奉公中に本山内の庫裡に待機するわけだが、回廊のガラス、電灯、うぐいす張りの廊下、窓から見える紅葉など、本当に「美しいなぁ」と思う。子どもの頃から、全く変わっていない。日峰上人や小千代さま、千鶴子姉さんにくっついて、物心ついた頃に来させていただいた本山の庫裡、一の間、二の間、回廊の雰囲気は、全く変わらない。変わらないことの美しさ、素晴らしさを、つくづく勉強させていただける。
何度か書いたと思うが、私は京都で生まれた。四条通りの鴨川を渡った南側にある、南座の裏で生まれた。関西生まれ、京都生まれ、ということになるのだが、生まれてすぐ横浜に行き、ずっと横浜で育った。京都で生まれ育った父。その父は、横浜でご奉公されている間、あまり京都弁を使っておられなかったように思う。関西の方から電話があれば京都弁を使うが、意識してかどうか分からないが、父は京都弁を使わずに非常に横浜の気風に合わせ、標準的な言葉を駆使してご奉公されていたように思う。
関西と関東では微妙に法要式にも違いがあり、京都生まれながら横浜でご奉公する父は、それを使い分けておられた。関東でのご奉公ではそのとおりにされ、京都に戻るとそのようにされ。しかし、「いつか、一つに」と仰っておられたが。
私も、妙深寺と長松寺という東西で住職をしている以上は、このように使い分けができれば良いのだが、長松寺の御法門を京都弁でと言われても出来ないし、出来ていない。法要式については、立教開宗750年の時に横浜のお寺では「本山式」にさせていただいたので、既に統一されている。有難いことだ。
気風や性格でいえば、やはり生まれは京都でも自分の性格は横浜の影響を受けている。文明開化、異文化を受け入れる港町、そんな京都とは対極にある街の気質というものが自分の前半生に強い影響を与えていたと思う。いま、本山の回廊を眺めたり、庭の紅葉を見ながら、京都が守っているもの、そこにある気質の美しさも学ぶことができるようになった。それは、有難いことだと思う。
まだまだ、分かっているようで分かっていないことばかり。勉強せねば。
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