令和4年5月度 妙深寺「役中テキスト」
「班長さん、ありがとうございます。」住職清潤
ありがとうございます。
佛立開導日扇聖人の御指南に。
「妙法蓮華経の極意は、人を助けんと行ずれば我身をたすかると云ふ菩薩行也。是則此経の御本意也。御弟子旦那之を信ずべき也」(聖典四〇三)
コロナ禍に加えてウクライナでは戦争が始まり、戦火は世界中に飛び火しようとしています。すでにロシア産の物資は滞り、世界経済は予測不可能な状況です。円安とインフレは家計を直撃しています。電気代、ガス代、高速道路の料金も、驚くほど高くなっています。ガソリン代も今までと違うレベルで高くなっています。ワクチン費用もガソリン代もコロナ対策費も全て税金でまかなっています。これに加えて防衛費も上げなければならないなど、もはや狂気の沙汰です。すべての「ツケ」を次の世代や未来に回しています。
こうしたすべての流れが、因果の道理に照らして通用するはずもありません。必ずしっぺ返しが来ます。こうした政治を選んでいるのも私たち、恩恵に預かってきたのも私たち。どうしようもありません。
因果の道理にのっとって、来るべき災害、戦争、飢饉、大混乱に備えて、信心を強く持ち、功徳を積み、罪障を消滅して、備えておくべきでしょう。
人を助けようと努める菩薩行、ご信心が、自分を救うのです。家族を助けるのです。それが法華経の極意、このご信心の究極の教えなのです。
お寺のためでもない、何のためでもない。全て自分に返ってくる、家族に返ってくるのが菩薩行の功徳、ご奉公の功徳なのです。
お祖師さまの御妙判に。
「人に物をほどこせば我が身のたすけとなる。譬へば人のために火をともせば我がまへあきらかなるがごとし。」
とあります。自分のことばかり考えていて、ご供養の志も立てず、功徳を積まなければいざという時の救いはありません。逆に、「施す」という志を立て、実践していれば、自分に返ってくる、助けになる、とお諭しです。それは、人のために火を灯したら、自分の前も明るくなるのと同じなのです。
結局、戦争も経済危機も、人間の迷惑と果てしない欲望によって起こっています。
開導聖人の御指南。
「謗法の根は迷貪なり」(聖典六一)
謗法とは人間が因果の道理から逸脱し、自ら不幸を招く中にいる状態のことです。
ロシアの総主教の絢爛豪華な冠や法衣は権威主義の象徴です。救世主を待望し、神を神として崇め、悪魔を悪魔として恐れ断罪する宗教は人間の迷いを深めるのみです。
神も仏も自分の中にいる。悪魔すら自分の中にいる。その調和を求めるのが真実の仏教、本物の宗教ではありませんか。
自己との対決が仏教であり、自己の発見が佛立信心です。お互いに三毒強盛の凡夫ではありますが、少なくとも自分の謗法と罪障を自覚し、菩薩行の大事を教えていただくのが佛立教講です。
これからの世界は先が見えません。この時こそご信心、ご奉公です。開導会併せて先住日爽上人御二十三回忌法要に向けて、しっかりご奉公させていただきましょう。自分が救われる修行です。油断、懈怠せず、悲観は感情、楽観は意志、励みましょう。
後悔しないために功徳を積むことです。
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