2013年7月12日金曜日

オーストリアの選択と日本の選択

あきらめちゃ、なにも変わらない。

あきらめなければ、いつか変わる。

大切なことは、種を蒔くこと。いい種を、蒔き続けること。

オーストリアは、市民の声を真摯に聞いて、原発ゼロを実現し、輸入電力までも「電源証明書」の発行を義務づけて原発からの電力を排除する方向に舵を切ったという驚きのニュース。

小さな国の、大きな選択。

原発のことって、遺伝子組み換え食品を、普及、促進させる論理と似ています。

「これがなければ、人類の胃袋は満たせない」

まずいことになることは分かっているけれど、どうにも止まらない。

原発にノーと言えば、経済が大打撃を受ける、CO2も増え続ける、環境も悪化するはず、だから再稼働すべき。世界で戦う巨大企業にとっては円安がいい、円安では原油が上がる、だから原発再稼働。いや、さらに、最高基準の安全性を確立して世界各国に売るべき、世界中で原発の開発は続くんだから、発展途上にある国のエネルギー確保には原発が最も安価。そもそも原子力潜水艦も世界中の海を航海してる。米国も小型の原子力発電の研究開発を進めると表明した。それに付き従うべき。エネルギーの安全保障、中東依存から適度にバランスを取り、不安定化するシーレーンを考慮しても原発再稼働、いや大稼働がいい。

すべて、うそです。あるいは、一面で、偏っています。

果たして、この上に書いた論理が、美しい国・日本らしい選択でしょうか?

誇り高き、日本の選択と言えるでしょうか。

世界中から、徳を以て敬われるべき、日本の進む道でしょうか。

原子力爆弾を2度も落とされた、被爆国(唯一とは言いません。原爆開発競争という人類の愚行で被爆した地域や国がたくさんあります)としての、選択でしょうか。

東日本大震災という、巨大地震と津波、そして未だ収束の道筋すら見えない原発事故に襲われた日本の選択すべき道でしょうか。

「ヒロシマ」と「ナガサキ」に続いて、「フクシマ」という世界語まで生まれてしまった、小さな、美しい国・日本の、選択でしょうか。

それが現実的な選択というのでしょうか。

私には、そうは思えません。

経済団体も、商工会も、日銀も、今は総出で、経済が上向いていると政府を援護しています。その政府の中枢を担う自民党は、原発再稼働を掲げています。同時に、憲法改正も掲げています。

日本という国。日本らしさのない方向に進んでいるのに、何が考えられるでしょう。何を変えられるでしょう。

遺伝子組み換え食品は食べたくないけど、原発はいいって、おかしいと思うのだけど。

問題は、同じような構造ですし、自分や家族、子どもたちが受ける影響も、被害も、同じように思うけど。

日本。

日本は特別だと思うのだけど。

日本しか、世界に範を示せないと思うのだけど。

そういう日本であるべきだと思うのですが。

もう少し先を見なければ、グチャグチャなままで、進めないように思います。

http://goo.gl/VSk8r

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