2026年10月25日 小笠原諸島西方沖の地震との関連について
本門佛立宗 妙福寺(京都市伏見区)
1.調査の概要
2026年10月25日(日)、京都市伏見区の本門佛立宗妙福寺では、午前10時より高祖会ならびに松寿院・薫奥様三十七回忌法要を奉修していました。
法要中、本堂内に設置されている吊灯籠と天蓋が、同じ時間帯に左右方向へ揺れる現象が確認されました。
当日は窓を開放しておらず、空調による風の影響も考えにくい状況でした。
同日午前11時09分頃には、小笠原諸島西方沖を震源とする大規模な深発地震が発生しています。
そこで、当日の法要を記録した録画映像から揺れの開始時刻と継続時間を算出し、地震との時間的な関連について検討しました。
2.録画映像による揺れの確認
録画映像を確認したところ、次の時点で揺れが観察されました。
確認項目 録画上の経過時間
法要開始 15分18秒
吊灯籠・天蓋の揺れ始め 1時間27分45秒
揺れの終了 1時間37分27秒
法要開始時刻を午前10時00分と仮定し、録画上の経過時間から実際の時刻を算出しました。
【揺れ始め】
1時間27分45秒 − 15分18秒 = 1時間12分27秒
10時00分 + 1時間12分27秒
= 午前11時12分27秒
【揺れの終了】
1時間37分27秒 − 15分18秒 = 1時間22分09秒
10時00分 + 1時間22分09秒
= 午前11時22分09秒
【揺れの継続時間】
1時間37分27秒 − 1時間27分45秒
= 9分42秒
以上から、本堂内の吊灯籠と天蓋は、午前11時12分27秒頃から11時22分09秒頃まで、約10分間にわたって揺れていたと推定されます。
なお、これらは法要が正確に午前10時00分に開始されたことを前提とした推定時刻です。継続時間については、録画映像の時間表示に基づく値です。
3.小笠原諸島西方沖の地震について
気象庁の地震情報によると、2026年10月25日午前11時09分頃、小笠原諸島西方沖で大規模な地震が発生しました。
項目 内容
発生日時 2026年10月25日 11時09分22秒
震源地 小笠原諸島西方沖
マグニチュード M7.0(速報値)
震源の深さ 約470km(速報値)
最大震度 3
京都までの震央距離 約1,100km
この地震は、地下深くで発生した「深発地震」です。
深発地震では、地震波が地下深部のプレート内部などを伝わることによって、震源から遠く離れた地域にも揺れが伝わる場合があります。
また、震源に近い地域よりも離れた地域で強い揺れが観測される「異常震域」と呼ばれる現象が生じることもあります。
4.地震発生時刻と本堂の揺れの比較
地震発生時刻と録画映像から算出した揺れの時刻を比較すると、次のようになります。
現象 時刻
小笠原諸島西方沖で地震発生 11時09分22秒
妙福寺本堂の揺れ始め 11時12分27秒
妙福寺本堂の揺れ終了 11時22分09秒
地震発生から揺れ始めまで 3分05秒
地震発生から揺れ終了まで 12分47秒
本堂で確認された揺れの継続時間 9分42秒
今回、特に注目されるのは、地震発生から約3分後に吊灯籠と天蓋の揺れが始まっていることです。
震源から京都まで約1,100km離れていることを考慮すると、この時間差は、地震波が伝わる時間として物理的に考えられる範囲にあります。
ただし、地震波の実際の到達時刻は、震源の深さや地下構造、地震波の種類などによって異なります。
そのため、時間的な一致だけで地震との因果関係を断定することはできません。
5.約10分間続いた揺れについて
今回の録画映像から、揺れが9分42秒間続いていたことが確認されました。
この現象を考えるうえで、次の二つの要因が考えられます。
① 遠方から伝わる地震波の影響
大規模な地震では、異なる経路を伝わった地震波が時間差で到達したり、長周期の揺れが続いたりする場合があります。
そのため、地震発生から数分後に建物が振動することは、地震学的に考えられる現象です。
② 吊灯籠・天蓋の振り子としての性質
吊灯籠や天蓋のように天井から吊り下げられた構造物は、振り子と同じような性質を持っています。
外部からの微弱な振動であっても、振動の周期が合えば揺れが増幅される場合があります。
また、一度揺れ始めると、外部からの振動が収まった後も、しばらく揺れ続けることがあります。
したがって、今回確認された9分42秒という継続時間は、地震波が約10分間作用し続けたことを直接示すものではありません。
建物の振動と吊り下げ構造物の固有振動が組み合わさった可能性も考えられます。
6.複数の吊り下げ物が同時に揺れたことについて
今回の現象では、吊灯籠と天蓋という、構造や重量の異なる複数の吊り下げ物が、同じ時間帯に左右方向へ揺れていました。
このことは、個々の吊り下げ物に別々の力が加わったというよりも、建物全体、あるいは共通する支持構造を通じて振動が伝わった可能性を示唆しています。
また、地震による振動が非常に小さく、人間には体感できない程度であっても、吊り下げ構造物には目に見える揺れが生じる場合があります。
ただし、今回の観察だけでは、複数の吊り下げ物が完全に同期していたかどうか、また振動の原因が地震であったかどうかまでは判断できません。
7.現時点での考察と結論
今回の調査によって、次の事実が整理できました。
1. 2026年10月25日午前11時09分22秒、小笠原諸島西方沖で大規模な深発地震が発生した。
2. 妙福寺本堂では、録画映像から午前11時12分27秒頃に吊灯籠と天蓋が揺れ始めたと推定される。
3. 地震発生から揺れ始めまでの時間差は約3分05秒であった。
4. 揺れは午前11時22分09秒頃まで、9分42秒間続いていた。
5. 複数の吊り下げ物が同じ方向へ揺れており、風などによる直接的な影響は考えにくい状況だった。
以上のことから、小笠原諸島西方沖の深発地震による微弱な地震動が京都市伏見区まで伝わり、妙福寺本堂の吊灯籠と天蓋を揺らした可能性が考えられます。
特に、法要の録画映像から揺れの開始時刻と継続時間を具体的に算出できたことは、地震との関連を検証するうえで重要な資料となります。
一方、現時点では京都周辺の地震観測波形との照合ができていないため、地震が直接の原因であったと断定することはできません。
今後、京都周辺の地震計に記録された2026年10月25日午前11時09分〜11時23分頃の観測データを確認し、揺れの到達時刻や振動の周期を照合することで、さらに客観的な検証が可能になると考えられます。
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参考資料
気象庁「2026年10月25日 小笠原諸島西方沖の地震」
防災科学技術研究所「強震観測網 K-NET・KiK-net」
※地震の諸元は速報値に基づいており、今後修正される可能性があります。
本門佛立宗 妙福寺
京都市伏見区
調査報告作成:2026年10月28日