2012年8月26日日曜日

書評(涙)

書評、神奈川新聞に載せていただきました。少し辛口でしたが、これも当然。いろいろな感じ方があります。いずれにしてもご紹介いただくことはありがたい。

同時に、佛教タイムスさまが書評を載せてくださいました。全くご協力も出来ていないのに、とっても深く拙著を読んでいただいて、本当にありがたい書評でした。書き綴った内容を受け止めてくださり、心から感激しました。

下記に載せさせていただきます。

「仏教タイムズ 
『仏教徒 坂本龍馬』書評

 明治維新の立役者である坂本龍馬と、本門佛立宗の開導、長松清風(日扇)。この二人を繋ぐものは何か−仏教である。と本書は喝破する。

「仏法ハ国家ヲ保護スル大威力ヲ具足セル、大活法」

「独リ仏法ハ、無辺之鳥獣艸木ニ到ルマテ済度スベシ、何ゾ況ンヤ、有縁之衆生ニ於テヲヤ」

こういった言葉が、海援隊が龍馬存命中に出版した宗教論「閑愁録」に書かれている。この書物は俗には龍馬の部下である長岡謙吉が書いたとされているが、著書はそれを「狡猾で、理不尽」と断じ、龍馬の認めた内容で、龍馬の思想を述べたものとする。つまり、龍馬は仏教による社会の変革とその後の安定を志していたのだ。新政府の国体を「仏教を以てしやう」と述べたともいう。

 この龍馬の思想に反応したのが清風である。清風は「閑愁録」に書かれた、天下の乱れは仏法の乱れから起こっているという説を、日蓮が『立正安国論』で説いた論旨と合致していると考えた。彼は堕落した僧侶の姿に失望し、衆生救済の菩薩行に邁進した仏教改革者だった。

 残念ながらこの2人が直接邂逅した記録はないが「仏教ルネサンスを呼びかけたのが龍馬だとしたら仏教ルネサンスを実践したのが長松清風であった」と著者は述べる。

 海援隊は『閑愁録』以外にも、語学書『和英通韻以呂波便覧』と政治書「藩論」を出しているが、いずれもこれまでの龍馬研究ではあまり重要視されてこなかった。そこにスポットライトを当てて、仏教をキーワードに人物像を掘り下げたところに本書の面白さがある。実際、「仏教徒としての坂本龍馬」は従来見過ごされてきたのだ。清風の生き様もまた魅力的。両者の研究をする際には必ず参照されるべき一冊なのは確かだ。

 今こそ両者が願ったように、人々を救う「生きた仏教」を再興せよ、という最終章の主張には発奮させられよう。著者は清風の5代後の子孫で、佛立宗妙深寺の住職。」

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