妙深寺では毎日住職による教区御講を奉修させていただいております。
93才の斎藤美津子さん。元NHKのアナウンサー。旧姓は平林。
妙深寺初代住職・日博上人と卒業論文の研究テーマ「仏教とキリスト教の違い」についてインタビューしたことを御縁として箱根療養所などの慰問に同行されるようになりました。
大学卒業後はNHKに入社。何と男性は2000人の応募に20人採用、女性は80人の内4人のみ採用。その難関を突破してアナウンサーとなられたのです。
終戦からわずか10年。1955年、昭和30年当時に、斎藤美津子さんは同じくアナウンサーのご主人とご結婚され、ともにNHKのワシントン支局に勤務されていました。
その折も折、日博上人は日颯上人の随伴をして、ブラジルに渡られたのです。
『コーヒーの壺』の中に、ブラジルでのご奉公を終えた帰路、ニューヨークでお会いしようとした斎藤さんとのエピソードが掲載されています。
「アメリカ合衆国の横断」
「ニューヨークに赤毛布を脱ぎすてて ロッキー山脈今し飛翔す」
「二十七日はワシントンへ行く予定だったが時間的に無理なので残念ながら中止した。
アメリカへ派遣のNHKの斎藤アナウンサーの夫人となった平林美津子さんは、夫君とワシントン放送局にいる為、ブラジルより連絡をして置いた処、電話がプリンス・ジョージホテルにかかって来たが、非常に懐かしかった。夫君と共に御馳走の用意をして待って下さったのに、ゆかれず誠に残念でもあり、申訳ない事をした。」
「ハワイの思い出」
「ワイキキの真佐江はよろし富永に 細川いましてハワイたのしも」
「私はブラジルを出発する時に、何時か分からぬまま、ワシントンの放送局気付でNHKからワシントン放送局に派遣中の斎藤美津子さんに手紙を出しておいたところ、ニューヨークのホテルに連絡があり、感謝した。」
斎藤さんは、4時間もかけて、ワシントンD.C.からニューヨークまで、3ヶ月のお子さんを抱っこして電車で向かったのだそうです。ブラジルから日本に帰られる途中の、日博上人に会うために。
一昨日の御講席で、その時のことをお話くださいました。
さすが元アナウンサーで、斎藤さんの声は若々しく力があります。
御講では、若い方や、こうしたレジェンドのような先輩から、素晴らしいお話をお聞きすることが出来ます。本当に、ありがたい!
今日は夕方2席の御講から忌日のお助行に寄らせていただきました。僕には数え切れないほど御恩のある先輩方がおられますが、中でも飛び切りの方のご実家。
無常の世の中で、お母さんと一緒にお参りさせていただいていることが心からありがたく、ただただ感謝、感謝です。
明日は10時から高祖総講、併せて大御本尊会式を奉修させていただきます。
エレベーター設置工事が最終段階に入っていて、12月26日に完成式を執行する予定でおります。
ありがとうございます。
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