2012年11月10日土曜日

「皇国ノ仏法ナリ」

明日は妙深寺の高祖会で、まだまだ全く準備が終わらないのですが、煮詰まってしまいました。

信翠師が立ててくれた『仏教徒 坂本龍馬』の応援ページ。本当に、うれしいです。唐突に招待された方、困っている方、申し訳ないですー。(http://goo.gl/w1lSf)

本の中では明確に書ききれなかったのですが、海援隊蔵版『閑愁録』の中で最も重要な部分に下記があります。

「仏法ハ天竺ノ仏法トノミ言ベカラズ、乃(すなわち)皇国ノ仏法ナリ」

これは、明らかに復古神道を意識した一文だからです。『閑愁録』はキリスト教の侵食への危惧を表明しただけではありませんでした

即ち、上記の一文で、なぜ、わざわざ「仏法をインドの仏法とだけ言ってはいけない。この日本国の仏法である」と言明したのかと言うと、復古神道の人々の主張の一つに「仏教というのはインド(天竺)から来た外来の宗教である。日本には日本古来の宗教がある。即ち神道である。」という主張がありました。これに対して応えたのが『閑愁録』のこの一文なのです。

幕末から維新にかけて、苛烈な思想闘争がありました。坂本龍馬が隊長を務める海援隊のこの主張は、維新を成し遂げた主要な勢力や原動力となった思想とは、相容れないものであったと考えられます

その後の歴史を含めて検証していただきたいのです。

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