2017年12月1日金曜日

「班長さん、ありがとうございます」 妙深寺 役中テキスト 平成29年12月号














ありがとうございます。


佛立開導日扇聖人ご生誕200年慶讃の年も最終月を迎えました。なにか寂しい気持ちもいたします。


この慶讃ご奉公の中で、一人でも多くの方々に開導聖人の御徳を伝えようと努めて参りましたが、それがどこまで出来たか振り返っております。もし、これが不十分であったなら、大変もったいないことです。


開導聖人ご生誕の慶祝は、本門佛立宗だけのものでした。これから迎える日蓮聖人ご生誕800年は日蓮門下すべての慶祝となります。内輪だけの話ではなく、この天下の中でお祖師さまの正流を受け継ぐのは本門佛立宗だけです。


だからこそ、開導聖人ご生誕200年の節目に、そのご出現やご一生、存在の価値、その御法門、そのご奉公を、広く知らしめなければならないと思ってきたのです。


開導聖人は次のように記されています。


「当家正流を立てて、結び弘めたる本門佛立講なり。これ当講興起の来由なり。」


「本化出世の御本懐、不軽立行、当門流に水際立て顕させ給へし、我らその御役目にあたり候へばこそ日本国に未曾有の本門佛立講出来候ひしぞかし。生々世々、不退の菩薩行、金剛の信行、安政巳年より日々に広宣、今に及び候事を思し召せ。


これおぼろげの事にはあらず。過去久遠の末法、蓮師滅後六百年にも佛立講ありしこと思ひ合わさるる。されば、その砌にも清風、現喜といひしもの有りしこと疑ふべからず。御指南の明鏡くもりなし。余は準知せられよ。人間の一生、しばしの程なり。娑婆の旅宿の夢さめては本覚の王宮にうつつのほまれ、如来の御使い、弥に心いさましく、法敵の邪賊をせめ滅ぼし給へよや。あなかしこ。」


難しく、分かられないかも知れません。しかし、この「水際」を分かっていただきたいと思ってきたのです。


葬式仏教でも、新興宗教でもない。開導聖人がなさったのは「仏教の再興」「仏教の再生」でした。開導聖人は新しい宗教を起こしたのではないのです。


日本の仏教界が仏教そのものの価値を見失い、復古神道が実際に仏教を亡き者にしようとした時代に、開導聖人は京都に誕生し、豊かな日本文化を継承者し、その才覚を誰もが称讃するまでになられ、それでも仏教改革者として生涯を捧げた、他に比す者などいない御方です。新興宗教の開祖などでは断じてありません。


本門佛立宗の教講となり、生きたお寺に、上行所伝の御題目に、お出会いできたこと。これは千載一遇のチャンスをいただいたのと同様です。私たちは、かけがえのないチャンス、宝物をいただいているのです。


生まれ変わり、死に変わり。誰もが短い一生を終えてゆきます。老いて、病気にもなり、必ず死を迎えてゆきます。それでも私たちは、決して失われることのない果報、功徳をいただき、永遠の命の中で大切な人を愛し、大切な人と共に生きてゆくことが出来るのです。これほど有難いことはありません。


あなたは、久遠から繰り返し続いているミッション(使命)の中にいる重要な登場人物でした。そのことに気づいていただきたい。そのことを伝えたい。そのことに気づけるのが本当のご信心です。


ありがとうございます。本当に、ありがとうございます。本門八品所顕・上行所伝・本因下種の南無妙法蓮華経―。


最終月。深く思いを巡らせて、これまでのご奉公を振り返りましょう。ご宝前で、御本尊を見据えて、一心に御題目をお唱えさせていただきましょう。


さらに心勇ましく、精進いたしましょう。

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