2023年12月18日月曜日

猛き者も遂にはほろびぬ


戦争という最も恐ろしい選択をした為政者は、多くの成果を得、多くの失敗をする。


国民の支持を得なければ戦争を継続できないから、彼らは成果を強調し、失敗は隠蔽する。いつの時代の戦争もそうしてきた。


これからの時代、AIを活用した完全なる捏造と情報操作が行われる。国民に選択権はあっても真実を知る権利や機会は失われる。


すでに失敗も成功もない。地球市民はあらゆる戦争に反対すべき。戦争以外の道を選ぶべき、選ばせるべき。


残念ながら道具が進化しても人間の本質は変わらない。素晴らしい可能性とおぞましいほどの愚かさ。


進化すれば進化するほど真実が見えなくなる矛盾。それは退化と言える。


圧倒的な軍事力と攻撃力でパレスチナ自治区に進軍するイスラエル。あまりに偏った、極端な主張と選択です。


私たちは現在の戦争を見ながら、過去を見ている。なぜ王国が滅びたか、なぜ世界中に離散することになったのか。彼らの選択に過去を見る。


そして、未来を見る。建国を果たしたイスラエルはアラブ諸国との戦争を繰り返して領土を拡張し、国家を安定させ、繁栄してきた。


しかし、この選択の果てに何があるか。今は強国でも長くは続かない。再び約束の地を追われ、世界に離散することにならないか。彼らの過去と現在、現在と未来を、少なくとも仏教徒は見るし、危惧する。


平家物語の冒頭。「奢れる人も久からず」「猛き者も遂にはほろびぬ」という一節が浮かんでは消えていく。


「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。 沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。 奢れる人も久からず、ただ春の夜の夢のごとし。 猛き者も遂にはほろびぬ、偏ひとへ に風の前の塵におなじ。」


彼らのために、別の道を選ぶべきだと思う。みんなのために、別の道を選ぶべきだと信じる。

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