博物館の中に入る前に、4~5台の大型バスが停まっていました。私たちはモーテルの前でラジオの収録をしていると、そのバスからたくさんの学生たちが降りてきました。彼らは校外学習のために、きっとこの博物館の見学に来たのでしょう。あっという間に囲まれてしまいました。
しばらくすると、あることに気づきました。学生たちは黒人と白人、様々な人種の子どもたちが一緒にバスから降りてきて、私たちもそれを当たり前だと思っていたのですが、目の前に集まってみると、ピタッと白人のグループ、黒人のグループに分かれてしまったのでした。私たちは西海岸のアメリカは良く知っていて、そこでの学生たちやよくある青春映画で描かれるようなアメリカの学生たちは知っているのですが、南部の学生たちと接するのははじめて。ここは、人種差別の愚かな歴史を刻んだ博物館であり、そこから人種差別が撤廃され、アメリカは様々な努力を尽くして年を重ねてきたのですが、目の前のこの学生たちを見ていると、やはりその傷の深さ、解決しようと努力していても、まだ至らない「壁」のようなものを感じました。
その後、この博物館の中に入りましたが、そこでも子供たちは別々に廻っていきます。その内容は強烈なものです。それを、白人の子、黒人の子、双方に学ばせることで、いつかきっと人種差別の愚かな「壁」も取り払われていくでしょう。
恐ろしい差別の実態を表す標識が展示されています。「公共プール 白人のみ」という標識や「公衆便所~白人のみ~」「飲料水←白人 黒人→」などなど。シャワーも分けられていました。こうした展示物が所狭しと並べられています。さらに、最も衝撃を受けたのは、木から吊された黒人の写真などです。こうした展示物を学生たちと一緒に見て回ったのでした。
さらに驚いたことですが、私はこの博物館に改良服とお袈裟をかけて参りました。すると、黒人の子供たちは合掌して頭を下げてゆくのです。本当に、何人も何人もの子供たちに、極めて真面目で、尊敬してくれている姿で、合掌して頭を下げてくれるのでした。有難いことでした。
2005年5月14日土曜日
登録:
コメントの投稿 (Atom)
杉野宣雄先生とトークショー
花と緑で楽しむアートクラフト展 in 東京2024、国営昭和記念公園 花みどり文化センター(東京都立川市)で開催されています。 素晴らしい作品が並び、大勢のお客さまで賑わい、午前のトークショーが終わりました。 自然の姿のままに乾燥させた花を使い、アート作品に仕上げる花のアート。...
-
植木雅俊先生の『パーリ文「テーリー・ガーター」翻訳語彙典』(法蔵館)出版記念会に出席して参りました。 錚々たる方々を前に畏れ多く恐縮いたしましたが、植木先生からスピーチと乾杯の発声をするように仰せつかり、恥ずかしながらさせていただきました。 法蔵館から出版されている「翻訳語彙典」...
-
今日、12月11日、谷村新司さんの満75歳のお誕生日に、グランドプリンスホテル新高輪の飛天の間でお別れ会が開催されています。 別れを惜しむファンの方々が集い、何重にもなる長い列を作っておられます。谷村さんのご遺骨を真近に、お焼香いただくことができます。貴重極まりないお別れ会です。...
-
目の下で太ったクマが寝ています。トイレの鏡を見てビックリしました。 無事に山内日得弘通局長と共にチェックインを済ませました。13時半過ぎのフライトでソウルからネパールのカトマンズへ飛びます。成田からは鈴木日樹上人を先頭に、山内弘通部長、小林教養部長、兼子清顕師ほか13才から87才...
0 件のコメント:
コメントを投稿