2005年5月14日土曜日

博物館の中で

博物館の中に入る前に、4~5台の大型バスが停まっていました。私たちはモーテルの前でラジオの収録をしていると、そのバスからたくさんの学生たちが降りてきました。彼らは校外学習のために、きっとこの博物館の見学に来たのでしょう。あっという間に囲まれてしまいました。
しばらくすると、あることに気づきました。学生たちは黒人と白人、様々な人種の子どもたちが一緒にバスから降りてきて、私たちもそれを当たり前だと思っていたのですが、目の前に集まってみると、ピタッと白人のグループ、黒人のグループに分かれてしまったのでした。私たちは西海岸のアメリカは良く知っていて、そこでの学生たちやよくある青春映画で描かれるようなアメリカの学生たちは知っているのですが、南部の学生たちと接するのははじめて。ここは、人種差別の愚かな歴史を刻んだ博物館であり、そこから人種差別が撤廃され、アメリカは様々な努力を尽くして年を重ねてきたのですが、目の前のこの学生たちを見ていると、やはりその傷の深さ、解決しようと努力していても、まだ至らない「壁」のようなものを感じました。
その後、この博物館の中に入りましたが、そこでも子供たちは別々に廻っていきます。その内容は強烈なものです。それを、白人の子、黒人の子、双方に学ばせることで、いつかきっと人種差別の愚かな「壁」も取り払われていくでしょう。

恐ろしい差別の実態を表す標識が展示されています。「公共プール 白人のみ」という標識や「公衆便所~白人のみ~」「飲料水←白人 黒人→」などなど。シャワーも分けられていました。こうした展示物が所狭しと並べられています。さらに、最も衝撃を受けたのは、木から吊された黒人の写真などです。こうした展示物を学生たちと一緒に見て回ったのでした。

さらに驚いたことですが、私はこの博物館に改良服とお袈裟をかけて参りました。すると、黒人の子供たちは合掌して頭を下げてゆくのです。本当に、何人も何人もの子供たちに、極めて真面目で、尊敬してくれている姿で、合掌して頭を下げてくれるのでした。有難いことでした。

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