2024年4月29日月曜日

株価と円安と庶民の暮らし


















円安が進んで一時は160円台に突入しました。少し戻ったようですが、日本経済の問題は簡単に解決しそうにありません。


この十数年に日本が選んだ政策、紙幣を大量に刷り、日本銀行が金融機関から国債を買う、借金を重ねて自ら貨幣価値を下げ、デフレから脱却する、つまり庶民の暮らしを直撃するであろうインフレも厭わずに投資を促す、という選択が、バブル期を超える日経平均株価の上昇と、記録的な円安という結果をもたらしました。


計算どおりのことの、前半が起こり、後半は起こっていない、起こりそうもない、ということでしょうか。


大企業や輸出関連企業は空前の増収増益、投資家は途方もない富を手に入れた一方で、世界的な原材料の高騰に加えて2012 年から半額になった円で購入するには単純に計算しても倍以上の費用がかかるのですから一般市民の暮らしは生きていくのが精一杯というところまで逼迫しています。


超少子高齢化の日本で、株式市場は潤い、介護の現場にまわる資金は枯渇しています。介護士の方々の雇用環境も一向に良くなっていません。


どうなってしまうのでしょう。経済政策には限界があります。誰も想像できない、前人未到の道を歩んでいます。


このまま格差が広がると経済と共に日本社会も持たないのではないかと思います。そんな時に利用するのは外敵の脅威を煽るか戦争か。そんなことは誰も望んでいないのに。


プルタルコス著『プルタルコス英雄伝』(筑摩書房)には紀元前594年のアテネについて「貧富の差がかつてないほど広がって危険な状況に陥り、騒乱を避けるには・・・独裁に頼るしかないように思われた。」とあります。


貧しく虐げられた人びとが富の再分配を求めて政府の転覆や反乱の準備をし、富裕層が法律とあらゆる力を駆使して身を守る。何度も何度も繰り返されてきた歴史とはいえ、現代の先進国が2608年前と変わらぬ対立と衝突を繰り返すことを虚しく思います。


GWの前半、妙深寺では100万人のクラシックライブ、ボーズバー、一万遍口唱会と、賑やかな毎日でした。京都佛立ミュージアムでも100万人のクラシックライブが開催され、60名を越える来館者でありがたかったです。


ありがとうございます。

人間の歴史


ウクライナの西の街でも毎日空襲警報が鳴っている。ヘラクレイトスは「戦いは万物の父である」と言ったが、それだけが人間の性質であればサバンナの動物たちと大差ない。


残念ながら国は滅びる。しかし、文明はそう簡単には滅びない。文明は様々な国の中で生き延びる。そこに生きる人間が伝承するからだ。


拙著『仏教徒 坂本龍馬』を通じて書いたことは、日本の文明と日本という国のことだった。


日本という国は明治維新という革命によって急仕立てで船出した。新しい日本国には様々な選択肢があったが、にわか仕立ての国家観は「中華思想」の日本版のような思想を中心に築かれた。


坂本龍馬や海援隊の公式出版物『閑愁録』には日本文明の根底に流れる「仏教」の普遍的な思想によって国づくりをすべきという主張があったがそうはならなかったし、日本は日本文明というよりは中華思想(ここが中心の国という意)の持つ帝国主義思想の変形を選んだ。


人間は実験の途上にある。人類は数限りない政体を生み出し、試みてきたし、発展と衰退を繰り返してきたし、戦争も続けてきた。進歩し、後退し、それでも進化し、はたまた滅びてきた。


宇宙の巨大さに比べれば取るに足りないと思われるほど小さな存在だが、限られた極微の命の時間を使い、その経験を後世の者に繋ぎつつ今がある。


ありとあらゆる人生が、今の自分の中に生きている。せめて時置かず終わりを迎える人生の雫が、次の世に生きる人びとの遺産となるように努めたい。


人生を意味あるものにしてほしい。死後も大切なものとして残る何かを成し遂げてほしい。


子どもたちには、この大いなる実験を受け継ぎ、その成功を夢見て生きてほしい。


いい著書に出会えた日は清々しく、かすかな希望が胸に湧く。

2024年4月27日土曜日

ミュージックフェア


谷村新司さんのTV オンエア情報を奥さまより教えていただきました。


本日、4/27(土)18:00~18:30放送のフジテレビ「MUSIC FAIR」【3000回記念コンサート・最終夜】にて、さだまさしさんや森山良子さんなど親交の深かった出演者の皆さんで「昴」を谷村の声と共に歌ってくださいました。


