2016年9月9日金曜日

伏見はすてき

長かった京都でのご奉公も、今日で終わり。

先ほど新幹線に乗りました。

今日は松本薫さまの二十七回忌法要でした。

伏見妙福寺のご宝前を荘厳し、小山ご講尊にご親修いただいて厳かに営まれました。

薫おばちゃま。長松家の大姉。伏見の御導師、松本日操上人の奥さま。

長松日峰上人、小千代母の長女として生まれ、たくさんいた長松家の兄弟姉妹の中のトップ、みんなの偉大なお姉さんでした。

脳みそが潮焼けしていたような小僧の僕にも、日峰上人や小千代おばあさまと同様、その大きな存在を感じていました。

平成2年は、長松家にとって本当に大変な年でした。

3月5日に93才で日峰上人がご遷化になられ、6月に小千代おばあさまがお亡くなりになり、その後まさか10月8日に薫おばちゃままで亡くなってしまうとは。

僕はまだ大学生だったのですが、それまでの世界と、その後の世界が分かれてしまったかのような年が、平成2年でした。

いま振り返っても、そうだと思います。

「バブル崩壊」とは、経済のことだけではありませんね。

あらゆる意味で、あらゆる分野で、飽和があり、崩壊があったということです。

まだ、試練の時が続いています。

「世は皆(みな)牢固(ろうこ)ならざること水沫泡煙(すいまつほうえん)の如し」

法華経にある仏陀のお言葉です。

いつでも、どこでも、バブルと、その崩壊が繰り返されているということです。

一族を体現するような、長松家そのものだった祖父や祖母、叔母が亡くなり、その喪失感、いや「感」ではなく、取り返しようのない空白を、必死で埋めてきたご奉公。

受け継いでゆくことの難しさを、痛切に感じます。

崩壊したのを目の当たりにしたから、それ以降は、「崩壊した」という前提で、危機感を抱きながら、息せき切って生きてきたように思います。

由緒寺院 長松寺の護持。

年を重ねれば重ねるほど、その意義を深く受け止めています。

それにしても、伏見はいいところです。

妙福寺には開導聖人の素晴らしい画と画賛があります。

十石船の発着場も、寺田屋さんも、歩いてゆける距離です。

夏の柳が、風に揺れていました。

残暑の中ですが、川の流れと、風に揺れる柳を見ていると、涼しさを感じます。

すてき。

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