2018年6月18日月曜日

原子爆弾被爆者別府温泉利用研究所

























父の日に父二人は。


この日程しか組めず、このタイミングで、大分県に来させていただいています。


世界初の原子爆弾被爆者のための温泉療養施設として開設された原子爆弾被爆者別府温泉利用研究所、通称「原爆センター」。


当たり前ですが利用者の減少にともなって閉鎖され、新しい施設に生まれ変わっています。


人を温めて美しく健康にする。


今回、この歴史ある場所、最先端のヘルスケア事業のモデルが実現した場所に、マグマスパジャパンの小泉代表にお誘いいただき、ご一緒させていただきました。


僕は門外漢で分からないことばかりですが、予防医学、身体を温める大切さ、勉強になります。


とにかく、この地は長崎や広島で被爆された方々を、長期的に滞在していただいて療養し、治療した場所。


もしかしたら、あの少年も、「トランクの中の日本」に写されていた人たちの誰かも、この場所を訪れていたかもしれないと想いながらウトウトしていたら朝が来ました。


このタイミングでこの場所に来たことの意味、ありがたく思います。


昨日、毎日新聞の篠田記者からお電話をいただきました。


今朝の朝刊、京都版で京都佛立ミュージアムの展示をご紹介くださるとのことです。


本当に、ありがたいです。


私には信仰があり、その信念もありますが、あらゆる壁を越えて、まず戦争をする愚かさや恐ろしさだけはみんなで共有しなければならないと思います。


戦争を政治の延長線にあるという人もいます。


たしかに、その通りです。


戦争は人類史上ずっと行われてきた宿命的な営みの一つという人もいます。


たしかに、そうでしょう。


宗教そのものが戦争の原因となり、宗教が戦争を支え、宗教が戦意を高揚させてきたじゃないか、という人もいます。


たしかに、そうです。


しかし、人類は成長してきたじゃないですか。


もはや地球を何度も破壊できるくらいの科学技術を持ち、人類だけではなく他の生物を何度も破滅させられる兵器を開発しているんです。


もう、そんな古いことは言ってないで、僕たちで新しい価値観を共有し、新しい世界を作れるはずです。


病気や事故、災害で亡くなる、幼く、若い命があります。


本当に、かなしいし、くやしい。


そんな運命を恨み、悔み、悲しむから、戦争で傷つき、奪われてゆく幼く、若い命を許すことは出来ない。


一人を殺したら犯罪者で、何万人を殺したらヒーローになる、という言葉を聞いたことがあります。


もう、これも古いです。


もはや、そんなことは通用しない。


宇宙誕生以来、真実は負けたことがない。


どんな理由をつけようと、許されないことがあります。


ジョー・オダネル氏は言いました。


「歴史は繰り返すと言うが、繰り返してはならない歴史もあるはずだ。」


原爆という恐ろしい兵器とそれに苦しむ人を目の当たりにしたオダネル氏の言葉は、暴政を続けながら保身を考える暴君や超大国に生まれた山師のような指導者が見せる平和と違う。


僕たち一人ひとりは、彼らを追い出すくらい、もっと力がある。


Power to the people.


ビジネスで平和になる。


たしかにそういう面もあるかな。


しかし、そういうのは長続きしない、しかも反作用がある。


平和を求めて戦争になること、平和が戦争の理由になることも、数え切れないほどあったのだから。


だからこそ、前回の展示では冒頭にサン=テクジュペリの言葉を紹介しました。


「恐怖の描写をするだけであれば、われわれは正しく戦争に反対することにならない。生きることの喜びや無駄な死の非情さについて声高く述べるだけでも、同じように正しく戦争に反対することにはならない。数千年以来、母親の涙について語られて来た。だがその言葉も、息子が死ぬことを妨げ得ないことをしっかりと認めなければならない。」


また、彼はこんな言葉も残しています。


「地上の間近から見れば、あんなにも細分化された大地ではあるが、1万メートル上空から見ればただの一つである。人類が高度を増せば、人類の救いは不可能ではない。」


B-29操縦士の『空襲ノート』。日本人を悪魔と思っていた米国人の、日本の一般市民を虐殺すべく焼夷弾を落とそうとするB-29の操縦士たちの手記。


「眼下は日本の美しい緑だった。民家の屋根が陽に輝いて見えた。空地らしいところに白い点のようなものがたくさん走り回っている。何だろうと興味を持った。同乗員に調べてくれと頼んだ。彼は強力な望遠鏡で見ていたが、すっとんきょうな声で『あっ、少年たちがベースボールをやってる』と言った。それから重い沈黙が機内を支配した。誰もが口を固く結んだままひと言もしゃべらなかった」


狂気の中でおぞましいことをする人間に、フッと人間らしさがよみがえることがある。


それでも人間を信じたい。


人間の中にこそ、神はいる。


たしかに、悪魔も、鬼も、いるけれど。


南無妙法蓮華経ー。


原子力爆弾によって傷つき、この世の地獄のような、恐ろしいものを見て、この場所に来られていた方々を思いながら、これからの未来、これから始まる人類の新しい世紀に希望を抱きます。


彼らのためにも。


そのために、生きたい。


昨日、ネパールから清行師が無事に帰国、帰山いたしました。


また、スリランカからお姫さまの写真が届きました。


ありがたいです。


南無妙法蓮華経ー。

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