本来ならば谷村もこの記念回に参加する予定でしたので本人も喜んでいることと思います。


感動的なシーンになると思いますので是非ともご覧いただければ幸いです。


2024年4月27日(土)

MUSIC FAIR

ミュージックフェア フジテレビ

18:00〜18:30

BS日テレ「地球劇場」さだまさしさんゲスト回


また、下記のアンコール放送が決定しました。


先日の加山雄三さんゲスト回の再放送に たいへん大きな反響をいただき、次に人気の高かった さだまさしさんゲスト回の再放送が実現しました。


2024年5月9日(木)

「地球劇場」~100年後の君に聴かせたい歌~

※ゲスト:さだまさしさん

BS 日テレ

20:00~

2024年4月26日金曜日

佛立アンバサダー・コレイア御導師の来寺
















昨日はコレイア御導師に妙深寺までお越しいただき、朝一番のお総講から目一杯のご奉公を頂戴いたしました。


御法門はブラジルHBSの躍動を感じる新本堂建立へ向けたお話、ご帰寂のわずか1週間前に撮影された感動のインタビュー、リオデジャネイロのご信者さまの壮絶な体験談など、千載一遇、またとない最幸の御法門を聴聞させていただきました。


妙深寺の本堂で、コレイア御導師の謦咳に接することの出来たお参詣者は無上の幸せを得たと言えます。すでに現証をいただいたはずです。ありがたい。


残念ながらお参りできなかった方々もオンラインで聴聞できると思いますので、威を正して拝聴いただきたいです。よろしくお願いいたします。


午前中、妙深寺記念誌の対談を収録、撮影させていただき、そのままお昼には横浜ランドマークタワーのスタジオへ移動。FMヨコハマ「横浜ラグーン」のゲスト出演、収録させていただきました。昨日は小さなスタジオでしたが志儀ディレクターとみんなで記念撮影をしました。


終わってから横浜駅近くにある大手旅行社の法人営業本部へ訪問し、来年5月のブラジルへのご講有巡教、全国団参の打ち合わせに臨みました。各社と相見積もりをしますが、まずは早急にツアーの全容を確定します。


夜は妙深寺の教務部みんなとご供養の席にご参加いただきました。弘通談義に花が咲き、全員でご奉公の成就を誓い合いました。妙深寺教務部ではコレイア御導師との記念写真を教務室に飾ってご奉公の成就を目指そう!と決めました。南無妙法蓮華経。ありがたいです。


佛立アンバサダー・コレイア御導師は朝一番から蒲田妙泉寺へお参詣なさった後、2月に渡伯された新井宗務総長のご自坊・実在寺にお参詣すべく川越へ向かわれる予定です。


本当に、朝一番から夜中まで、寸分の隙もない充実したご奉公でした。


ありがとうございます。

2024年4月24日水曜日

ガマゲさんのお参詣


















ご弘通は一日にして成らず。もう一つ。3月末、スリランカのガマゲさんが妙深寺にお参詣してくださいました。


2006年、今から18年前にもなりますが、一緒にお助行に巡ったこと、今でも鮮明に記憶に残っている素晴らしい思い出です。コロンボ市内はもちろん、ゴール、カタラガマ、アヌラーダプラなど、各地を巡りました。


ガマゲさんのご実家に行った時、珍しくお腹が痛くなっておトイレをお借りしたのも、記憶に残っています(笑)。2009年の1月のことでした。


2006年にはスリランカで独自のお戒壇の制作がスタートしました。このお戒壇、懐かしいです。


アベイさんファミリーの立派なお戒壇の前で撮った写真は2008年の1月。良樹師も若かったですー。


ガマゲさんがお参りしてくれたこと、本当に嬉しかったです。息子さんはクリケットで活躍する有名選手になっているとのこと。あの当時はまだ子どもでした。もう一人のお子さんはオーストラリアに住んでいるとのこと、会いたいですー。


