メンフィスのロレイン・モーテルを出た後、ひろし君とディレクターの憲史くんの強烈なリクエストによりサン・スタジオに行った。
私はそれまでサン・スタジオなるものを知らなかった。というよりもエルビス・プレスリーに魅力を感じたことがなかったのだ。世代の違いなのか、ひろし君にとってはロックンロールの聖地とやらで、訪れることになった。ラジオの番組としてもその場所は外せないらしい。
確かに訪れてみると歴史を感じさせる煉瓦造りの建物で、世界中からファンが押し寄せているということが分かった。お店の中で働いている人も相当の人たちで、驚いたのはジョン・レノンのそっくりさんが働いていた。私はジョン・レノンの大ファンであることから、こちらの方に感激した。
ここは、1950年に地元のDJで音楽プロデューサーでもあったサム・フィリップスが、レコーディングの出来ない貧しいミュージシャンたちのために開いたスタジオだった。誰でも4ドル払えばレコーディングできる。それがサン・スタジオだった。メンフィスだけではなく才能豊かなミュージシャンたちがここでレコーディングし、メンフィスの音楽を全米に広めていった。そして、このスタジオでエルビス・プレスリーはサム・フィリップスによって見出された。そして、かのロックンロール伝説が生まれていったという。そこには、エルビスが歌ったというマイクやステージがあり、ディレクターの憲史くんの交渉によってスタジオの方から丁寧な説明まで受けたのだった。ビートルズ、そしてジョン・レノンも、エルビスに多大な影響を受けて曲を作っているし、そのルーツともいえる場所に来れたことはとても幸せなことだと思った。カウンター越しに店員の方がギターを弾いていて、そうした自然な音楽のある風景に見とれた。
音楽は、本当に大切。歌詞が分からなくても、難しい理屈など必要なく、あっという間に国境や人種を越える。音楽には本当に力がある。それは「音楽」であり「音」ともいえる。仏教が哲学や論理ではなく、「音」であると捉える「南無妙法蓮華経の仏教」の究極の教えにも通じると思えた。
しかし、ひろし君は悪ノリをして、エルビスに成りきってしまったことに、開いた口がふさがらなかった。仏教徒?ロッカー?果たして、、、、。
2007年5月14日月曜日
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