2015年7月9日木曜日

転がる石に苔は生えない

転がる石に苔は生えない。

ロックンロール。

先日来、ご縁をいただいたアメリカにお住まいの方とのやりとりが、忙しさに乾きがちな心に潤いを与えてくれています。

本当に、ご縁は、ありがたいです。

京都佛立ミュージアムの「トランクの中の日本 〜戦争、平和、そして仏教〜」は、初日から2日目、3日目を迎えましたが、ひっきりなしに一般のお客さまが来館くださっております。

京都新聞に掲載していただいたためか、電話でのお問い合わせもたくさん頂戴いたしました。

本当に、ありがたいです。

7月6日、月曜日の昼食会から、今日まで、ジタバタと走り回っているだけのようにも思いますが、「転がる石に苔は生えない」という言葉を、アパラチア山脈の、ポトマック川の源流近くから届いたメールの中に見た時、とっても嬉しくなりました。

ほんと、仏教は、仏教徒は、ロックンロールですー。

って、僕だけが言ってるような気がする(笑)。

下記、長いですが、昼食会にご参加いただいた皆さまに宛てて書いたお手紙です。

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夜が明け、梅雨空の七夕となりました。
皆さまに於かれましては、益々ご清栄の御事と存じます。

昨日は貴重なお時間を共にさせていただくことが出来、本当に、ありがとうございました。

熊巳淑子さまが大変お喜びになられていたことを思い返しますと、ご主人さま、そしてジョー・オダネル氏も、数多の戦没者の方々も、お喜びいただけたのではないかと愚考しております。

終戦70年という年に、貴重な方々の貴重なお時間を頂戴し、簡単なようで難しいこのテーマを共有させていただく出来、これ以上の喜びは御座いません。

みなさまに、心から感謝しております。

きっと、気づかないところで、失礼が多々あったかと存じます。どうか、ご容赦いただきますよう伏してお願い申し上げます。

これからも、どうぞよろしくお願いいたします。

ありがとうございます。

長松清潤拝、

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*平成27年7月7日*

*ご出席いただきました皆さまへ、*

終戦70年 世界恒久平和への祈り 昼食会 発起人 長松清潤

灰色の梅雨空の上にも天の川が輝いていると思うと心に希望が湧いて参ります。夜が明けて、七夕の日を迎えることが出来ました。

昨日は、雨模様にもかかわらず、ご多端の中に貴重なお時間を頂戴し、昼食会にご参加を賜り、誠にありがとうございました。不行き届きの点、失礼な点が多々あったかと存じますが、ご寛容いただければ幸いで御座います。

今日までご縁をいただいて参りました皆さまにお声を掛けさせていただき、貴重極まりない方々にご臨席いただくことが出来ました。果報を通り越すとはこのことで、勿体なく、有難く存じております。本来拝眉の上で申し上げるべきと存じますが、書面にてこのような機会をいただけましたこと、伏して御礼申し上げます。

重ねて、熊巳さまの御本が、政府要人の皆さまはもとより、大使を通じて各国の研究機関、図書館などに所蔵されることとなり、一人でも多くの方に読んでいただけるようになればと期待しております。核兵器の壮絶さを実体験した方のお言葉、しかも第一級の社会人、企業人として、客観性に富んだ穏やかな熊巳武彦さまの文章は、人類が戦争の果てに見た蛮行の恐ろしさを力強く伝えています。皆さまと共に、この著書に光を当てられましたことを、心から有難く思っております。著書の冒頭に出て参りますが、ご主人と同じく原子力爆弾の爆風を体感された熊巳淑子礼夫人も心から感激されていました。本当に、ありがとうございました。

深夜、京都のミュージアムで展示会の準備を終えました。皆さまのお力添えのお陰をもちまして、無事に、本日7月7日より終戦70年特別展示「トランクの中の日本 ~戦争、平和、そして仏教~」を開始することが出来ました。

夜更けに、改めて焼き場に立つ少年の写真を見て、一人こみあげる涙を止めることが出来ませんでした。

少年の姿勢、少年の足、少年の口元、少年の視線、何もかもが、真実で、見る者を圧倒します。直立不動の姿勢に、裸足の足に、噛みしめた唇に、遠くを見つめる眼に、私たちが失いかけた大切なものが秘められているように感じます。かの少年にひれ伏す思いで、展示の準備を完了いたしました。

ご多用の皆さまから貴重なお時間をいただいてしまったこと、尊いお話を聞かせていただきましたことを肝に銘じて、これからも自分たちに出来ることを精一杯させていただきたいと覚悟しております。