ガマゲさんはスーパービジネスマンで、今回も日本出張で横浜に来ていたところ、ご連絡をいただいて、お参りしてくださいました。


またスリランカで再会できることを楽しみにしています。

ありがとうございます。

スリランカのラサンギさんがネパールへ



























ご弘通は一日にして成らず。点と点が結ばれて、とても嬉しいです。


今日、妙深寺のネパール別院にスリランカの大白蓮寺からラサンギさんがお参詣してくれたと報告がありました。ラサンギさんはランガの妹さんです。一級、一流のご信者さん。


ネパールのみんなも素晴らしい刺激をいただいたようです。お数珠を持っていることを清行師は驚いていましたが、ラサンギさんだから当然。本物の佛立信徒です。


僕は、彼女のご家族が大好きでした。ご両親は来日して全国のお寺にお参りしたこともあります。ラサンギさんの婚約の時にはみんなで会食しました。素敵な思い出です。残念ながらご両親はお亡くなりになってしまいました。ご両親には私から法号を授与させていただきました。


こうして、スリランカ、インド、ネパールのみんなが活発に交流し、お互いに励まし合うことが出来たら、安心です。嬉しいです。


今日はまゆみちゃんの抗がん剤治療があり、時間を見つけてお線香を立て、みんなでお看経、ご祈願、お助行させていただこうとご披露していた特別な日。とても嬉しいニュースでした。


明日の朝はコレイア御導師から御法門をしていただきます。6時半からの門祖総講での御法門です。明日には雨も上がると思います。是非とも妙深寺まで足を運んでください。


ありがとうございます。

2024年4月23日火曜日

「台湾と日本展 台湾に遺るリップンチェンシン」スタート




















全くブログ、SNSの更新が出来ず、早くも火曜日となってしまいました。


木曜日は谷村さんのご自宅でのお助行とFM横浜での収録、翌日はロサンゼルスのスコット家の皆さまとお会いし、そのまま名古屋に入りました。土曜日は建国寺さまで門祖会、そして石川御導師の御三回忌、日曜日は立川でのトークイベントに参加させていただきました。


そのまま京都に入り、怒涛のご奉公。月曜日は午前に海外弘通特別委員会、午後は米国教区弘通促進委員会、夜は白井貴子さんご夫妻も飛び入りしてくださった京都佛立ミュージアムの歓送迎会、火曜日は午前からご講有も臨席の弘通審議会、夜は長松寺のお総講でした。


水曜日から「台湾と日本展」の本格的な準備ご奉公に取り組み始めました。一冊の本を書くような膨大なご奉公です。スケジュールを調整していただいて、代わる代わる運営委員やスタッフがご奉公に参加してくださいました。私は午後12時から100万人のクラシックライブのオンライン理事会に参加したり、ドタバタでした。


金曜日も午後から夕方の局長室会議のために横浜に戻りました。現在の妙深寺の中核が局長室会であり、数ヶ月前からじっくりと会合をするために予定していたのです。佳境に入ったところですが、ここだけは外せません。一泊だけして京都に帰りました。


そのまま最後の最後までやり切りました。今回の展示パネルデザインは橋本恒潤師が一手に引き受けてくださり、ギリギリまで僕たちの原稿を待って申し訳なかったです。パネル数は50点ほどあったと思います。執筆、レイアウト&デザイン、校正、印刷、ハレパネ、展示、照明、などなど、やることは山のようにあり、委員とスタッフが連携して進めます。深夜まで。


動画の編集は初めて齊藤章起師が担当してくださいました。午前3時の時点で80%くらい。開館前までに仕上げてくれました。完全なる徹夜で、午前5時37分にQnapにアップロードしたと連絡がありました。本当に、ありがとうございます。


清水清康師が製作した「八田與一像」は見事としか言えない素晴らしい作品で、さすが美術大学に行こうか考えていたという高度なクリエイティビティです。発泡スチロールから粘土で作ってしまうのだからすごいです。今回の目玉展示の一つです。


連日連夜、お弁当は長松寺の博子さんが作ってくださいました。毎晩10個近くのパワーフードで頑張ることが出来ました。野崎淳慧師がお弁当屋さんのように仕出しケースの中に満載のお弁当を持って、ミュージアムまで運んでくれました。ありがとうございます。


