2011年10月9日日曜日

泣き銀杏

お祖師さまのご命日に併せて盛大にご奉公させていただくのが高祖会。

このようなお話があります。お祖師さまの六老僧の一人日頂上人は、お祖師さまの御三回忌の当日、鎌倉で他宗の僧と法論していたため、法要に間に合わなかったことから厳格なる父・富木日常上人は勘当してしまいました。

正安元年、日常上人の危篤の報を受けた日頂上人は、真間山弘法寺から日参して、中山法華経寺の銀杏の樹の下で、義父・日常上人の快復を祈願しました。そして、日常上人に会えるよう願い出たのですが、ついに日常上人は許さず、小袖一領を形見として日頂上人に与えたのみでした。

そして、ついにそのまま日常上人はご遷化されました。その報せを聞いた日頂上人は、銀杏の樹の下に臥し、転がりながら、声を放って悲嘆にくれたと伝えられます。

この史実から「泣き銀杏」の逸話が語り継がれるようになりました。

私たちが、お祖師さまのご命日、高祖会のお参詣を大切にする所以です。信者と思っていても、多くは自分勝手なもので、お給仕を忘れていては、いくら他人のせいにしたり、正当性を訴えても、駄目なのですね。

厳しい教えです。

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