2008年5月11日日曜日

班長さんへの手紙 (妙深寺役中テキスト)

 ありがとうございます。
 早いもので五月となりました。新社会人や新入生などはゴールデンウィークが過ぎると新しい仕事や生活に慣れてくると言います。しかし、新しい生活への期待や希望、やる気が、「慣れ」によって薄れてしまうと「五月病」と呼ばれるウツに似た症状に陥ることがあります。特に、五月の連休明けに多く見られることからこの名前が付いたということですが、今や長期休職の六割以上が心の病という日本社会ですから簡単に見過ごせません。
 彼らに限らず、働き盛りの中堅が心を病み、優秀な社員の休職で会社経営が成り立たなくなるというケースもあるようです。退職者の、喪失感からくる心の病も圧倒的な勢いで増え、社会全体の閉塞感を感じざるを得ません。
 信仰から遠く離れていても生活は出来ます。仕事も出来ます。信仰をしようが、しまいが、成功する人も失敗する人もいます。しかし、心の豊かさ、「生・老・病・死」の人生には、正しい信仰が欠かせないはずです。
 いま、米国の最先端の研究所で「信仰」が人間生活をどれだけ豊かにしているか、その必要性を証明する研究が始まったそうです。本当に、信仰は、人間生活に欠かせません。
 あらゆる人に、正しい信仰である佛立信心をしていただけるように、その必要性に気づいていただけるように、ご奉公させていただかなければならないと痛感します。五月病に悩む若い人にも、公私で日々に責任が増してゆく四十前後の人たちにも、これから退職後の人生を描こうとしている人たちにも、心の支え=「信仰」が必要であることに気づいていただきたい。それが今こそ求められているご奉公です。
 お助行の促進がご奉公の重点です。言上の上手い下手ではなく、思い切って、ご信心で、お助行に飛び込んでいただきたい。お助行は誰にでもできます。お助行もこちらの「信心」が大切で、「何とか御題目の御力をお借りして、このご家族に、この方に、ご信心が有難い、人生に必要だと気づいてもらいたい」という「思い」で飛び込んでいただきたい。必ず、自分にも、先方にも、「現証の御利益」が顕れます。動かなければ何も生まれません。
 古くから「助行で信心を鍛え、御講で信心を整える」と教えていただきます。この言葉、胸に刻んで、じっくり考えてみてください。
 日本も世界全体も、五月病かも知れません。発展や安定への期待や希望が薄れてしまって、不安が世界を覆っています。実際、原材料の高騰と食料の高騰から、世界各地で食糧難が発生している有様です。年頭に書いたように、本当に大変な一年間。食べ物を求めた暴動で死者まで出ており、ガソリンスタンドに並ぶのは平和な方です。中国の圧倒的な原油需要を背景にして、原油高も止まらないでしょう。
 いつ、自給率の低い日本で食糧難が起きるか分かりません。大局を見据えた真の政治家はいないようですから、本当に「立正安国」の精神に立ち返って、日本全体、世界全体に、正しい信仰を打ち立てなければ、社会の運営が成り立たなくなるのではないかと心配しています。本物の仏教、佛立信仰の必要性に、一人でも多くの人が気づけるように、ご奉公させていただかなければならないと感じます。
 人にも社会にも、ご信心は欠かせません。その喜びの輪を広げるのが「お助行」であり「御講」であると心得ましょう。一人一人がご信心を鍛えて、ご信心を整えられるように、お助行と充実した御講に注力いたしましょう。無常の世、季節の移ろう中でも、私たち佛立信者は、強く、明るく、正しく生きてゆけるように、正しいご信心の実践に気張らせていただきたいものです。ありがとうございます。

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