徹夜組は松本現薫師、福岡清耀師、野崎清翔師、加藤喜信師、齋藤章起師、梶本明子さん。台湾語の流暢な企画担当の清水法光師は金曜日の夜、清康師と車で大和に戻り、大盛況だったボーズバーを終えて夜行バスに乗り、日曜日の朝ミュージアムに戻ってきてくれました。本当に、ありがたいです。


運営委員、スタッフ、本当に感謝感激で、名前を挙げたら全員になります。小野山淳鷲師も御会式前なのにギリギリまで校正してくれましたし、蔭山淳是師も堺と京都を何度も往復して展示準備をしてくださいました。


みんな、よくぞ頑張ってくれました。ブラックすぎて、申し訳ないです。感謝し、謝ることしかないです。


僕は、本山の門祖会の前夜で宿泊棟が満室のため、宗務本庁の2階の更衣室で現薫師と仮眠しました。午前4時半に寝て午前5時半に起き、6時半に本山に行って7時からの第一座に出座させていただきました。


午前9時、無事に京都佛立ミュージアム「台湾と日本展 台湾に遺るリップンチェンシン」をスタート、初日の開館をすることが出来ました。杉野宣雄先生の図録も完成し、販売を開始することが出来ました。


午後2時からは「台湾と日本展」のオープニング記念のシンポジウムを開催し、八田與一氏の令孫である八田修一氏、ブラジル教区長のコレイア日友御導師に登壇していただきました。台北駐大阪経済文化弁事処の陳副所長さまや教育課長さまにもお忙しい中をご列席いただき、大変に有難く、光栄でした。大阪や神戸はもちろん、東京や横浜からも参加いただき、ありがたかったです。


自分の電池は4%くらい、最後は1%を切っていたような状況でしたが、なんとか完成することが出来、感慨無量です。今回の展示内容、企画趣旨、今は分からなくても、いつか分かってくれるはずですし、未来には深く理解してくださる方々が生まれると信じます。


開導聖人は「先祖のとむらい肝要。先祖仏にならば子孫をみちびく。」と御指南されています。本門佛立宗は半世紀以上も日本仏教界を代表して毎年参詣団を組み、台湾に眠る日本人物故者慰霊祭を執行して参りました。


あろうことか、その本門佛立宗の唯一、本山 宥清寺の第八代事務局長・山西始人(はじめ・本宥院清勲信幹護持日始大居士)様のご令孫である弥生さまが、「台湾で最も愛される日本人」として知られ、台湾の教科書にも出ている八田與一氏の長男・晃夫(てるお)氏のご長男とご結婚されたこと。


天命というか、運命というか、偶然ではあり得ない、必然の現証が、ここに表れています。人生は想像を絶する奇跡に溢れていて、偉大な何かをするために天から溢れんばかりのサインが示されているものです。


約15年前、シンガポールで初めて八田さんご夫妻にお会いしました。京都佛立ミュージアムの開館から、ずっと温めていた企画展が、ついに完成しました。本当に、思っております。そのままであれば埋もれてしまう歴史の真実を、形にすることが出来ました。


平和はそのままでは壊れてしまいます。人間は愚かな面が強いのです。不断の努力、たゆみない行動によって、平和は維持されるし、平和は取り戻せると信じます。


世界中に紛争や戦争があり、今や「台湾有事」も現実的に語られています。今ここで「台湾と日本」について語らなければならないと確信しているところです。


長々と書いてしまいました。


昨日、お借りしていた杉野宣雄先生の作品を全て動くお寺に積み込み、京都から横浜まで一人で運転して、無事に横浜の先生のアトリエまでお届けすることが出来ました。こうして完了、円成できたこと、本当にありがたかったです。


戻ってきて、まゆみちゃんにもお会いできました。本当に、御法さまはありがたいです。


ありがとうございます。

株価と円安と庶民の暮らし

円安が進んで一時は160円台に突入しました。少し戻ったようですが、日本経済の問題は簡単に解決しそうにありません。 この十数年に日本が選んだ政策、紙幣を大量に刷り、日本銀行が金融機関から国債を買う、借金を重ねて自ら貨幣価値を下げ、デフレから脱却する、つまり庶民の暮らしを直撃するであ...