話をスリランカに戻してみる。とても反応がいいから。
スリランカのBMICHという国際会議場で大集会が開催されたのは昨年の3月のこと。700名以上の参加(参詣者)が参集して、恒例のスリランカ舞踊に導かれながら会場に入り、御題目の声に圧倒された。
B.M.I.C.Hとは、「バンダーラナーヤカ記念国際会議場(Bandaranaike Memorial International Convention Hall)」といい、コロンボの誇るコンベンション・センター。
スリランカという国は中国と非常に親しく、中国からの援助による建物が多くあるが、BMICHも中国からの寄贈だそうである。もちろん、日本からのODAで建設された建物や道路も多くある。
しかし、国家への支援というものは面白いというか不思議なものがある。私がイスラエルに一人で行った時、クネセットと呼ばれるイスラエルの国会議事堂を訪れた。もちろん、中には入れず、道路脇にレンタカーを止めて、一人で眺めていた。そして、写真を撮った。なんとイスラエルの国会議事堂は、アメリカの大富豪ロスチャイルド家の寄付で1966年に完成したという。ユダヤ国家再建のために、故国の「国会議事堂」まで寄贈するというのはすごい。すごいが、こうしたことに代表される民族意識の強さが、今日の中東の混乱の原因の一つであると考えられるから、ユダヤ教を含めて深く思索したい。
他国からの経済援助は必要なのだろうが、「開発」や「発展」の押しつけはいかがなものだろう。得てして「開発」「発展」を旗印にして、自国の文化を捨て、自然を破壊することになってしまう。「心」が置き去りにされてしまうから。これは「開発経済学」などの先生にお聞きしたい。妙深寺でも主に経済などで使われる「開発」という言葉を「心の開発(「かいほつ」と読む)」として掲げている。アジアでは、同じように「開発」という言葉を用いて、経済的な開発ではなく人々の生活を守り、導く僧侶が「開発僧(かいほつそう)」として活躍している。これらは別の機会に述べようと思う。
話を戻すが、このBMICHで大きなセッションが持たれた。ご信心を護持することを決意し、御題目をお唱えして御導師のスリランカ訪問を待っておられた700名。御題目をお唱えし、福岡御導師からのご法話をいただき、みな大感激していた。
私も短いスピーチをさせていただいたが、御導師から「清潤さん、ほなスピーチしたらええわ」と軽いタッチでご指示をいただき、「え~」と思いつつ緊張しながらさせていただいた。有難いことだ。
その後、御本尊拝受の式典をさせていただいた。御導師から手渡していただく。その御本尊を拝受する前に、一人一人はひざまづき、丁寧な人になると御導師の足に額を付けるようにご挨拶をして、御本尊を拝受する(Gohonzon distribution Ceremony)。御導師のすぐ側で、ミランダ女史が教化子たち一人一人に優しく声をかけ、肩を抱きながら励ましている姿を見て、有難いと思った。実に、500名近い入信式のようなものなのだ。
こうして拝受した御本尊は、また一度お役中(教化親)であるアベイ氏やガマゲ氏がお預かりする。そして後日一軒一軒を回り、御本尊の奉安ご奉公をするのである。私は約20軒に巡回して御本尊を奉安させていただいたが、ご奉公後にアベイ氏は「長松御導師、本当にありがとうございました。私は、これから100軒に回って御本尊をご奉安していきます」と言っていた。すごい、、、、、。
法華経に「各仏足を礼し」とあるが、「それぞれがブッダの足にご挨拶をして座った(各仏足を礼し退いて一面に坐しぬ)」ということで、福岡御導師も「足にご挨拶」ということの意味がスリランカで分かったと仰っていたが、私も何度か見たり、していただいたりして、この法華経に説かれた情景の意味が分かった。スリランカのご奉公には、ブッダの時代を彷彿とさせる文化、所作が残っている。
いずれにしても、スリランカの方々の純粋な進行、ご弘通の勢いに勉強させていただく。
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