“自分が正しい”症候群
そういうものがあるらしい。
いま、世の中で、とんでもないことが起きているような気がします。
心の中で。
「魔が入る」という言葉があります。法華経には「悪鬼入其身(悪鬼その身に入りて)」という御文があります。
魔や鬼に心を取られて、グルグル目を回し、心を偏らせ、知らず知らず謗法や罪障の代弁者になってしまう。
御教歌
「よの人のさがなしごとをまた人に つたへてわれに罪なつくりそ」
「さがなし(性無し)」とは「意地が悪い、性格が悪い」「口が悪い、口うるさい」「いたずらな」という意味。
意地の悪いことを、口うるさく、ほんの軽い気持ちで、いたずら心で発言したり、書き込んだりする。
そうして罪を作っている。そうして罪の報いを受ける。結局自分に返ってくる。罪は巡る。
「PTSD」は他人から受けた心の傷だけではありません。「PTSD」の加害者が自分の場合もあります。
自分の言ったことに苦しむ。自分のしたことに苦しむ。自分の思ったことに苦しむこともあります。
匿名の世界で、誰にも知られないと思っていても、一人だけ知っている者がいます。
自分です。「嘘をついている自分」「ひどいことをした自分」を目撃していた「自分」が「自分」を苦しめます。
この難儀な世界では、心の免疫力が下がり、神経がすり切れてしまう。そういうことが、多いのだと思います。
敵だらけ、傷だらけ、隙だらけで、フッと魔が忍び寄る。
みんな、孤独だから。
とにかく、いま世の中でとんでもないことが起きています。みんなで麻痺に麻痺を重ねて、本当に「ヤバイ」ことに気づかなくなっています。
そう感じてなりません。正しいか正しくないかではなく、その奥にあるものを見つめたり、信じたり、共有しなければ、前に進めません。思いやり、信じ合い、見つめ合う。慈悲の心、菩提心が必要なのです。
仏教的に言えば、真理以外の、正しいか、正しくないかは、変わっていくのだから。
“自分が正しい”症候群
「症候群」という意味は「世界的な心の病のパンデミック」に似ています。
「原因不明ながら共通の病態を示す患者が多い場合に、そのような症状の集まりに名をつけ扱いやすくしたもの。シンドローム。「シンドローム」の原義は「同時進行」で、同時発生様の社会現象などを指す用語としても使われる。」
世界中で、同時に、原因不明の症状が現れる。
現れていると思います。麻痺から覚めて、見なければならないと思います。
一人でも多くの方々とつながり、支えあえたらと思います。それが仏教だから。
「願わくはこの功徳をもって普く一切に及ぼし、我らと衆生と皆ともに仏道を成ぜん」妙法蓮華経
「世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない
自我の意識は個人から集団社会宇宙と次第に進化する
この方向は古い聖者の踏みまた教へた道ではないか
新たな時代は世界が一の意識になり生物となる方向にある
正しく強く生きるとは銀河系を自らの中に意識してこれに応じて行くことである
われらは世界のまことの幸福を索ねよう
求道すでに道である」宮沢賢治
御教歌
「国のため わが家のため 身のためと なるもみのりの声のひゞきに」
悲しいニュースが続きますし、虚しい話ばかり耳にしますが、負けないで。
祈りましょう。