『銀河鉄道の夜』の中で、天の川の横を通り抜けながら、ジョバンニとカンパネルラが話をしていました。

「カムパネルラ、また僕たち二人きりになつたねえ、どこまでもどこまでも一緒に行かう。僕はもう、あのさそりのやうにほんたうにみんなの幸のためならば僕のからだなんか、百ぺん灼いてもかまはない。」

「うん。僕だつてさうだ。」カムパネルラの眼にはきれいな涙がうかんでゐました。

「けれどもほんたうのさいはひは一体何だらう。」

ジヨバンニが云ひました。

「僕わからない。」カムパネルラがぼんやり云ひました。

「僕たちしつかりやらうねえ。」ジヨバンニが胸いつぱい新らしい力が湧くやうにふうと息をしながら云ひました。

企画展初日を無事に迎え、朝からNHKさま、KBS京都さま、京都新聞さまなどが取材に入ってくださっております。本当に、有難く存じます。

昼食会で上映させていただいたオープニングの映像は、ミュージアムのエントランスで放映しております。

http://youtu.be/g8j4sMqeFI4

皆さまにいただいた貴重な機会、お時間を忘れず、「ほんたうのさいはひ」のために、自分に出来ることを精一杯させていただきます。京都にお越しの際には、是非お立ち寄りくださいませ。

末筆では御座いますが、皆々さまの益々のご健勝とご清栄を心から祈念いたしております。

どうか、今後ともご教導のほど、よろしくお願い申し上げます。

ありがとうございます。

合掌、

平成27年7月7日

長松清潤拝、

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*July 7th, the 27th year of Heisei (2015)*

*Dear participants,*

A luncheon of a prayer for everlasting world peace on 70th anniversary of the end of WWII
Promoter, Seijun Nagamatsu

Hope springs out of mind when I think of the Milky Way over the gray sky of the rainy season. A new day dawned, and it is the day of Tanabata Festival.

I would like thank you all for sparing your precious time in your busy occasion, and taking part in the luncheon in spite of the rain. I would be
very glad if you would excuse our insufficiency or impoliteness which would have taken place.

I have asked you all who I honorably came into acquaintance for the participation, and we could have such extremely precious people at the
luncheon. This is really beyond the happy retribution I may receive, such a
graciousness I am really thankful of.
This is something I have to tell on seeing you personally, however, please let me show my deepest gratitude for
giving me such an occasion by the letter for now.

To repeat once again, the books authored by Mr. Kumami have been delivered to you government high officials, and also it will be to the institutions and libraries of each country through Your Excellencies. I am expecting many people as possible to have chance to read it. It is the words of the person who actually experienced the extreme ghastliness of the atomic bomb, and being a first-class person as a citizen and a company staff, Mr.
Kumami’s the quiet words with full of objectivity strongly describes the
horribleness of the barbarism which mankind witnessed as a result of war. I
am deeply grateful about being able to highlight this book together with you. Mrs. Kumami, who actually experienced the blast of the atomic bomb just as her spouse did (this is mentioned in the beginning of the book), was also deeply impressed about it. Thank you once again from bottom of my heart.

Last night at late, I and other staffs have finished the preparations for the exhibition at the museum in Kyoto. It seems we are now able to start the special exhibition to commemorate the 70th anniversary of the end of WWII.

At late night, looking once again at the picture of the boy who stands at
cremation site, I couldn’t help myself to stop the tears which welled up inmy eyes. His carriage, his feet, his mouth, his eyes, everything is true and overwhelms those who sees it. In the way he stands in attention, in his bare feets, in his lips he is biting, and in his eyes seeing far away. I feel something important which we are losing, are kept in each of them. I have completed the preparation for the exhibition with thought to fall down on his knees.

I am determined to keep on doing with all my might what we can, taking in my heart I have received such precious times from the busy people like you,
and the precious stories I was able to listen to.

http://youtu.be/g8j4sMqeFI4

In the “Night On The Milky Way Train” a story written by Kenji Miyazawa, Giovanni and Campanella was talking to each other as passing by the Milky
Way.

'Campanella, we're alone again. Let's stay together all the way through, okay? When it is truly for the benefit of all people, I wouldn't care to have my body burnt up a hundred times over, just like that scorpion.'

'Me too,' said Campanella, his eyes welling with the clearest tears.

'But what is real happiness, Campanella?', said Giovannni.

'I don’t know for sure,' he answered dreamily.

'We'll keep our spirits up, won't we?' said Giovanni, taking a deep breath
and feeling a new strength gushing through him.

I truly hope to not forget this precious occasion which you all kindly gave me, and to do my best for what I can do for the ‘real happiness’.

Though in the end, I would like to express my wishes for your good health
and continued well-being from bottom of my heart.

I look forward to your continuous guidance.

Arigato gozaimasu. Thank you very much.

In joining palms together

July 7th, the 27th year of Heisei

With respect,

Seijun Nagamatsu

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