スリランカに到着したのは、25日の朝だった。空港まで迎えに来てくれたシャンタさんの車に乗り込み、センターまで向かう。先述したように、その車の中でシャンタさんが自爆テロに遭遇・目撃したという恐ろしい話を聞いた。
そんな話をしつつ渋滞のコロンボ市内へ入っていく。渋滞がひどく、なかなか車が動かない。スリランカの場合、自爆テロは一般人が利用するバスを標的にしているから、車やバスがひしめき合う状況になると少しだけ怖くなる。
センターの御宝前にご挨拶をし、早速荷物を開いて準備をすると、11時にウィージェセケラ氏が迎えに来てくれた。氏の自宅を兼ねた親会場を訪れて昼食。その後、その足で宗教省というスリランカ政府の省庁を訪ねた。
ある地域からHBSに関する問い合わせが宗教省に寄せられたということで、日本から来たHBSの責任者の一人として、そうした質問に答え、説明責任を果たさなければならないということだった。
宗教省ではアドバイザーである上座部仏教の僧侶が出てこられた。そう、スリランカのお坊さんは国家公務員のようなものなのである。あらゆる省庁の中に上座部仏教の僧侶がおり、役職を担っている。
その方に自己紹介をしながらご挨拶。その後、今回の質問の内容をお聞きした。
その内容は、スリランカ南部に於けるHBSの活動についてだった。HBSの活動が活発に行われていることについては何ら問題は無い。しかし、一部のHBSのメンバー者が「スリランカ大統領はHBSに改宗した」と宣伝している、とその地域の上座部仏教の僧侶から苦情が入ったらしいのだ。大統領は、政治的にも宗教的にも中立でなければならず、これを宗教省としては非常に危惧しており、HBSの責任者に直接会って、事の真相を知りたいということだった。
私は、昨年のアヌラダープラでの法要と、次の日に官邸に於いて大統領とお会いしたという事実と、その経緯について説明した。それは素晴らしい機会となり、緊迫した情勢にあるスリランカの大統領と、法華経に基づく教えを交流し、共に祈ることができたという事実はあるが、「改宗」という事実はない。HBSは新しいメンバーも多く、これらのお話を誤解したり、過剰に解釈したりしたかもしれない。いずれにしても、私たちの指導が行き届いていないことには違いなく、誤った理解と誤った情報を流してしまったことについては申し訳なく思う、と表明した。担当の僧侶は、説明を聞けば全て理解できる、という対応で、非常に友好的に会談は終了した。
会談後、スリランカHBSのリーダーに対して、勢いよくご弘通が発展している状態であるからこそ、気を引き締めなければならないと話をした。ミス・アンダスタンド、ミス・リードが起きては、せっかくの良い状況がもったいない。これだけHBSのご弘通が進展すると、良い意味でも、悪い意味でも、一国の中で影響力を増してきてしまっているのだから。
ご存じの通り、本門佛立宗は、政治活動もせず、宣伝なども上手ではない。真摯に、とにかく、スリランカの人々、スリランカの青少年たち、貧しい村々、様々な苦しみを抱えておられる方、求めている方のために、上行所伝の御題目をお届けするご奉公が私たちの使命であり、スタイルなのだ。本門佛立宗は、不器用かも知れないが、そのひたむきな活動で世界に向けて広宣流布してゆく。そうでなければならないのだ。インチキな、背伸びをした宣伝など、私たちには必要ない。大統領も、ダライ・ラマ氏も、ひとつの御縁でしかなく、それをご弘通の題材にする必要などはないのだ。
その後、キャンディーに向かう途中にあるケーグルという村を訪れた。日本の感覚からすると、非常に貧しい、地方の村である。ヘラス女史の家はそこにある。そのお宅を訪問するのは、これで3度目となる。息子さんのニプナは妙深寺にもお参詣してくれたことがある。大きくなって、毎回会うのが楽しみだ。
その村落の中、急勾配の途中にあるヘラスさんのご自宅で御講席。少数のお参詣だったが、これこそスリランカでのご弘通である。一人一人に法華経本門の教えを届け、一人一人のお話に耳を傾ける。みんなで御題目をお唱えし、御本尊に向かう。夢、希望、悩み、苦しみ。それらを聞きながら、そこから立ち上がる勇気と、その方法について語る。
スリランカの初日。ケーグルから宿泊所であるセンターに戻ったのは12時近かった。到着初日のスケジュールがこれだから、スリランカご奉公は大変なのである。
2008年2月10日日曜日
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3 件のコメント:
ありがとうございます。栗原 仁です。
ブログでのコメントで大変失礼いたします。
今現在、北海道旭川に住んでおりますが、
仕事の都合で今月の16日から、大阪、静岡
に短期でありますが、出張となりましたので
清潤師にお会いしたいと思っております。
妙深寺・長松寺どちらでも構いませんが、
色々とお話したい事がありますので、都合の
良い日等、お忙しい中大変申し訳ありません
お時間取らせていただけないでしょうか。
宜しくお願いします。
仁くんだね。覚えているし、最近、君の話をしていたところだ。よく書き込みをしてくれたね。本当にありがとう。
ごめんなさい、僕は本当に君に会いたいのだけれど、明日からイタリアに一人で出張ご奉公なのです。21日の夜に戻ってくる予定です。もう、旭川に帰ってしまうのかな。近況だけでも知りたい。
メールはg-mailのアドレスが、このブログのプロフィールに載っています。そこに送ってくれたら必ず送信できる。携帯電話の番号もそのメールにならば書き込めるので、メールしてくれますか?
会って、話が出来たら嬉しいです。
ありがとうございます。
清潤拝、
もう一度、書きますね。
イタリアへの出張は14日から21日です。16日は長松寺で御総講がありますが、私に変わって淳慧師にお願いしています。
大阪まで来ているのであれば、長松寺にお参詣していただければ有難い。そして、そこで連絡先を伝えておいてくれてもいい。
ありがとうございます。
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