2025年2月11日火曜日

スリランカで映画監督?

































夕方のコロンボ市内は大渋滞。デフォルト後の勢いを感じながら空港に着き、チェックインも終わりました。


ライト・オブ・アジア財団のナヴィン代表のリクエストを受けて、門祖会の後で映画の撮影をするという前代未聞、今後もあり得ないことが出来ました。


ナヴィンさんはスリランカの仏教大臣を連れて本門佛立宗の本山宥清寺に参詣し、京都の長松寺に宿泊したこともあります。妙深寺のスリランカ団参では参加者全員を会食にご招待いただきました。不思議な友情を育んできました。


2013年、敬虔な仏教徒である彼は、プロデューサーとして仏陀のご誕生から成道までを描いた映画『Sri Siddhartha Gautama』を製作・公開。この映画はスリランカのあらゆる興行収入の記録を塗り替えました。2014年にはヴェトナムで開催された国連ウェーサク映画祭で世界最高仏教映画賞を受賞しました。


京都佛立ミュージアムの「スリランカと仏教展」に大変なご協力をいただき、当館のオリジナルテロップを付けて館内で公開させていただきました。


彼の財団では前作を受け継ぐプロジェクトを進行中で、長編映画となる第二作目の製作とともに、数千の短編映画の製作を企画しています。ここまでは聞いていました。


そして、今回、その短編映画の最初の作品を撮影する、ついては「コンサルタント・ディレクター(監修)」として協力してもらいたい、とのことだったので、なにか力になれればと思っていたのです。


ところが、到着してみると、「監修」ではなく僕に「監督」をしてくれという。実にスリランカ的ですが、「ポール・アクロバティック」と「油断」というテーマでシナリオが書かれており、それぞれの演者さんのスケジュールも押さえてしまっている。断ることは出来ない状況でした。


シナリオを読むと観衆にその意味を理解してもらうことが困難に感じて、良潤師が原典にあたり、仏陀が譬喩として使った伝統舞踊を目の当たりにしながら当時を振り返り、再考を重ねました。


「ポール・アクロバット」の原典は「サンユッタ・ニカーヤの中のマハーワッガ、サピパッターナ、サンユッタのナーランダワッガのセーダカスートラ」というのですから、名前だけでも理解不能です。しかし、この名称は本当。


なぜ、仏陀はこの競技というか、演舞を御法門の題材に使われたのだろう。数日、そんなことを考えていました。


昨日はスリランカ全土で停電が発生していましたが、撮影現場は電源車をいれていたので問題なく、制作や技術スタッフが揃ってプロフェッショナルな仕事をしてくれました。カメラを回したディヌーシャやニランガは本当にすごい。本当にすごかったです。


ポール・アクロバットの撮影は17時すぎに終わりましたが、2作目の「油断」は本当に大変でした。スリランカを代表するダンサーと男女の俳優さんがキャスティングされていて、完璧な衣装とメイキャップをして登場しました。


彼らには彼らのアイデアや流れがあり、私たちも仏典の意義を伝えようとギリギリで脚本を変更していました。そのままだと単なるダンス映像やミュージックビデオになってしまいます。日本人は僕だけだし、いつもながら良潤師に通訳をお願いし、こちらのストーリーに従って動いてもらうことにしました。


そこから5時間。厳しい時間でしたー(涙)。本当に、演者さんたちも大変だったと思います。待ち時間、くたびれたと思います。申し訳なかったですー。


それでも、ディヌーシャとニランガの見事な仕事ぶり、そして彼を支えるプロフェッショナルな技術集団、そしてHBSのダスン、アチンタ、ムディタ、ダクシタのサポートも欠かせませんでした。すごかったです。HBSクオリティ。


撮影の終了は0時を過ぎていましたがみんなで記念写真を撮りました。俳優さんたちが怒っていて記念写真なんて無理かな、と思っていましたが、さすが仏教徒でした。みんなで楽しく、笑顔で打ち上げの記念写真を撮ることが出来ました。


20名近くのダンサーをキャスティングし、素晴らしい衣装を着せて演技指導をしてくださったチャンナ・ウィジェーワルダナ氏に心から心から御礼申し上げます。


とにかく、そんなイレギュラーなことが、無事に終わりました。


今日、最終日ですが、ナヴィン氏にご招待いただき、ナヴィン氏が設計デザインしたコロンボの「シナモン・レイクサイド・コロンボ」ホテルで昼食のご供養を頂戴いたしました。大功労者である良潤師、スーパーディレクターのディヌーシャくんと一緒に、素晴らしい時間でした。


たくさんの不思議としか言いようのない出来事が重なりました。このサインをしっかり受け止めてさらに前へ歩みを進めたいと思います。


南無妙法蓮華経

ありがとうございます。

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