昨日は仏教思想研究家の植木雅俊先生に妙深寺までお参詣いただき、「特別教養講座」にご登壇いただきました。
法華経の御法門、本当の仏教を知る機会、お祖師さま・日蓮聖人の実像に迫る機会として、貴重な時間となりました。
本門佛立宗は「み仏の立てられた宗旨」を根本としています。
そもそも日蓮聖人は「佛立宗」について様々に触れられています。
「法華宗は釈迦所立の宗なり。其故は已説、今説、当説の中には法華経第一なりと説き給ふ。これ釈迦佛の立て給ふ所の御語なり。故に法華経をば佛立宗と云ひ又は法華宗とも云ふ。又は天台宗とも云ふなり。故に伝教大師の釈に云く「天台所釈の法華宗は釈迦世尊所立の宗」と云へり」法華初心成佛抄
「当に知るべし、今の法華宗とは諸経中王の文に依つて、之を建立す。佛立宗とは釈迦独尊の所立の宗なる故なり」法華宗内証佛法血脈
「天台法華宗は佛立宗と申て佛より立られて候」聖密房御書
「経に云く「於諸経中最在其上」。又云く「法華最第一」。伝教大師の云く「佛立宗」云云」太田入道殿御返事
日蓮聖人が仰せになられているのは「み仏の立てた宗」に対し、「人の立てた宗」=「人立宗」が乱立して、本当の仏教から逸脱してきたきたという認識です。
そもそも、日蓮聖人は次のようにお諭しで、元祖や開祖になるのではなく、あくまで久遠の「仏陀の直弟子」であることのみを求められました。
「然るに日蓮は何の宗の元祖にもあらず、又末葉にもあらず。」妙密上人女房御消息
このことから、幕末維新の仏教改革者・長松清風日扇聖人は「佛立宗」という宗名のとおり、法華経本門にある「本当の仏教」を宗旨として本門佛立宗としました。
「当家正流を立てて、結び弘めたる本門佛立講なり。これ当講興起の来由なり。」
タゴール大学の学長が言われた言葉のとおり、21世紀は仏教が世界へ広がらなければならない時代です。仏教こそ世界の希望。なぜなら、平等を説き、迷信を退け、西洋の倫理観ではなく東洋の普遍的な価値観が示されているからです。
特別教養講座には多くの聴講者に参加いただきました。オンラインでも多くのアクセスがありました。現在YouTubeの動画は限定公開とさせていただいています。妙深寺の教講はリンクから何度もご視聴いただきたいです。
ウクライナの戦争が早期に収束し、世界に戦火が広がらないよう、祈り、努めなければなりません。私たち仏教者は、仏教の普遍的な価値観、思想、教え、信仰を、伝えなければならないと思います。
はるか遠い目標のように感じますが、「微力ではあるが無力ではない」と信じて、精進いたしましょう。
仏教の原点は「自己との対決」であり、ご信心は自己の発見、自己の実現です。混沌とした現代だからこそ、自己と対決し、自己を発見し、自覚して、自由に、自然に、自分で、生きましょう。
よろしくお願いいたします。
ありがとうございます。
0 件のコメント:
コメントを投稿