コロナ禍、お参詣もままならない中、気分が落ち込んだ、滅入った、という声を聞き、少しでも心が近づき、なにかの足しになればと始めた誕生日の方へのお祝いビデオメッセージ。
妙深寺には「誕生簿」というものがあります。一度でも誕生日の御礼をお寺に申し込まれた方のお名前が記されています。ご本人はもちろん、「生まれてきてくれて、ありがとう」とご両親が御礼される場合もあります。そして、本人が知る、知らないに関わらず、誕生日の当日、妙深寺のご宝前で「今日までの御礼」と「今日からの御祈願」を言上させていただきます。これは毎年ずっと毎日させていただいています。
このことをお伝えするだけでも、気持ちが前向きになったり、心が近づいたりするかな、と思ってさせていただくようにしました。
2月の少し前からはじめて、毎日コツコツとメッセージを収録し、お届けして参りました。誕生日にお坊さんからお祝いが届くのを不吉に思うお子さんもいたと思います(笑)。でも、コツコツとお送りしてきました。
今日1700名の方にお祝いのビデオメッセージをお送りしたことが分かり、年末ですので記録しておきたいと思います。このご奉公は来年の1月末まで、一巡するまでさせていただこうと思っています。
本当に、このご奉公をさせていただいて、よかったです。妙深寺の中の、普段はあまり交流できなくなっているご家族の近況を知ったり、受持の御講師とその方について話をしたり、何よりビデオメッセージをお送りすることで本当に心が近くなったような気持ちになりました。住職として、これ以上の喜びはありません。
もちろん、活動制限のあるコロナ禍でスタートしたご奉公だったので、いったん収束状態となって制限が緩和され、東西南北を走り回るご奉公が再開したのは誤算でした。スケジュールが超過密に戻ったのに、プラスこのビデオメッセージの収録があるという、コロナ前よりも忙しくなってしまいました。それでも、大切なご奉公が出来たと、ありがたく思っています。
「生きたお寺・妙深寺」。もっともっと、心を近づけて、お互いに励まし合い、勇気を与え合い、厳しい世界の中、無常の世の中、それぞれの人生を、確かに歩んでいけるように、一人ひとりのために、生きたお寺のご奉公を積み重ねてゆきたいと思います。
「誕生自祝」。誕生日は、誰かにお祝いしてもらうだけではなく、一番大切なのは「自祝」、自分でお祝いすること、生まれてきたことに感謝、生んでくれたことに感謝、生かされていることに感謝、生きとし生けるものに感謝する日。「誕生自祝」とは深い教えです。
汚い自分の部屋を掃除して、毎日なんとか撮影してきました。これからも積み重ねてゆきます。ありがとうございます。
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