今日は土曜日。海辺での結婚式のご奉公で、先ほど帰山した。
西湘バイパス沿いの海岸にある『レストラン&ウェディング・指帆亭』という素敵な場所で、本当に真心のこもった結婚式が執り行われた。
以前書いたと思うが、このご家族は日博上人以来の御縁のある方で、そのお嬢さまの結婚式のご奉公をさせていただくこととなった。
何より素晴らしいと思うのは新郎である史高さん。二人は、わざわざ妙深寺までお参詣され、ご挨拶してくださった。初対面の時、真っ直ぐに相手を見つめる史高さんの姿勢、誠実さに感心した。その史高さんから「結婚式を、妻となる利子と御縁の深い、このお寺の正式な形で行いたい、その唱導をお願いします」と言われ、私は心から感激して、そのご奉公をお受けした。彼は、お嫁さんから聞いて初めて本門佛立宗や妙深寺、この仏教のスタイルを知った。その彼が、彼女の話を素直に受け止めてくれて、その御縁の深いお寺の正式なやり方でやってくれと言うのである。何とも有難いではないか。
しかし、今日は緊張した。信仰師とチノブが準備のため指帆亭を訪れて、スタッフの方と打ち合わせをしてくれた。それはそれは素晴らしいスタッフの方々で、信仰師たちは感動して帰ってきた。しかし、その海辺の素敵な結婚式場では、「仏式」は初めてだというのである。いつもは十字架が掛けてあって、キリスト教の神父さんや牧師さんが来て行うのが常であるようであった。信仰師たちは、仏教・本門佛立宗による結婚式の式典についてご説明し、お願いした。
スタッフの方々は、この場所を使って仏式で行う結婚式は初めてというので、口々に「期待しています」「楽しみです」と言っておられたという。私も、これほど素敵な会場で執行させていただくのは初体験だったので、少々緊張した。スタッフの方々は、いつもは会場のあちこちにかけてある十字架を全て外して準備して下さっていた。ガラスの向こうは湘南の海。松林の間から見える真っ青な海が、本当に素敵だった。
正面に御本尊を御奉安させていただき、幸せそうな二人の入場。その前に控え室で二人に面談し、記名帳に両名の名を刻んでいただいた。そして、二人にお数珠の贈呈。ご主人にはお数珠の持ち方などをお教えする。本当に素直で、素晴らしい新郎である。新婦は綺麗なウェディングドレスに身を包んでいた。本当に綺麗だ。
この場所は、以前は別荘だったというが、非常にアットホームな雰囲気。多くのご友人やご家族、ご親族が二人を心から祝福して下さっていた。こんな素敵な場所で結婚式が出来るなんて、いいなぁ。妙深寺の第二本堂も、ウェディングドレスで結婚式が出来るが、こんな「海辺」というロケーションは無いからなぁ。しかも、そのまま「披露宴」が出来るとは、すごい。素敵だなぁ。
私は、二人の入場を御本尊の御前でお待ちし、新郎新婦が着席してくれるのを待って、自己紹介を含めたご挨拶とご案内をさせていただいた。ご友人などは、何が始まるかと思ってビックリしているかもしれないから。
簡単な自己紹介の後、新婦との深い御縁、お祖父さまと日博上人との繋がり、そして今日こうして仏式、万法具足の御本尊の前で、二人が新たなスタートを切れるというその意味や意義について、お話させていただいた。また、皆さんも、共に御題目をお唱えくださるようにご案内した。
約10分間、御題目口唱と結婚の言上。その後、振り返って、二人から誓詞を言上していただき、結びのご挨拶をさせていただいた。「信」ということを、二人の間で何より大切なことだと心得てもらいたい、とお話しした。「信は道の源、功徳の母」「信の一字を詮と為す」という御教えを、胸に刻んで欲しい、と。今日がスタートだから。
その後、新郎の会社の来賓の方や、ご友人の方がスピーチをされたのだが、わざわざ「御住職も言っておられたように~」と気を使って話を引用してくださり、ご奉公させて良かったと、胸を撫で下ろした。
もちろん、新郎がエライのである。新郎が、最初のご挨拶で、「私の希望で、長松清潤師に結婚式をしてくださるようにお願いしたのです」と言われた。私は本当に胸が熱くなった。「お嫁さんの家のお寺だから」とか「妻の関係の~」ということではなく、ご信者ではなかった新郎が、「私の希望で」と話された。なんと素敵な方だろう、と感動したのであった。
本当に、ありがたい。結婚式はスタート。そして、私は結婚式の当日だけアルバイトのように式を執り行う者ではない。これから一生、二人の後見人として、二人を見守り、ご奉公させていただきたいと思う。有難かった。
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2 件のコメント:
清潤様
はじめまして。
私はこの結婚式に出席していた新婦の友人の一人です。
たまたま検索しておりましたところ、こちらのブログに行き着きました。
ほとんどの参列者と同じく、私も仏式の結婚式は初めてでしたが、本当に心温まる感動的な経験でした。
「信」とは精神の源なのですね。
一見簡単そうですが、実はとても難しいことなのかもしれません。
新郎新婦の幸せオーラにあやかるとともに、ご住職からいただいたこの「信」を、いつでも心の留めておこうと思いました。
また、清々しいお声にも感動しました。
きっと歌もお上手なのではないでしょうか?
まだまだ寒い日々が続きそうですので、お忙しいとは思いますが、くれぐれもご自愛ください。
えりこさま、
ありがとうございます。
こんなに嬉しいコメントはありません。本当に、本当に、ありがとうございます。
参列しておられた方からのお言葉、本当に嬉しいです。
心から二人をお祝いする、二人のための式典であると同時に、祝う側の私たちにとっても結婚式は特別な学びの場だと感じました。新郎の上司の方やご友人のスピーチを聞きながら、私も自分のこととして勉強していました。有難いです。
心から、えりこさまのご健康とご多幸を祈念します。そして、またお会いできることを楽しみにしています。
ありがとうございます。
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