いずれにしても、この時期の停戦・空爆には周到な準備と政治的な意図、経済的な意図が感じられる。
エルサレムから車で30分、分離壁を越えてタクシーを乗り継ぎ、乾いた丘をくぐり抜けてパレスチナ自治区であるベツレヘムに入った。そこに、毎年12月24日のクリスマス・イブにミサを行い、CNNで実況中継を行うイエスの生誕教会がある。
クリスマス・イブ。アッバス自治政府議長は生誕教会のミサに参加していた。ハマスはアッバス氏のファタハを駆逐してガザを実力支配してきたのだが、今回のガザ空爆は、欧米が和平の対象として頼りにしてきたアッバス議長の地位すら危うくする。決して表に出ないような意図が隠されているように思えるのは私だけだろうか。こんな風に、世界が動き、人命が失われ、世界が流動化していいものだろうか。口惜しい。
2004年3月22日、イスラエルは車椅子で通行中だったハマスの精神的指導者・ヤシン(ヤースィーン)師を、ピンポイント爆撃によって殺害した。私がイスラエル・パレスチナを訪れた4ヶ月後に起きた事件だったので、鮮明に覚えている。その後、ヤシン師の遺体(グチャグチャに破壊された顔)はインターネット上に掲載され、彼らの憤怒は高まり続けている。また、今回の空爆でも亡くなった300名弱の方の家族や親族はインティファーダに参加してゆくことになるだろう。負の連鎖、憎悪の連鎖が続いていくことになる。
今回は、読売新聞すら「狙いは米政権移行期…ガザ空爆、イスラエルが周到に準備」と題してエルサレム支局からのレポートを報じている。在野の独立系シンクタンクである国際戦略情報研究所の原田武夫代表は「実は市場が待ち望んでいたイスラエルのガザ空爆」と題してコラムを掲載している。
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