2011年4月14日木曜日

ゴーストタウンの中で

すでに書いているように、秋山ご住職は、特に、原発事故現場に近い寺院のご住職です。本日お伺いしたお母さんをはじめ、原発事故の影響を直接受けるご信者さま方や、そこで復旧作業に当たる方やご家族を受け持たれています。

先日のいわき市の直下型地震では、いわき市でご奉公されていると聞いていたので本当に心配しました。どしゃ降りの中、一人お水を配っていた最中の地震。道路が寸断されて一人でお寺にいると聞き、すぐに駆けつけたい思いでした。先日来お伺いしているお母さんのお宅も心配でした。もちろん、全国民、全世界の人が心配する福島第一原発の状態も。

今日、一緒にお助行にお伺いできて、本当によかった。「ぜんぶ終わったら、横浜に行きたい」と言ってくださっているお母さんのお宅に、みんなで息子さんのご祈願をしている妙深寺から、物資や気持ちをお届けできて、本当によかった。僕たちが伺った時も、お看経をされていた直後でした。お蝋燭が灯されていました。息子さんのこと、どれほど心配か分かりません。

ご近所の方々も集まっていただいて、前に住んでおられる小学校のお子さんまで出てきていただいて、お水や食べ物、お菓子や「お鏡さん」までお届けできて、よかったです。「仏さまにお供えして、みんなの南無妙法蓮華経がたくさんこもったお餅です。」とお伝えして。ご近所の方々、秋山ご住職に対して、本当に、本当に、感謝しておられました。ありがたいです。「こんなお寺、あったんだね」と仰っていました。「ここまでするお寺、あるんだね」と。

お母さんのお宅を後にして、その息子さんがお勤めになっている原発事故現場の近くまで行きました。普段秋山ご住職がご奉公されている地域。今はゴーストタウンとなっている避難勧告の地域、恐ろしい津波被害が出ているのにほとんど手が入らず、野犬化した飼い犬やカラスが遺体をつついていると言われる地域。

緊急車輌として警察の方の許可を受け、完全に人気の消えた道を走りました。時折すれ違う車に乗っている人たちは防護服を着た関係者の方々です。必死に原発事故の復旧に従事されておられるのだと思います。

右手に広がる海岸線の集落は、津波の被害を受けて倒壊しています。これは、いわき市の南の海岸線からずっと続く光景です。夕方も書いたように、長い海岸線の家々が長距離にわたって流されており、大きな被害を受けているのです。

そして、この大地震発生直後に起こった原発事故によって、この地域は被災状況も分からぬまま避難を余儀なくされました。行方不明者は、まだ数千人に上ると言われているのが福島県の状況です。それらのご遺体が、海岸線の倒壊した地域に眠っておられる。南無妙法蓮華経、南無妙法蓮華経、南無妙法蓮華経。それしか、ありませんでした。

また、お母さんの息子さん、大切な佛立のご信者さまが、あの恐ろしい現場で寝食を惜しんで職務に当たっておられる。妙運寺のご信者さまが勤めておられるのは事故の起きている福島第一原子力発電所ですが、その南約10キロにある福島第二原子力発電所は復旧作業の拠点になっているとのこと。その福島第二原発にも、大切なご信者さまの息子さんが任務に就いておられる。

とにかく、この状況下で、秋山ご住職と共に、御題目をお唱えさせていただきました。必ず、災難を逃れ、任務を全うされ、事故を収束させ、災難を逃れて、ご家族のもとに戻ってくださいますように。そのために、ご信心を、忘れないで。御題目を。私たちが、います。ご祈願しています、と。

道路が完全に寸断されていて、第二原発から第一原発までは迂回しなければ行けません。私たちは、この第二原発で引き返しました。とにかく、穏やかで、美しかったこの地域が、このような状況になり、秋山ご住職は、しきりに、哀しんでおられました。南無妙法蓮華経。祈るしかない。願うしかない。思い出の場所、故郷、美しい海岸、浜辺、よく行った喫茶店、お世話になった接骨院。それぞれが閉ざされ、倒れ、傾き。

一緒にご奉公させていただき、御題目をお唱えさせていただいて、よかった。

秋山ご住職は、「長生きしてもらわなければならないお教務さんやご信者さんがいる。その方々に来てもらうわけにはいかない」と言っておられました。支援の申し出を受けている中、やはり、もしものことを考えれば、10年後、20年後に、素晴らしいお講師には、健康でいていただかなければならない、と。

二人で、そうした話をしながら、御題目をお唱えさせていただきました。

この地域に眠っておられる方々の、安らかなることを。どうか。

南無妙法蓮華経、南無妙法蓮華経、南無妙法蓮華経。

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