2016年8月25日木曜日

祈り

愛している人と別れなければならない苦しみ。

これを仏陀は「愛別離苦」と説かれました。

人間が生きてゆく上で、必ず体験しなければならない苦しみ、「四苦八苦」の中の一つに挙げられています。

イタリアやミャンマーで大地震が発生し、多くの方々が亡くなられたと報道されています。

また、彼の地でも、たくさんの方々が、大変な苦しみや悲しみの中にあると思います。

ただただ、祈っております。

今日、私は、愛する人との突然の別れに直面し、最も苦しんでおられるであろうご家族とご一緒させていただきました。

京都の桂川の橋の上、そして長松寺のご宝前で、上行所伝の御題目をお唱えし、ご回向、ご供養させていただきました。

愛する人を想い、すすり泣く声、嗚咽する声。

胸が、張り裂けます。

ほんの少しだけかもしれませんが、その痛みや苦しみを分けていただけたらと願いました。

僕たちに出来ることは本当に限られています。

言葉すら時に意味を為さない、それらは陳腐で、むしろ空々しく感じられる「現実」があります。

あり得ないほどの悲しみ、現実。

だから、とにかく祈ることしかないという。

これは現実なのか、果たして夢なのか、あまりにもあり得ない出来事に直面して、僕たちはいつも立ち尽くします。

しかし、いつか、時を経て、また気づくことが出来れば。

生きている私たちが、精一杯させてもらわなければ、と。

立ち上がり、歩いていただかなければならないから。

今日、汗と涙が合わさって、顔中を水びたしにしながら、彼のために御題目をお唱えしました。

桂川の空に響いた御題目の声、彼に届いたと確信しています。

信仰という救いを痛切に感じました。

自分に、出来ることがあって、よかったと思っています。

このような機会を与えていただいて、私の方が感謝しています。

土曜日のお通夜、日曜日の告別式、ご家族と共に今日のような日を迎えさせていただけるとは、思っておりませんでした。

これからも、ずっと、自分に出来ることを、全てさせていただこうと思っています。

ありがとうございました。

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