2009年5月21日木曜日

スリランカ ご弘通史 ⑤

● 2006(平成18)年 ~佛立開講150 年~
 スリランカでの弘通体制も整備が進み、この年から、福岡御導師と妙深寺ご住職で手分けをされ、3 ~ 4 ヶ月に一度のお講の奉修が定例化されました。ご住職もはじめて一人でのご奉公をされ、1日9 ~ 10 席のお助行、お講、奉安などのご奉公をされ、現地から、大いなる興奮と共に、さらに信心を新たにしたとお話くださいました。当時の交信の記録に次のようなメッセージが残っています。
 『一日9 席。さすがにもうクタクタ。でも、何が信心か分かった。気づいたよ。ピュアでなければ、現証は出ない。当たり前だが、それしかないと教えて頂いた。御宝前の前で、あるいはご奉公の現場で、どのくらいピュアか。教務、導師、指導者が。ご信心の本質は、み仏の「御本意」を果たすことなのだ。みんな、仏教は知っていたが、み仏の気持ちになって生きることは知らなかった。
 だから、いまスリランカの人たちはいきいきと生きているんだ。純粋に、み仏の目的を仏に代わって果たそうとしている。そこには、本門佛立宗も、妙深寺もないんだよ。上行所伝の御題目しかない。これは、分かっているし、いつも教えて頂いているんだけど、実感として、体感としてそう思えると、一線を越えるな』
◇ 2006 年11 月23 ~ 30 日「スリランカご奉公レポート」
                                  兼子清顕
 ご住職の随身としてスリランカのご奉公へ同行させていただきました。初日は夜にお助行を2軒。
 1軒は医師のプレマレチュナ氏宅に御本尊を奉安、息子さんがご病気とのことでご祈願のお看経。スリランカメンバーによるお助行も行われているとのことで世界共通のご奉公に感激。もう1 軒はミランダさん宅へ。夜の11 時を回っていましたが、自前の法鼓を叩き、大勢のお看経に喜ばれていた。
 25 日、アビサベラ村の学校(ブッダ・ダルマ・スクール)で英語教科書の授与式・一座の法要。大勢の子どもたちと一緒に御題目をお唱えし、ご住職が英語で御法門。この学校はスリランカ仏教の僧侶が尽力して創設したとのことで、社会的に活動している僧侶の姿が印象的。
 続いてシャンタ氏が自宅を開放しているコロンボの親会場にてお講。家から溢れるほどのお参詣。ここで約20 名が御本尊を拝受。1日目にお助行に伺ったプレマレチュナ氏が息子さんのためのお助行のお礼を涙ながらにされていました。スリランカのお講では、一人一人がご住職のもとへ行き、礼をしてお布施をお渡しします。思いのこもった姿に胸を打たれました。
 26 日、バンダラウェラでは初めてお講が奉修されるということで60 人を越える大勢のお参詣。地区世話役のアジット・ペレラ氏が現在に至るまでのご奉公記録を発表。まさに無から有を生じるご奉公に感激。お講の中で、一人の女性が「御題目が一体どういうものかよくわかりませんが、唱えるととにかくありがたいんです。周りにもそう伝えています」とスピーチをしていました。純粋に、素直に御題目をお唱えする姿に感動しました。
 27 日、ウィジェセケラ氏が自宅を開放している親会場にてお講。この親会場の大御本尊は元妙深寺局長の原正雄氏が護持されていた日博上人御染筆の御本尊。
 ご住職は、「日博上人は常々、ご信者さんに、どうしたら罪障消滅がさせられるか?功徳が積ませられるか? 御利益を頂かせられるか? この三つを常に考えよ、と教えられていました」とお話しされました。
 28 日、早朝よりコロンボから約250 キロ離れたカタラガマに出発。南スリランカの大寺院であるキリ・ヴィハーラにてお講を奉修。この日、お参詣を予定していたある女性がガラスの破片で足を切ってしまい、お参詣をやめようと思っていたところ、「それはあたなのカルマ(業)が良く転じる証拠ではないか。そういう魔に負けてはいけない」とお折伏をいただき、寝ながらもお講参詣をされたとのこと。真剣なご奉公姿勢に大変勉強させていただいた。
 29 日、ニュートン・ペレラ氏宅にてお助行、帰国。 スリランカの方々は、みんな本当に素直にご信心に取り組んでおられ、それがまた御利益を速やかにし、喜びに溢れています。
 「ただとにかく御題目をお伝えする」「このご信心の歓びを伝える」という、にじみ出るほどの喜びと前向きさで一生懸命ご奉公されている姿から、ご信心・ご弘通ご奉公の原点を学ばせていただきました。日本においても同じ佛立信心をしている私たち。この原点を忘れずに奉公に励みたいと思います。
――――― そして2008 年、スリランカ佛立宗は開教10 周年を迎えました
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