2015年9月25日。人類は大きな一歩を踏み出しました。
「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」
Transforming our world : the 2030 Agenda for Sustainable Development
理想的な近未来を求め、2030年に向けた地球規模の行動目標に、世界193の国と地域の代表者全員が賛同したのです。
それから5年――
「2020年」 この年は人類の歴史に深く刻み込まれるに違いありません。
新型コロナウイルス、COVID-19が世界に蔓延し、多くの罹患と死を招きました。
新型ウイルスは、人びとの身体や命を蝕み、医療体制に大きな打撃を与えるばかりでなく、
経済や産業など社会全体、さらに人びとの往来や地域のコミュニティーなど私たちの日常生活の細部に至るまで、
まさに「すべて」に甚大で深刻な影響を及ぼしました。そして、この事態は、今なお、収束の目途すら立っていません。
世界のすべての地域、全人類が同時に“被災者”となった、この度のコロナ禍。そこで見えてきたこと。
経済格差の助長。 人種や民族、職業や性別などにおける差別。 保護主義や自国第一主義。 そしてサイバーテロを含めた国家間の覇権争い。戦争。
これらは皆、“コロナ前”の2015年、SDGsにおいてすでに指摘されていた人類共通の課題そのものであり、
そもそも私たちが抱えていた事々が、コロナを機に一気に噴出し、表面化したと言う他はありません。
唯一、コロナによって俄に改善したといわれる自然環境さえも、皮肉なことに、
自然と人間との分断、非接触によって成されたものであり、共存の成果ではないのです。
私たち人類は、このまま分断に分断を重ね、破滅へと突き進み、自ら未来を閉ざしてしまうのでしょうか。
思えば、人類の歴史は感染症との闘いの足跡でもあります。
時々に蔓延する感染症は、その時代の有り様を如実に映し出し、その克服は“時代の転換”をもたらしました。
そして、新型コロナウイルス、COVID-19――
私たちは、今まさに、どのような未来を思い描きながら、この未曾有の災禍を乗り越えようとしているのでしょうか。
東日本大震災からの復興の槌音も未だ聞こえなかった2012年7月。 「こんな時だからこそ」と開館に踏み切った京都佛立ミュージアム。
以来、さまざまなテーマを取り上げ、仏教的な視点から課題や問題を紐解き、“生きた仏教”を紹介してまいりました。
現在、新型コロナウイルスに始まる“世界同時災禍”からの脱却を目指す今だからこそ、
「誰一人取り残さない」との理念を掲げる地球規模の行動目標、SDGsをテーマに、
その達成期限と定められる “アフターコロナ2030” に向けて、私たち人類の進むべき方向を、皆様とともに考えたいと思います。
冬は必ず春となるー。
コロナ禍の向こうに、本当に、豊かな人生と社会を築くために――
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京都佛立ミュージアム
SDGsと仏教展 ~アフターコロナ2030への羅針~
2015年、世界各国はSDGs(持続可能な開発目標)という共通の目標を打ち立て、理想的な近未来を求めて、新たに歩み始めました。
そうした中 新型コロナウイルス感染症が中国・武漢で発生し、グローバル化を背景に、瞬く間に世界に拡散して多くの罹患と死を招き、今なお終息の目途すら立っていません。新型ウイルス感染拡大の影響は人体や医療に止まらず、経済や産業など社会全体と人びとの日常生活にも打撃を与え、これまで内包していた課題を顕在化させています。
思えば、人類の歴史は感染症との闘いの足跡でもあります。時々に流行する感染症はその時代の有り様を如実に投影し、その克服は“時代の転換”をともなってきました。
開館以来“生きた仏教のミュージアム”を標榜してきた京都佛立ミュージアムは、本企画展を通じ、新型コロナに起因する世界同時災禍の真っ只中にある今だからこそ、SDGsの達成期限と定められる “アフターコロナ2030” に向けて、真に豊かな人生と社会の実現を目指し、皆様とともに進むべき方向を考えたいと思います。
期間 令和2(2020)年12月18日 ~ 令和3(2021)年5月23日
[平日]10時~16時
[土日祝]10時~17時
[休館]月曜日 ※但し、月曜日が祝祭日のときは開館、翌日代休。
入場料 無料
主催 京都佛立ミュージアム http://www.hbsmuseum.jp/
後援(順不同・申請中を含む)
京都府/京都府教育委員会/京都市/京都市教育委員会/報道各社 ほか
協力(順不同・申請中を含む)
日蓮宗/日蓮門下連合会/全日本仏教会/長岡技術科学大学 ほか
協賛:本門佛立宗