全く考えてもいなかったことなのですが、今回のスリランカ出張は仏教国スリランカの一年の行事の中でも大切な日と重なっていたのでした。
二千五百年以上前から、スリランカでは毎月満月の日に「ポヤデー(満月の祭り)」を祝っています。これは南伝仏教の伝承によるのですが、満月の日に仏陀が生まれ、満月の日に仏陀が悟りを開き、満月の日に御入滅されたことに因みます。
この日はスリランカの休日。お仕事もお休みし、お肉を食べることも控え、観光客の方にもお酒はお出ししない。スリランカの人々は、清らかな心でこの日を過ごします(とガイドブックなどには書いてありますが、それらのすべてに抜け道があります。興ざめさせてすいませんが)。
そして、実はこの5月が「ベサック」と呼ばれる一年で一番大きい光りの祭典だと知りました。通常のお休みが1日なのに、5月は2日間。なぜ特別なのかといえば、仏陀が誕生したのも、お悟りを開いたのも、御入滅になったのも、この5月とされているからです。しかも、今年は金曜日と土曜日に当たり3連休となったのだということ。町中がランタンに照らされて、本当に美しかったです。このランタンはすべて手づくり。和紙を張ったような感じです。そう、ねぶた祭りのようですね。
昨夜は、センターも膨大な量のランタンで飾られました。本門佛立宗も、最古の仏教国の一つであるスリランカの仏教のお寺として、この日を祝います。しかも、青年会の子たちが道行く人に旗を振って声を掛けてゆくのです。センターに入る歩道の上には、仏丸と「HONMON BUTSURYUSHU SRI LANKA」と大書された垂れ幕が懸けてあります。ここまでだって、すごいです。
そして、その呼びかけに応えて来てくれた方々に、センターの中で作った特別のスープ(「どのお寺のスープよりも美味しい」とのこと)を振る舞います。これが、ポヤデーなのですねー。
夕方、オーナーのご夫妻と面談。この建物の改築のことなどで協議しようとしていましたが、全面的に信頼してくださり、契約書も不要、好きなようにしてください、と言ってくださいました。この3月、単身で日本に来日され、極寒の陸前高田の3.11の法要にも参詣され、その後に京都まで来られていたオーナーさん。ご信者さんではないのですが、私たちの活動を見てくださって、そのように申し出てくださいました。横浜はもちろん、東北の被災地やインド、スリランカなどでの活動もあり、私たちが全くお金がないことも知ってくださっています(涙)。有難いっ!
夜、ご奉公者の皆さんと一緒に夕看経をいただいて、そのままポヤデーの活動を見ていました。下種結縁の機会だと思って、みんなが声かけに頑張っていました。最近のスリランカでは仏教徒とイスラム教徒の対立が深まっていて、上座部仏教側も原理主義的な方向にシフトしてきています。日本仏教への警戒感も強さを増していますが、みんなが自信に満ちて、街角に立って、旗を振って、大きな声で、ご信心を伝えている姿に感激しました。
今日は土曜日。ポヤデーの第2日目。連休の真ん中の日ということになります。午前と午後、それぞれのグループで御講ミーティングが予定されています。
スリランカの満月は、本当に神秘的で、吸い込まれそうになります。
2013年5月25日土曜日
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